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異世界の物語  作者: もぐな
第⒈章
31/71

 


 翌日、2人は冒険者組合に立ち寄っていた。


 依頼を受けるために張り出された掲示板と睨みあう冒険者、自身に合ったものはないかと個別で相談する冒険者、窓口で依頼を受けるための手続きを行う冒険者、報酬を貰う冒険者。

 依頼をする一般の者から冒険者、貴族。依頼を共にこなす為に仲間を集める冒険者。簡易的な食事から朝っぱらから飲むことのできる空間。そこですでに酒を浴びている数名。



「へぇ~、中ってこんなんだったんだぁ。初めて中に入ったけどやっぱし大きいね!」


 外観からもそれなりの大きさは把握できるが、奥行きを含めるとそれなりに広い。

 別の国や街なら同じ設備の中に宿泊施設も完備しているところもあったりもして面白い。



「とりあえず登録の費用もあるんだし、あっちだ」



 ジンの指は受け付けなどを行っていた窓口の端の方を指さす。

 それぞれの窓口の上には木の板の上から文字を掘られており、指の先には【冒険者登録窓口】と描かれている。



「意外と並んでるんだね~、ん~! ドキドキしてきた!」


 数名の年齢のバラバラな者が窓口の前にて並んでいる。

 冒険者登録窓口は、朝の依頼受け付けの作業後に開かれるため、多少時間差があり、並びができている。

 優先されるのは今いる冒険者と依頼主を結びつけることに冒険者組合の人為をさいているからこそ、新人の登録作業は二番目になる。

 だからなおさら初日は美味しい依頼にありつけないんだけど、そんなのいくつか達成しているうちに気がついたことだし、あんまり関係ない。



「でも私より小さい子もいるんだね……大丈夫なのかな?」


「人の心配しないで自分の心配をしろよ」


 冒険者なるには一応年齢制限もある。最低12才以上。

 ただし自己申告制の為、年齢のわからない者でも最初の登録費用さえ払えればなることができる。

 12才以上というのも小さい子供には危険であるから。

 逆にいうと12才以上ならば自らの意志で動く事が出来ると考えられているため、万が一逸脱した行為をした場合も自己責任になる。


「そろそろあっちも開くみたいだし、いこうぜ」


「ん!」


 最後尾に並ぶ。前に並ぶ人数は4人。ミーシャよりも幼そうな男の子、金の入っているであろう袋を強く握りしめており、2人が近づくと睨み付けるようにチラりとこちらを見た後前を向きなおす。


 その後ろには、ジンと同じ歳ぐらいの男女2人が楽しそうに会話しながら待っている。


 1つ前に並ぶのは30前後の男性。緊張からかそわそわとした雰囲気が伺えるほど体を揺らし待っている。



「では、これより冒険者登録を開始させて頂きます。順番に対応させて頂きますので、後ろの方々は少々お待ち下さいませ」



 係の女性が対応を初める。

 先頭にいた男の子は前に目の前に紙を一枚出される。

 最初に文字を書けるかどうかを問われていたが男の子は小さく「……書ける」といって出された紙に必要な事を記入していく。


「あれって何書いてるの?」



 並んでいる列より顔を横に出して先頭をのぞき込みながら質問をジンになげかける。


「出身だとか、名前だ性別だってぐらいだよ」



 記入を済ましたのか受け付けに紙を返すと女性は別の係の者にそれを渡す。

 受け取った者は横の部屋に入るように男の子を誘導し、係の者も同じく後に続いていく。

 そして、次の2人組が記入を進めていく。



 2人共が記入を済まし、扉の前に誘導される。少しすると先に入っていた男の子が部屋を出て、中にいた係のから1人づつ部屋の中に入るよう案内される。


「どうして別々なんだろ?」


「安心しろって、中で冒険者証の発行してるだけだから」


「なら別に2人一緒でもいいんじゃない?」


「もうじき分かるから気にしなくても大丈夫だって」



 2人組のもう1人もまだかまだかと扉に耳を近づかせ中の様子を伺っている。近すぎたのか扉が開くと同時にお互いに驚いていたが、先に入っていた1人が冒険者証を見せながら自慢している。


「次の方、こちらへ」



 前にいた男性が横にずれ、次の部屋の順番待ちをし、ミーシャが記入を始める。

 言っていたとおり、名前、性別、年齢、出身地。必須と書かれている箇所は名前と年齢のみ、後は空白でも問題はなさそうだが、ミーシャは丁寧に全て書き入れていく。



「ご記入ありがとうございます。――では、あちらの扉へ」


「お兄ちゃん行ってくるね!」


「おう、いってこい」


 部屋に入室して10分もしないうちにミーシャは出てくる。


「へへ~ん! どうかな? 私の冒険者証!」


「みんな一緒だっての」



 ミーシャは片手に冒険者証を持ちこちらに見せつけてくる。

 記載されているのは名前と自身の等級、そして少し開けた箇所に魔法陣の記入があるもの。

 冒険者としての登録が完了した証拠である。



「特になんもなかったろ?」


「う~ん、なんか手首と足首を見えるようにっていわれたのと、冒険者証の発行のために血を垂らせって言われたぐらいだった!」


「せっかくだし早速何か受けてみるか」


「任せて、今ならなんでもやっちゃうよ~!」



 依頼の張られている掲示板には最初にいた者達とはそっくりと変わり、中には同じく冒険者登録をした2人組もまだどれを受けようかと仲良く話し合っている姿も見える。

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