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俺の入学した学校は実業高校でした。  作者: Ho鷹
新しく始まる俺の高校生活
3/8

俺の早とちり

2年生になり、1週間ほど経った今は数学の時間。

俺は全く授業に集中できずにいた。

何故なら、全ては朝学校に来たときの出来事のせいだ。

俺はいつものように瑠璃と登校し、昇降口で靴を履き替え中に入ろうとしたのだが、靴箱の中に1枚の手紙が入っていたのだ。

そう、それは開けてびっくりわぁ!ラブレター!…だったらよかったのだがその手紙の内容は、とても微妙なものだった。


『放課後、武道場の裏に来て下さい。

待っています。来なければ…』


と、この手紙から考えられることはボコられる可能性が80%、告白される可能性が15%、そして、柔道部から部活に入ってくれと頼まれる可能性が5%といったところだろう。

きっと、今まで誰も気づかなかった俺の柔道の才能を見出したんだね!というか、そんな才能俺すら知らなかったまである。

そして、残る可能性は2つ。

ボコられるか告白されるかだ。

俺としては告白されることに期待したいのだが、どこの女の子が告白の時に武道場の裏を選ぶだろうか?そんな話聞いたことがない。

よって、必然的にボコられるんだろうなと考えていたら急に名前を呼ばれた。


「真那加、この問題解いてみろ」


俺はすっかり忘れていた。今が授業中だということを。


「はい、あー…え、えーっと…」


突然の不意打ちのため全く答えがわからない。い、いつもだったらこたえられるんだからね!…と先生に向かって言いたいところだが、この空気で言える気がしない。

クラス全員の視線が俺に集まっている。

俺の額からじりじりと汗が滴り落ちている。


あー、ダメだこれは。わからん。それに今は全然It's show time な気分じゃない。

早く、next math hint がほしい…と思っていたら先生が短いため息をつき、違う生徒を指名した。


「はぁー、それじゃあ黒瀬この問題解いてみろ」


「はい」


短い返事を返し、黒板に書かれた問題がスラスラと解かれていく。

その問題を解いている女の子の名前は 黒瀬 ゆかり。

俺が初日に席を間違えた相手だ。

黒瀬は、美しい容姿だけでなく、成績優秀でもあった。しかし、口調が刺々しい…

そのためか、あまり人と話しているところを見かけない。


「できました」


「おう、正解だ」


問題を解きおえ、解説が終わると同時に終鈴の音が鳴り響く。


「それじゃ、今日はここまで」



~放課後~


俺は武道場に向かっていた。

ボコられるくらいなら行かなければいいと思うのだが、行かなくて後でもっとやられる方が嫌なので、仕方なく俺は武道場に向かう。

しかし、俺にボコられる原因があるだうか?

基本俺はいつもクラスでは一人だし、行き帰りも瑠璃と一緒なだけだ。つまり、俺がボコられる理由がないのだ。


「まぁ、ひとつのは可能性にかけて行ってみるか…」


俺はそんなことをひとり呟く…


…ゆっくりと武道場が見えてくる。

武道場に着き、俺はその裏へと足を運ぶ。

そして、角を曲がりその先にいた人物は━━━



「く、黒瀬?…」


「ちゃんと来たのね」


そこにいたのは、黒瀬ゆかり。俺が一番予想していなかった女の子だ。


「お、おう。というか黒瀬が俺のことをす、すす好きだったとは意外だな」


「えっと…なにを言っているの?」


「え?…」


「…」


「…」


沈黙が流れる。まさかの俺の早とちりだ。

やってしまった…これは恥ずかしい…

恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかし…


「えっ、違うの!?」


「それはありえないわ」


黒瀬はこの世に俺と彼女だけになっても絶対に好きにならないと言うような口調で言い返してきた。

そしてまた沈黙が流れる。


「…」


「…」


「じゃ、じゃあ俺ボコられるの?それとも黒瀬って柔道部員で俺の才能に気づいたの?」


「真那加くん…、何を言っているの?」


黒瀬は俺の頭を心配するように聞いてきた。


「だってさ、あの手紙おかしいだろ」


「まず、靴箱に手紙とか告白の定番だろ!なのに、場所は武道場の裏ってボコられることしか想像できねぇよ!もっとましな場所あっただろ!」


「あまり、人通りが少ないところがよかったのよ。けれど、場所がおかしいっていうのは一理あるわね。」


「それはごめんなさい、だけどあなたも十分おかしいわよ」


彼女は一応謝ってはいるものの、俺をみてクスクスと笑っている。普通ならイラッとくるのだが、いつもはクラスで他より大人びているようにみえる彼女の刺々しさが抜けた無邪気な笑顔はとても幼く感じ、つい俺も頬が緩んでしまった。


「それで、結局俺になんのようなんだ?」


「そうね、まだ理由を言ってなかったわね」


さっきとは違い彼女は真剣な目で俺をじっとみる。俺もその空気の変化を感じ、ゴクリと喉を鳴らす。



「わたしと契約を結んでほしいの」










先週は諸事情により、休んでしまい申し訳ございませんでした。

これからも休んでしまうこともあると思いますが、出来る限りの周1回の投稿を続けていこうと思います。(おもに夏バテとかで…笑)


それでは、また来週!(水曜日or木曜日)


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