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異世界の物語  作者: もぐな
第3.章
69/71

51.

 



 どうするかという結論はすぐに出ることがなかったので、今回行う依頼は比較的に近場か、どこかの滞在できる村や街の周辺か次第で留守番するか連れていくかを決めることになった。


「ってことで、アオも一緒に連れてきたんだ」


 それぞれ簡単に着替えや武器などの持ち物の整理をした後に合流を果たす。


 今回同じ依頼を受けることになったジェシカにもこの事があるため、出発する事になってもいつもよりも時間が掛かるかも知れないことを伝えて、それでもいいかと確認を取る。


「うんうん! 僕は全然大丈夫だよ! アオちゃんが心配なんだろうけど、僕が近くにいるんだからそんな事考えなくてもいいのにー」


 僕が近くにいるからどんな事があっても問題ないよと。



「ジェシーちゃんってやっぱり頼りになるね! お兄ちゃん」


「あぁ、そうだな」



 冒険者組合についた後、掲示板に張り出されている依頼や、先着順や、急な依頼等を職員が叫びながら募集、他にも共に依頼を受けるための仲間の募集を行っている者達が多くおり、俺とアオを後ろにジェシカとミーシャが前を歩きながら依頼を見ていると結構な割合で声を掛けられており、ある者はジェシカだと分かると懸命に誘う者や、等級的に不釣り合いだと思ったのか誤魔化しながら離れていく者もいた。


「んー、どれにするの? こんなのとかどうかな?」


「ジェシーちゃん、それ1等級の依頼だよー! 無理無理! 絶対無理だって!」


「そうかなー? ならこれかこれは?」


「そっちも1等級の依頼だよー! それは2等級みたいだけど注意事項に書かれてる文面が怖すぎるよー!」



 ジェシカの選ぶ依頼は討伐系ばかりで、それも依頼を受けるのに適した等級も書かれているのに全く見る様子もなく適当に指を指しながら選ぶためミーシャは踊らされてしまう形になっていた。



「お兄ちゃん! ジェシーちゃんが危なそうな依頼しか選ばないの!」


 挙げ句には困った顔をしながら助けを求めてくるので「ジェシ-、言ってたろ? 受けても2等級の、それも簡単な部類のやつだって」といって2人の会話に加わる。


「んー、でも簡単なのって例えば?」


「そうだな、……こんなやつとかか?」



【3等級依頼】

 レコアンブルから北東にあるググルカ村にて、近くの森にて魔獣の姿を見たとの報告が多数有り。

 見た目の特徴から、ジェイクルシアといった猿型の魔獣。

 体格は小柄であるが、雑食のため平気で人を襲う。

 直接攻撃してくる場合や、小石などを投げて怪我を与えてくる事や、木々の隙間から襲いかかってくるので注意が必要。

 発見頻度的に群れになっている事もあり、同時で5匹までは見つかっている為、村でなにか起きる前に討伐して欲しい。



 といった内容の依頼が目についたので指を指しながら提案してみる。



「ん~、さすがに簡単過ぎないかな? 小さなお猿さんでしょ?」



 出会う魔獣が小物の為か少し不満げな声を上げるジェシカ。


「ねぇねぇお兄ちゃん、この前のアオ達を襲っていた魔獣達って依頼にしたらどれぐらいの等級だっけ?」



「あの時もいったろ? 3等級依頼だろうな」



「ならどっちの方が難しいの?」


「まぁその土地次第だろうけど、アグルングアゴンのが一撃があるからなぁ。それに比べたらこっちの方がまだ余裕はあるだろうな」



 それならもう少し難しい依頼でも腕のたつジェシカもいることだし良いのではないだろうかと言うことから、依頼は2等級の依頼を受ける事になった。



「おいジェシー、本当にいけるんだろうな?」


「うん! これぐらい全然平気だってー、でもミーシャちゃんはあまり前に出ない方がいいよ? アオちゃんも一緒に連れていくならミーシャちゃんの後ろで隠れるってぐらいつきっきりって方が僕も対応しやすいから、それだけは守って欲しいかな? アオちゃん、ミーシャちゃんから離れちゃダメだよ-?」



 依頼内容は

【2等級依頼】

 レコアンブルより東にあるゼシカラの森にて、埋葬されている墓が荒らされている形跡があったため、近くにいる村の住民が確認したところ魔物である【墓守荒らしのピピアス】が発見され、その際に住人2名が負傷、うち1名が死亡している。

