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31. 未定な予定を決定

大変長らくお待たせしました。

ちょっと短めです。




 ようやく落ち着いたエリシア達。

 そこに。

「で、これからの予定はどんな感じ?」

 現実を思い出させるかのようにトーコは問いかけた。

「あ。そうだな……えっと、どれくらいこっちにいられるの?」

 再会をかみしめている時間も終わったことだろうと、投げかけられたのは現実的な話。

 それに、はっとしたようにタケルもエリシア達に向き直った。

「三日くらいは滞在可能です。が、もしも無理なら、丸一日で再度こちらから送還陣で帰ることもできます」

 そう答えながらもちょっと寂しそうに微笑む。

「タケルに、迷惑をかけるつもりはありませんから」

「エリシア……」

「姫様」

 健気な言葉を口にするエリシアに、タケルも表情を曇らせる。

 キースは、痛ましげにエリシアを見てから、きっとタケルを見た。

 その目線は、『まさか貴様、姫様にすぐ帰れなどと言わないだろうな!?』と如実に語っていた。

「うーん……ヤマト兄はいけるとして、問題はミコトと母さんだな……」

 タケルとしてももう少しいてもらいたいのだ。

 だが、事情を説明しているのがヤマト兄一人。

 それをどうごまかして滞在の許可をもらうか。

「あの、本当にいいの。顔が見れたらそれで」

 迷うタケルに気付いたエリシアが慌てて言葉を重ねる。

「それで、満足だから」

 寂しさを押し殺すように満面の笑みを作って見せたエリシアに、タケルが苦笑した。

「そんな寂しいこと言わないでよ」

「わたくしは寂しくなど…」

「俺が寂しい」

「っ!!」

「へ?…………あ」

 さらりと口をついてでた言葉にエリシアがきょとんとして、次いで赤面した。

 その様子を見て、自分が何を口走ったか自覚したタケルがつられたように真っ赤になった。

「いやごめん、今のなしっ!?」

「…………ぶほっ」

「っ! 笑うな! トーコ!」

「ぶくくく……む、無理……」

 さらりと口説くのにも似た言葉を吐き出すのはお隣の一族の得意分野であるが、タケルがそれを実行するところはなかなかにレアだった。

「だーっ!? もう! つか、一緒にお前もなんか考えてくれよ!」

 赤面したまま、話をそらすように叫んだタケルに、ようやく笑いの発作を抑えて。

「では、そんな青少年に素敵なことを教えてあげよう」

「はぁ?」

 まだからかってる響きのある声に、剣呑な口調を返したタケルだが、トーコはかまうことなく。

「近所の商店街でくじ引きがあってるの知ってる?」

「……は?」

「一等賞品が隣県の温泉宿二泊三日宿泊券。それにうちのお母さんが当たって!」

「は!?」

「結婚記念日近いし、夫婦水入らずで旅行に行ってくるわね! 平日しかだめらしいから、トーコは学校でしょ? つって」

「はああ!? え、ちょっと待て、まさか」

 話の流れで次の言葉が予測できて、目を丸くする。

「本日より三日間、当家は私一人です。ミラクル!」

「ミラクルって!? マジで?」

「うん。だからさ」

 驚いているタケルから目をそらし、後ろでキョトンとしている二人に笑いかける。

「うちに泊まってったら? ど?」

「え? よろしいのですか?」

「いいよいいよ、何のおかまいもできませんが」

「そんなこと! おいていただけるだけで………でもタケル?」

 二人がタケルとトーコを見比べて戸惑った声を上げる。

 それに対し、驚きから立ち直ったタケルが苦笑した。

 おたおたしているエリシアを見て、ニヤニヤ笑っているトーコを見て。

 片手をあげて、トーコに言う。

「わり。頼めるか?」

「お任せあれ~。まぁ、とりあえず、あっちに移って作戦会議でもしようか」

 にっと笑って、親指を背後の窓へ。

 すなわち、トーコの部屋を指す。

「OK。じゃあ、行くか」

「うん」


 そういうことで、二人の宿泊先は決定されることとなった。。

 

 その直後。

 返事を聞くなり、再びタケルの部屋の窓を乗り越えたトーコの後ろで。

「わっ! ちょっと待て、エリシア、そんな格好で窓枠乗り越えっ」

「大丈夫! 昔からお転婆だったから慣れたものですわ!」

「姫様! それは胸を張っていうことでは」

「いやいやまて、裾が引っ掛かって…あぶなっ!?」

「え、きゃあ」

「姫様!?」

「…………」

 そんな騒動が起きたことは、ほんの余談である。





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