俺にとっての最初の壁
Ho鷹
10月27日生まれ
名前に「鷹」という漢字が入るのだが、とても弱い。そして、情緒不安定。
あぁ、もうこの日が来てしまったのか…。
春休みは光の速さで過ぎていった。
あの楽しかった休みが恋しい…。
そんなことを考えながら、とても憂鬱な気分で俺、真那加 蓮は駅から高校までの約1キロの道のりをとぼとぼ歩いていた。
「ねぇ、蓮ちゃん聞いてる?」
栗色の髪でハーフアップヘアの女の子、そう俺の幼なじみ 栗本 瑠璃が疑いの眼差しで聞いてきた。
俺は瑠璃がなんの話をしていたのか分からなかった。
「あ、あぁ…ごめん聞いてなかった」
「もぉ~、蓮ちゃんってよくボーッとしてるよね」
「まぁな、それが俺だ」
俺ははっきりと開き直った口調で答えた。
「だね」
瑠璃も俺が答えることを知っていたかのように短く相づちをうつ。
「それで、なんの話してたんだ?」
「えっとね、私たちもほんの少し前までは1年生だったんだねって」
そう言われて、辺りを見渡すと動きが固い1年生がちらほらと歩いていた。
「そうだな~、もう2年生か」
「今年度からやっと本格的に科の勉強ができるね!」
瑠璃は明るく話す。
そう、俺たちの通っている伊賀白鳳高校は県内屈指の実業高校であり、7学科13コースと豊富な選択肢で自分が将来就きたい仕事にあった勉強ができる高校なのだ。
そして、高校2年生から瑠璃も言ったように本格的に科の勉強ができる。
「そうだな、俺も経営科で早く学びたい」
「私も工芸デザイン科で絵について学びたいな♪」
俺は将来起業し、自分で会社を作るため経営科を選択した。
また、瑠璃は昔から絵を描くことが得意でよくコンクールなどで受賞されていて、画家にでもなるため工芸デザイン科を選択したのだろう。
「とうちゃ~く!」
瑠璃がキャピるんとした声で言う。
そんな話をしているうちに俺たちは校門まで来ていたようだ。
「あっ…!」
「ん?どうしたの?」
瑠璃が不安そうに聞いてくる。
「いや、別に…」
俺は忘れていた…。
学年が上がるごとに立ちはだかる大きな壁を。
それは…新クラス。
新クラスと言えば、新しいクラスメイト。
新しいクラスメイトと言えば、新しい友達。
なのだが…俺は極度のコミュ障だ。
つまり俺にとっては新クラス=1人確定なのだ。
そして、さらにこの高校は2年生から各科ごとにクラスが別れる。その上経営科は女子が大半をしめる。つまり、この先を意味するもの、それは「死」なのである。
やだなー、やだなー、やだなやだなやだなやだなやだな…
「んじゃ、行こっ!」
「あ、あぁ」
瑠璃が軽い声で言う。
それに対して俺は重い声で答える。
もう重すぎて自分でも聞き取れないほどである。
今日1日は長くなりそうだな…
どうも、Ho鷹です。
今回が初投稿となります。処女作です!(←一度言ってみたかったw)
毎週1回ペースで水曜日or木曜日に投稿したいと思っています。
がんばります!