 他にも被害が出ているが、ゼシカラの森にある墓の周辺よりは出てこない為、辺りを封鎖することによって被害を抑えているが、埋葬されている家族の為にも討伐を要求する。



 といった内容だ。


「ピピアスって魔獣と違って魔物なんだよね?」


「あぁ、結構厄介だって聞くから、アオは連れていかない方がいいな」


「ぇー、ミーシャちゃんの近くにいてくれるなら絶対大丈夫だって~、動きも遅いから平気だよ~」



 魔獣とは獣が進化して成長した存在と言われているが、魔物はそれとは別で近くもあり遠くもある存在。どの生物から進化しているか不明な物だったり、進化とは違うく、全く別の種族といっていいのかもわからない物たちだ。


 今回のピピアスに至っても魔物だと明記されている。


 特徴は人のような身なりの割に顔なども見えることもなく、ただ黒い布のような霧の様な魔物。

 切ると怯むし触ると掴める、ただし一時的にだ。

 いずれすり抜けて逃げるか攻撃を仕掛けてくる。

 攻撃方法もどこからか手に入れた鋭利な物を掴んでいるのか浮かべているのか、投げることはなく近くによってからの物理的な攻撃で、本体に触っても特に何もないらしい。


 出現場所が墓場が大半な為、人の魂が抜けて出来た魔物だと言われている。


「俺だって話で知っているだけで、実際に見たこともねぇ魔物だからな…アオを連れていくとあぶねぇ。2等級依頼はまだミーシャには早いと思っているし、少しでも不安な要素は避けたいんだよ、わかるだろ?」


「お兄ちゃんも見たことないんだー、なんか本ではふわふわしている魔物って書いてあったけど倒し方はわかってるの?」


「僕は倒したこと事あるから教えてあげるね-!」


「俺の話聞いてるのか?」


 倒し方は単純、切ったり殴ったり、魔法を当てればいい。

 ある程度体力を削ると黒い霧のような布の様な物が小さくなりながら地面に伏せる、その間にさらに粉々になるまで攻撃を続けるか、教会が販売している聖水だったり、光の魔法だったり、聖なる物を浴びせる事によって退治できる。

 落ちればしばらく復活をする事はないので、焦りは必要はないが復活までの時間も個体差があると言われているので、忘れないうちにしっかりと処理する必要がある。



「ねぇねぇ、お兄ちゃん、どうしてピピアスが墓守荒しって呼ばれてるか知ってる?」


「あー、なんだっけか。随分前に聞いた事があったけどなんだっけか」



 墓守なのに荒しって言葉としてはオカシイけど、間違ってもいないんだってさ!

 出てくるのがお墓のある場所が殆どだって言う理由もあるけど、生きている生物がそのお墓がある場所に近づくとまるで追い払う様に襲いかかってくるけど、お墓の周辺から離れたら追ってこないからお墓の万人として墓守って言われていたんだけど、ピピアスを討伐したら必ずって言ったように墓石とかは無事だけど、遺体の埋められている土を掘り起こした後が残っている事から墓荒しとも呼ばれるようになったんだってさ!


 でも、討伐した後に確認しても遺骨や一緒に埋葬されていた遺品が取られたって痕跡もないから、ピピアスが自分達の仲間を増やすためにその人の魂を呼び起こして仲間にしちゃうってのが一説だと言われてるんだよ!




「だからね、悪いことをする子はみーんなピピアスになっちゃうんだよ!って小さい時にお母さんによくお話されたのお兄ちゃん覚えてないの?」


「そのお話、僕も聞いたことがあるなー、ピピアスは寂しいから仲間を増やすために人も襲うっていうぐらいだもんねー」


「でもそんなに強くねぇんだろ?」


「手間が掛かっちゃうのと、人の様に見えるって人もいたり、1匹でも残すとまた増えちゃうからたぶん2等級に設定されてるんじゃないかな? 僕はピピアスよりもゼシカラの森付近でしか取れない新鮮な野菜が沢山使われているミリソンスープってのを飲んでみたいのが一番の理由だけど、ジン君にも誰かを守りながら戦うって良い経験になると思うし、賛成だよ?」



 そうして、今回受ける依頼を決まったの、今回はゼシカラの森方面に向かう馬車を見つけ同乗させてもらうことになり、徒歩は免れた。


 ジェシーに至っては「馬車ぐらい手配しようか? 探す時間が勿体ないよ-?」と言ってくるのだが、そんな無闇に高い金額を払うことはできない。

 本来ある定期便や行商の馬車などに同席するのとは違い、自分たちで手配なんてすると割高に払う必要がある。アオの事もあった事だし少しでも節約しなくてはならない。



 アオはというと、特に嫌がる素振りもなく、ミーシャに手を握られながら同行しており「たぶん1日ぐらいで戻ってくるけど宿で待っててもいいんだぞ?」といったら首を横に振りながら「いって……みたいで、す」と答えたので本人としても外の世界を体験できる良い機会ではあるのだろう。


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