異世界へ行きます!
私、月宮悠花は人生で初めて土下座をされました。
それも、普通の人間からではありません。まさかの、女神様です。
「ほーーーーーーーんと、ごめんなさい!」
私に、謝っているのは女神を名乗るこの不思議な女性です。
ピーチブロンドの長い髪をおろしていて、なにやら不思議な、例えるなら七夕の織姫様のような服を来た女性です。
しかも、顔は絶世の美人さん!
私は、どうやら死んでしまったらしいです。
この、目の前の女神様の不注意で........。
この女神様は、運命を司る神「リリアーナ」というまぁまぁえらい神様らしいです。
そして、この女神様はちょっと仕事中だというのに居眠りをしてしまったらしいです。
女神様が居眠りをしてしまったことで、本来きちんと信号機が動くはずたったのに信号機は急遽故障してしまいました。
ならば、あとはもう簡単です。
その信号機が壊れたせいで、地上は大パニックを起こしました。
そして、トラック、自動車、バスさまざまな車両がちょうどその時歩いていた私に、衝突してしまったのです。
「取り敢えず、顔を上げてください。女神様」
だからといって、女神様(を名乗る女性)から土下座されるのは、なんというか........とても緊張します。
「うん........。ありがとう。悠花ちゃん」
女神様は正座体制に入りました。
違うんです、それでもダメなのです。
女神様には私のこころが届きそうもないので、私も正座します。
これで大丈夫です........よね?
「確かに、死んでしまったのは、とても残念です。ですがもう、いいのです........。」
ふぅ。おっと、ため息が出てしまいました。
私は、ようやく高校生になりました。
それも、日本でも名高い有名女子の高校生にです。
まだまだ、やりたいことがたくさんあるのに........とも思っています。
ですが、私は、もう生きていないんだ、この思いが今の私には、とても重いです。とてもつらいです。
「........もう一度、生きたい........」
私は、知らず知らずのうちに声が出てしまったことに驚きました。
女神様が困ってしまう、どうしよう、私の気持ちは焦る一方です。
「もう一度、生きる?」
女神様が、私に聞いてしました。
「もう一度、生きるか?」と。
私は、目を見開きました。
だって、そうです、とてもうれしいのです。
「いいよ。このダメな女神様でも少し位は神様らしいことをやるよ!あなたを、異世界に連れていってあげる!」
女神様が私に、手を差し伸べてくれました。
その手は、とても白くほんのりと暖かいと思いました。
「じゃあ、まずはあなたのことをパワーアップさせてあげる!だって、これからあなたの生きる世界は剣と魔法のファンタジ―の世界だから。」
女神様が、私のことを光で包みました。
あれ........少し体が軽いです。
「あとは、........あっ!なんか使いやすい武器が必要だよね?じゃあ、剣と魔法のファンタジ―の世界だから、魔法剣でどっちもついたお得な武器を贈呈するね!」
女神様がそういうと、私とそこまで大きさの変わらない剣が出てきました。
その剣は、水晶のように透き通っていて、見るだけでも素敵です。
「こ、こんなのを貰ってもいいんですか?女神様、有難うございます!」
私は、嬉しかったです。
実を言うと、小さい頃から私は、剣を持って戦う小説のヒーローに憧れていました。
剣を持って、人を笑顔にすることのできるヒーローに憧れていました。
「そう。喜んでくれて良かったなー!で、最後のプレゼントは............この私!運命を司る女神リリアーナよ!」
しばらく、ことを理解するのに時間がかかりました。
女神様をですか........?
「そんな顔しないでよ?私のあの居眠りで神様たちに迷惑をかけたの。しかも、それが下界にまで影響が出たから私は、その一番の被害者であるあなたのサポート役に任命されたの。だから、一緒に異世界に行こう?」
まあ、確かに納得の行く話です。
なるほど........。だから、連れていってあげる(・・・・・・・・・)なんて行ったのですね........。
ですか、女神様と一緒に異世界ですか。
とても緊張します........。
失礼があっては大変です........。
「そこまでかしこまらなくても、いいんだよ?むしろ、私が女神だからといってそこまで緊張しなくてもいいんだよ?」
女神様が困っています........!
ど、どうしよう。何をすれば........。
「確かに、私と急に仲良くなんて難しいか........。でも、これから、寝食を共にするなかだからせめて女神様呼びはやめよっか?」
あっ女神様が手を煩わせてしまった。
ぁぁぁぁ。ど…どうすれば…。
「だから、私の方はこれから、悠花って呼ぶよ。悠花はリリアーナって呼ん…長いか…。じゃあ、リリって呼んで?」
リリとおよびしなくてはいけないのですね?
大丈夫です。私は、できます。
「はいっ、リリ様」
リリ様のお顔が雲って…。
あっ、いえいえ私がリリとおよびすれば。
「こちらこそよろしくね、リリ」
私と、リリは友達になりました。
いざ異世界へ行きます。