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凡人

 突然目の前に天使が降りてきて、能力を授けてくれる。そんな夢みたいなことがこの世には存在する。何か功績を残したり、儀式を行うこともなく、無差別に時期もバラバラに人が能力者になる。この能力を人は天授と呼び、能力者を天授者と呼ぶ。現在天授者は世界に1割程度しかおらず、皆それに憧れて生きている。

 これはそんな憧れを抱きながらも自分は無理だろうと諦めていた一人の男が世界のトッズに成り上がっていく話。

 ―――――――――――――――――ではない。



鷹宮啓吾 34歳

非天授者。町外れの安いアパートに日雇いバイトで食いつないで生活している。その事に恥も誇りもない。

今日は倉庫作業だったはずだ、と食パン1枚をコーヒーで流し込んで家を出る。町中を歩いているとビルの電光掲示板が目に入った。どうやらまた堕天受者が捕まったらしい。天授者でありながらその力で悪事を働く者たちのことだ。もちろん一般警察では太刀打ちできないケースがほとんどのため、()()天授者を集めた部隊が対処する。いわゆるヒーローというやつだ。

職場について今回の仕事内容を聞く。特に難しいことはない、簡単な仕事だった。ここで言っておくと、別に俺は自分が社会不適合者だと思っていない。まともな仕事に就こうと思えば就ける自信がある。だかもちろん、そうしない理由がある。


 約8時間の倉庫作業が終わり、帰路につく。町を抜け、バスに乗っていたあたりで、突然目の前が白黒になった。とりあえず次に止まるバス停で降り、辺りを見渡す。南西方向3キロ先が強い光を放っていた。ここでヒーローなら屋根の上を登って駆け走るのだろうが生憎そんなことは出来ないため光の方向に向かって道沿いに走った。着いた先の住宅街にはちょうど天使が降りてきているところだった。天使の真下には一人の少年がいる。サバイバルナイフをカバンからとり出し、天使めがけて吹っ飛ばす。すると、天使は霧のようになって消えてしまった。白黒の世界から色が戻ってきた。天使がちゃんと死んだ証拠だ。男の子は俺の存在にも気づかず、どこかに走って行ってしまった。ここは住宅街だ、こんなとこでナイフを取り出すなんて警察案件すぎる。さっさと御暇しようとサバイバルナイフにつけていた紐を手繰り寄せて回収し、家に帰っていった。

 これが俺のまともに仕事につかない理由の一つだ。今は家に変えるまでの間に起こったことだったのでよかったが、これが仕事の途中だった場合突然いなくなるのは不自然すぎる。その分日雇いバイトだと急にいなくなってもバレない可能性や、理由をでっち上げるのに苦労しない。災厄の場合でも俺の評価が下がるだけだ。まあ、あと一つ理由を挙げるなら知り合いを作りたくないというのもある。町中でナイフ投げるおっさんとだれも知り合いになりたくないだろ。別に仕事が面倒くさいわけではない、決して



鷹宮啓吾 34歳 非天授者 職業:日雇いバイト、天使殺し?





初めて描くので誤字脱字があればご指摘ください

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