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ヤンデレっ娘の飼育がかり  作者: ゆうゆう遥か
1/5

出会い

皆様に楽しんで頂ければ幸いです。

ちなみにこの章では彼女は、まだ覚醒前ですので安心下さい。

それでは↓

僕、双葉大和そうばやまと金魂きんだま高校に今年春から入学した。

期待に胸を膨らませ、これからの高校生活に夢みる一年生だ。

だがまさか、初っ端でつまずく事になるなんて‥‥。

部活が決まらないーー。

放課後、賑やかな教室から一人、また一人と部活へ消えていく生徒達。

僕はと言うと、一人きり教室の隅っこで膝を抱えうずくまっていた。

周りからきのこが生えてきそうなくらい、じめじめしている。

様々な部活があるのだが、どれも僕の心に響かない。

かと言って帰宅部にはなりたくはなかった。

カタッと物音がし、僕以外の教室に残っている存在に気が付く。

「えーと、宮藤くどうさんだっけ」

声をかけた相手は宮藤美四くどうみよと言いクラス随一の美少女で有名だ。

「部活には行かないの?」

教室に残る者同士、妙な親近感があり尋ねてみた。

彼女は少し驚いたようにこちらを見たが、すぐに長い睫毛を伏せ目を逸らして

「まだ‥‥」と消え入りそうな声で答えた。

僕もなんだよねー、と言おうとする前に彼女は鞄を手に、どこか急ぐように

席から立ち上がった。

長い黒髪をたなびかせて教室から出る姿が僕にはスローモーションに見えた。

その時の彼女の事が忘れられなくて、考えている内に突然閃いてしまう。

新しい部活を作ろう、と。

早速、次の日先生に願書を直接手渡した。

ちなみに、昨晩寝ずに書いた力作だ。

先生は願書を一瞥すると僕の力作をくしゃくしゃっと丸めた。

唖然としている僕に、「認められません」とキッパリ言い放った。

この石頭教師‥‥!

僕が反論しようとしたその時、目の前に華奢な少女が現れた。

「先生、新入生に対してひどいんじゃない?」

何故かタメ口な彼女に先生は、簡単に氷のような表情を崩した。

更には当事者を放って二人だけで話し込み始める。

話に置いてけぼりになってしまっては化石のように佇むしかない。

その内に話し終わり先生は最後に「彼女がそこまで言うなら検討します」

と笑顔で言い職員室へ消えた。

少女はツインテールの髪を揺らしながら僕に向き直り、上目遣いで見る。

僕の半分程の身長で制服からはスラッと細い手足が伸びている。

幼さを残した顔立ちに髪型が似合っている。

この容姿からするに同じ学年だろうと思い「ありがと〜」と言いながら彼女に

軽くお辞儀をする。

だが見る見る内に赤くなる彼女。

「もぅ、ありがと〜じゃなくて、“ありがとうございます”だよ!私はこう見えて

君より先輩なんだからっ」

ポカポカと僕の胸板を、赤ら顔になりながら叩いてくる。

「ご、ごめんなさい。でも本当に助かりました。僕だけじゃ先生を

説得出来なかっただろうし‥‥。」

まだ半分怒った顔をしているけど、敬語に直して少しは満足してくれた

ようで叩く手を止めた。

「何か困った事があれば生徒会長の私に言うんだよ、後輩の‥‥」

そこまで言うと数秒後、思い出したように「大和くん」と

付け加えた。

予鈴のチャイムの音と共に、軽やかに走り去っていく先輩。

不思議な事に、その先輩の後ろ姿は誰かと似ている気がした。

何故、僕の名前を知っていたのか。

いつの間にか周囲には、僕と足元に転がっている力作の残骸だけが残されて

いた。それを拾い上げ、放課後が楽しみでならない僕は、今は授業に間に合う

事を優先して走り出した。














































次回に続きます。

束の間の平穏を主人公は楽しんだ事でしょう。

では次回も会える事を楽しみにしています。

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