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異世界の物語  作者: もぐな
第一章
14/71

十四

  大人たちの集会は30分もしないうちに終え、大人たちは各自いろいろな行動をしているものがいた。荷物をまとめているもの、荷物や武器になりそうなものの整理をしているものといった具合にだ。

  リムルと一緒にムウラ、サーモルのいるところに呼ばれた。


「2人とも、子供たちの見張りありがとう。リムルについてはもちろんだが、タケル君にも聞いてほしい話がある」


ムウラが本題を切り出す。



  昨日、ケイリーとともに結界を確認していた際はどこも問題がないように見られていたが、早朝西通りの道を通っていた旅の商人が蛇型魔獣に襲われそうなところ、村の結界を見つけて逃げ込んできたらしい。

  結界の近くでの発見のため、弱くなっている箇所があるのか、一部破損してしまっているのではないかといった見立てで、サーモルは結界の確認、場合によっては修繕活動に入る。

それを守る役、また討伐できるように武器を持つものが必要になる。



  気を付けるのは魔獣だけでなく、野生の獣もいるため警戒が必要である。

結界がなくなるということは縄張りを広げる機械と思い入ってくる場合もあり、連鎖的に侵入される恐れがあるため、蛇型の魔獣がそこで引き返していても違う者に対しての警戒が必要になる。


  村には、過去に等級が低いながら冒険者だったものもいるのである程度の対応はできるらしいが、やはり現役でないこと、年齢的にもといった所から、場合によっては一時的に町から離れることも生き残るために必要な選択肢である。


  だから武器を持つもの、荷物をまとめているものがいるものの、タケルは村の関係者でないため、現状問題のない反対側の東通りから離れることも一つだといわれた。



「お世話になっていますし、多少でも俺にできることがあるなら手伝わせてください!出ていくのは今回の騒ぎが終わってからにします!」



「タケルさん、あなたは優しい人です。大人の方々が見回りのため村を離れるので子供たちが不安がらないようにリムルさんと一緒に子供達が怖がらないように近くにいてあげてください」


サーモルは優しい笑顔を向けながらタケルへ思いを伝えるのであった。


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  その後、結界の様子を見る調査組、村に残りいざという時の為に守る組と別れた。魔獣にもよるが、自身らで討伐、撃退できるなら良し。

  出来ないのであれば、少しでも時間を稼ぎ冒険者組合に討伐の依頼を行う。


  対象を討伐出来るほどの冒険者が近くにいれば良いが、どうしても時間が掛かってしまう時もある。

その間も危険であるため、村を守るため戦うことも、一旦村を離れると行ったことも視野に入れておかなければならない。



  昼の間には、ムウラ、サーモル含む調査隊は出発していた。村は静まりかえる化と思われていたが、ムウラ宅に少ないながらも子供達が再度集合し出したためどちらかというといつも以上に賑やかに感じる。




結局の所、タケルには出来る事が無いまま時間が過ぎてき、夕暮れ時、大人達が数名戻ってきた。




  結界は一部が破損しており、現在はサーモルが修復作業を行っているが、魔石の劣化により修復しながら破損してしまい、あまり作業効率が良くない。

  結界に使われる魔石は教会が管理しており、村にはないため、国管理下の教会支部まで行かなくては調達できず、馬を走らせた場合でも往復2日は掛かってしまう。



その間に破損が進み、魔獣が入り込む事も十分に考えられるので避難するものは避難するようにと。




  しかし村から現状離れる者は誰1人としていなかった。いざという時は逃げるが、まだ安全な間は留まるといった選択肢。

  避難するといっても近隣の村か街まで行かなくてはならないため、いっそのこと待っている方が早いかもしれない。



  タケルに至っても残る選択をする。こればかりは人の性として受け入れるしかないのだろうが、【みんな】と別の行動をする事を嫌う。

  1人だけこの場で避難するといったらどのような目で見られてしまうのか、本来なら気にするべき問題ではないのだろうがそれでも気になってしまう。




  教会支部は近くてもカルマまで行かないといけないらしく、ムウラ含む調査に一緒にでかけていた1人が同行する。帰ってくるまでの間、結界の見張りとして交代制で大人達が見張るようにする。



ケイリーも参加したがっていたが両親の反対によって却下されていた。



「でわ、いってくる、危険だと思ったらみんなすぐに退避するようにしてくれ」



  まだ完全に暗くなる前にカルマに向かうムウラ達。明後日の夜には早ければ帰ってくるようなので、何事もないことを祈りたい。

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