後日談
あの後俺は自分のベットで目を覚ました。
親は酔っぱらってドアの前で力尽きたものだと思ったようで、しばらく飲酒を禁止された。
そんな事よりもサークルの仲間の様子が気になり、無事を尋ねる内容でメールを送った。
すると、あの晩一緒に居たタカとシュンとマリに連絡がつかない。
送ったメールはすべて俺のところに返ってくる。
焦って俺は他の友人に3人のアドレスが変わったか尋ねたが、答えはすべて“いいえ”だった。
どうしようもなくなり、俺はとりあえずサークルの場所に向かった。
するとそこにはあの晩来なかったケンと先に帰ったナギが居た。
2人は俺を見てホッとした顔をする。
なぜだかよく分からなかったが、タカたちの事が知りたかった俺は2人が口を開く前に質問した。
「なあ、タカとシュンとマリを見てないか?メールが繋がらないんだ。」
その一言で空気が凍りつく。
理解できない俺が首を傾げるとケンが紙の束を渡してくる。
「昨日きみたちが肝試しをした場所は有名な心霊スポットだ。それも行った人が返ってこない事で有名な危険な場所のようだ。」
「ちょ、ちょっと待て!変な事言うなよ。俺もナギも此処に居るじゃないか!!」
「君は昨日幽霊か何かを見たか?ナギ自身見る前に帰ったと言っているし、君も3人を残して先に帰ったんじゃないのか?」
「違う!俺は先に帰ってなんかいない。ただ幽霊が出た時に3人を置いて逃げただけだ。」
ケンの目を見ている事が出来ずに自分の靴を見てそう言うと、ケンとマリが驚いたのが雰囲気で分かった。
「昨日私が帰った後で何が起ったんですか?」
静かに聞いてくるナギと黙って言葉を促すケンに昨日の出来事を話すと、2人は絶句した。
「…、嘘だろ。一般人に見えるとかありえない。しかもタカたちの人形だと?」
「確かにいろいろと気になりますが、とりあえず御祓いを受けに行きましょう。」
ナギの提案で有名な神社で御祓いをしてもらうと肩が軽くなった気がした。
そしてタカたちが倒れているのではと思い肝試しをした神社に行こうとすると、2人にすごい勢いで止められた。
そういった事により俺が例の神社に行く事はもうなかった。
そして、その後も3人の姿を見た事はない。