表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の物語  作者: もぐな
第一章
7/71


  席に座って待っているだけでは、面白みがないため、少し教会内を見回す。これといった不思議なものはなく、これまでの生活上、あまり見る機会のない石像を何気なく観察する。



  高さが2メートルぐらいあり、目を閉じた髪の長い女性の像。服装は、サーモルさんと同じような教会の人が着ているであろうものを着用しており、左手に本を抱え、右手は下向きに剣を握りしめている。

  見る限り他の石像は置かれていないことから、この石像の女性を信仰しているのだろうか。その対象が、剣を握りしめているというところが、さすがファンタジー世界だと思う。



考察していると、サーモルが先ほど出て行った扉が開く。


「タケルさん、どうぞこちらにいらしてください」



  呼ばれたので、入り口から右側の扉に向かう。中は客間のような感じで、机やイスがあり、座るように促される。

  机の上には、サッカーボール程の大きさの水晶と、小さな木箱を置かれており、対面にサーモスさんが着席する。



「お待たせいたしました。こちらで適正を計っていこうと思うのですが、魔法についてどこまでご存じでしょうか?」



「なんか、炎を出せたり、水を出せたり、物を浮かせたりできるってぐらいしかわからないです・・」



「なるほど、では少しばかり講義を受けてもらいましょうか。魔法に関わっていくのでしたら、常識でありますので、知っておいて損はないはずですよ」




・魔法とは、魔力を変換させ使用するものである

・魔力とは、人に限らず、生物であれば必ず持ち合わせている秘められた力であり、生命エネルギーに近しい力である考えられている

・生命力と魔力は、必ずしも違うものではない

・生命力がある者程、魔力回復が早いという見解が出ている

・魔力消費量が自身の許容量を過ぎると、生命に影響が出てくる場合があり、最悪の場合死に至る

・魔力の貯蔵量は、個体によって大きく違うため、一概に言えず

・貯蔵量は、生まれ持ってのものではあるが、努力次第で増幅することも可能である

・体力作りによって魔力の貯蔵量が増幅したという例や、魔力を限界まで使い続けることによって増幅したという例がある

・同じ努力をした場合でも、その結果がでない者もいるため、必ずしも関係があるとは言い切ることができないが、違うと否定することも現段階ではできていない

・魔法を使えるようになるということは、必ずしも良い結果になるわけではない

  使い方次第で、簡単に人を殺めることができるため、自身の生活を崩さないためにも、使い方には慎重になるべきである





「ここまでが、魔法としてではなく、その原点であります、魔力についての説明になります。ご理解頂けましたでしょうか?」


「なんとなくですが、大丈夫だと思います!俺にも魔力ってのがあるんですよね!」




  魔力っていうのが、マジックポイントで、無くなると疲れるってことだな。説明からしたら俺にも魔力がある事になる。

  俺にあるっていうことは、元の世界でもみんな魔力があるって事になるのだから、いつかは魔法が普及していたのかも知られないと思うと面白い。




「次に、自身が最も合う属性になるのですが、例えば火属性の相性が良いからといって水属性の魔法が使えない訳ではありません。自分自身の努力次第にはなりますが、どの属性の魔法も習得することは可能だと言われています。ただ、相性の良い属性ほど、習得しやすかったり、他の属性魔法に比べて効果のあるものを出せたりしますので、殆どの方は、相性の良い属性を鍛えるようにされてます」




  ムウラさんの家で説明を受けていたのでこれについては問題ない。得意な属性だけを鍛える方が強くなるのなら、そうするべきだろうか。せっかくなら、沢山の魔法を使えるようになってみたいが。


「こちらの水晶に魔力を流しますので、よく見ていてくださいね」



  机の上に置かれた水晶に手をかざす。無色透明だった水晶だったが、徐々に色がついていく。

水晶は、全体が水色になり、軽く光を出す。



「水色になってますね。これが私が水属性と相性が良いことを表しています。赤色なら火、水色なら水、薄緑なら風、土のような色なら土、水晶自体に色がつかず、中で電流が発生すれば雷属性、色の変化が現れず水晶が光り続けるなら光属性、水晶が徐々に黒くなってきましたら闇の属性ということになります」


「それって、どれが一番珍しい属性とかあるんですか?」


「珍しい属性なら、闇属性でしょうか?あまり使い手がいないと認識していますよ」


「ってことは、闇属性は強かったりするんですか!」


「いえ、闇属性はどちらかというと人等に妨害をするような魔法が多いため使いどころが限られる事や、派手さもないため人気がない属性ですね。そもそも、闇属性と相性の良い方もなかなかいらっしゃらなかったり、先ほどの事情から違う属性の習得に励まれる方が多いと聞いております」


  闇魔法って、カッコイイし、選ばれた者しか使えなかったり、超絶強いとかが定番だと思っていたのに、そのイメージが崩れていく。知らない方がいい事実があるというが、まさしくその通りだったかもしれない。



「なら光属性とかってどうなんですか?」



闇と同じく、見てきた作品の殆どに出てきて珍しくて人気の属性!

さすがに光ぐらいはスゴイ属性であってほしい。



「教会に務めている者の殆どが水属性か光属性を得意とされてますので、結構いらっしゃると思いますよ?」



こんにちは、現実。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