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第6話 はじめてのおさそい

 HRが終わり、クラスは皆帰りの支度をしている。ひなた達は前の方で楽しそうに会話している。


 今日はササッと家に帰ろう。デイリーもやってないし、漫画も読みたい。


 鞄に荷物を詰め、席を立ち上がろうとした時。鞄を持った栗原から声が掛かった。


 「あ…あの…楪さん…ちょっといいですか…?」


 私は横を向き彼を見る。彼から話しかけてくるのは珍しい。ましてや教室でなんて喋ったことがない。


 「なに?どうしたの?」


 一体どんな要件なんだろう。なんか緊張というか硬い感じだし、写真部忙しくなるから部室使えないとかそんなとこかな。

 別に今まで使わせてもらった身だし文句ないけど。


 「あの…その…今週末!ぼ、僕と、プラネタリウム行きませんか!」

 

 栗原は目を大きく開き、私を真っ直ぐ見ていた。


 「……え?」

 私も大きく目を見開く。急すぎて言葉が出ない。予想外の言葉だった。


 「あ、えと…その…だから…僕とプラネタリウムに…」

 

 栗原は私に伝わってないと思い、もう一度告げる。


 「いやいや、わかってるわかってる。だからこそ、わからない。なんで私なんかと?」


 本当に分からない。だって別にそこまで仲良いかと言われたら違うし。話すようには少しなったけど遊びに行く程じゃない。


 「あー…うーん…その楪さん…いつも窓の外とか見てて、空とか好きかなぁ…なんて…はは…」

 

 栗原は照れくさそうに後頭部を手で掻いている。


 「でも私なんかじゃなくて他の奴と行きなよ。栗原男子の友達だって多いでしょ。わざわざ私とじゃなくたって。」


 栗原は友達もいる方だし、そこまで喋らない私とよりも慣れ親しんだ男子と行った方がいいに決まってる。


 「いやいや!ぼ、僕は楪さんと行きたいんです!ほ、ほら…男子とかあんまりそういうの興味ある人居ないですし…楪さんならどうかなと…」


 私はここまで栗原と仲良くなっていたのだろうか。まぁ男子がプラネタリウム興味無さそうという考えは少し頷ける。


 「……まぁいいや。別に今週末暇だし。」


 栗原の読み通り、私は星とかは少し興味があるほうだ。栗原からの誘いも別に断る理由が無いので了承した。


 「ほんとですかっ!?ありがとうございます!!では、14時に!○○駅前の改札出たところで!!」


 栗原は満面の笑みで嬉しそうに踵を返して教室を後にした。そんなにプラネタリウムが好きなのか。男子にしては珍しいな。


 私は軽く息を吐いて鞄を持ち、なんか教室の前の方からアイツらに見られてそうな感じがしたけど、気にせず教室を出て帰宅した。





 家に着き、部屋着に着替え、いつものようにゲームに電源をつける。


 コントローラーを握り、ボフッ…とソファに座る。


 「ふぅぅぅ…疲れた…。やはり家が至福…。」


 ぼーっと画面を眺めながら今日のデイリークエストを消化する。


 ふと、今日の帰りの出来事が思い返される。


 (栗原の奴…やっぱりなんで私と…。ひなた達にバレたらめちゃくちゃ変な事言われそうだな…めんどくさ。)


 頬を赤らめながら話しかけてくる栗原の顔が浮かぶ。


 (……………。)

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