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俺の入学した学校は実業高校でした。  作者: Ho鷹
新しく始まる俺の高校生活
6/8

俺はキャラを確立しようとする

黒瀬と作戦会議をした次の日、今日は水曜日の4限目数学の時間。

俺はいつもなら机に突っ伏してほとんど授業を聞いていないのだが、今日の俺は一味違った。

俺は背筋をピンっと伸ばし、顔をしっかり黒板に向けている。そして、落書きだらけのノートにしっかり授業内容を書き写す。

なぜ今日は真剣に授業を受けているかと言うと、理由は昨日黒瀬とした作戦会議だ。

黒瀬は自分のキャラを確立しろと言った。

それから、俺達は話し合い3日間で自分に合ったキャラを見つけることになったのだ。

そして、今日俺が試すキャラは『賢いキャラ』だ。

誰もが思い付きそうなキャラではあるが、逆説的に考えればそれだけ認知されていて、比較的クラスで目立つポジションであるとも思う。

だから俺はこのキャラを試すことにした。


「はい、それじゃあえーっとこの問5の問題解いてくれる人いるか?…」


先生が問題を指定するが、誰も手を挙げようとしない。小学生から中学1年生くらいまでならほとんどみんな手を挙げるのだが、高校生にもなると問題も難しくなる上、問題に取り組みたがるやつも減ってくるため誰も手を挙げない。

そして、誰も挙げないときの沈黙といったら最悪である。

…先生って大変だなーっといつもなら思うだけなのだが、今日の俺は賢い(キャラ)からスッと手を挙げる。


「おぉ~、それじゃあ真那加解いてみろ」


「はい」


俺は短く返事をし、黒板に向かう。

そして、ジーっと黒板に書かれた問題を見つめる。


「真那加、解けるか?」


先生が心配に思ったのか、俺に聞いてきた。


「心配ご無用、俺はもう高校3年生の予習までしてますから!」


と言いながら家から持参しただて眼鏡をかけ直す。

そして、俺は黒板に向き直り問題を解いていく。

教室にはチョーク独特の音だけが鳴り響く。

今、俺はクラス全員の注目を浴びている。

いつもなら恥ずかしくて顔が真っ赤になるところだが、何度も言うように今日の俺はいつもの俺とは違う。今日の俺は賢い(キャラ)から。

そして俺は先生の方を向き、前から言ってみたかったフレーズを口にする。


「証明完了」


「…」


先生は口を中々開かない。

きっと俺があまりにも簡単に問題を解いたため驚いているのだろう。


「真那加、これは証明の問題じゃない」


「あ、あぁそれはまぁ流しといてください」


「…答えは合ってますよね?」


俺は咳払いをしてから先生に尋ねる。


「…いや、全然違うぞ」


「あああれれー…おおおかしいなー、凡ミスしちゃったかなー…」


「この問題は1年の復習だぞ」


「真那加、予習するのもいいが、まずはしっかりと1年の復習をしなさい」


「は、はい…」


さっきの自信はどこへやら、俺は自分でも顔が熱くなるのを感じた。

そして額からは冷や汗が滴る。

俺は先生の前で小さくなっていると、先生が俺が今一番先生に言ってほしい言葉を投げ掛けてくれた。


「はぁー…違う人に解いてもらうからもう席に戻りなさい…」


俺は一目散に自分の席に戻る。

そして、「もうやめて!ぼくのライフはもうゼロよ!」と言わんばかりに俺は机に突っ伏し顔を腕に埋め、周りからの情報を拒絶する。

拒絶しているはずなのだが、何かを感じる。

「賢ぶって間違えるとかダッセー(笑)」「時間の無駄じゃん」とか色々みんな口には出してないようだけど絶対思ってるじゃん!

俺は恥ずかしさと後悔に苛まれ、頭をがしがしっと掻く。


いや、俺もだいたいわかってたよ?

賢いのはキャラであって俺じゃない。

たげどさ、もしかしたら解けるんじゃね?とか思っちゃうわけだよ。…けれどやっぱり無理だった。

はぁ…やっぱり普段やらないようなことはしちゃいけないなー…と俺は改めて思いました。


…それから俺は授業はほとんど聞かずボーッとしていた。

そして、やっと気持ちが落ち着いたときにジャストタイミングで終鈴が鳴る。


結果は『賢くない人は賢いキャラにはなれない』

だから俺にはこのキャラは合わない…


「…飯食うか」


と独り言を言いながら弁当箱を開こうとする。

すると近くからきゃぴるんとした声が聞こえてきた。


「ねぇねぇ、お弁当一緒にたべよぉー!」



…俺は絶句した。

2週間ぶりの投稿です。…時間が空いてしまいすみせん。そして、木曜日のうちに投稿出来ずすみません。これから周1を安定させていきたいと思ってます。

それでは、来週の水曜日or木曜日に次は投稿したいと思います!!

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