第1話 楪 リン
私が眠い目をこすって登校し、廊下を歩いているといつものように勧誘が来た。なんか胡散臭いまじめで元気な感じの男子だ。
「なぁ君!是非演劇部に入らないか!?君にぴったりの役があるんだよ!」
「あぁ~ごめん…私放課後忙しいんだよね…ちょっとパスで…」
いつものように断る。忙しいのは本当だし。すると、ショートカットにシャツの袖をまくりジャージのズボンを履いたいかにも体育会系の女子が話しかけてくる。
「ねぇリン!だったらうちのバスケ部はどう?試合に出るだけでもいいからさぁ~」
「いやぁ…そのケガとかバイトとかに響いちゃうし…練習行けないのに試合行くのはほかのみんなに悪いよ…ごめんね…」
私を誘ってきた二人はしょんぼりして背中を向けてそれぞれの教室に入っていった。こういう時のうまい断り方を教わりたいもんだ。
ふぅっと息を吐き私は教室に入り自分の席へ向かう。一番窓側で一番後ろの席。我ながら運がいい。頬杖をついて窓の外を見る。
ボーっと外を眺めていたらクラスメイトの佐倉ひなたが話しかけてきた。
「おっはよ!リン!みてたよ~相変わらずモテるねぇ~」
お団子頭を揺らしながらニヤニヤしてからかってくる。いつものことだ。
「別にモテてるとかじゃないでしょ…全部断っといたし…」
「さすが余裕だねぇ~」
「おはよぉ。ひなたちゃん、リンちゃん。」
そうあいさつを交わしたのは春野美桜。ふわふわした口調にふわふわした雰囲気。小柄でもあるしきっと男子からは人気なんだろう。
「おっはよー!美桜!ねぇきいて!リンがまたモテモテだったんだよ!」
「ほんとぉ?さすがリンちゃんだなぁ~やっぱりすごいよぉ」
そういって私に抱き着いて頭をポンポンしてくる。
「お、おいっ美桜、ちょっと離れろって…」
「えぇ~だってリンちゃんかわいいんだもん~」
(コイツ…)
美桜は私になついている。うざったいくらいに。
「その割には喜んでいるようだがな?」
そうからかってきたのは早坂鈴。黒髪のロングヘアに眼鏡が特徴的。成績優秀でいかにも優等生って感じだ。
「鈴…お前も敵かよ…。」
私は鈴をにらみつける。
「その証拠にほら、顔少し赤いではないか。」
鈴は自分の頬に指をさして私に言ってきた。触ると確かに少し熱くなっている気がする。
即座にひなたが入ってくる。
「えぇ!リンってば私たちに褒められて照れちゃったの!?」
「ち、違うから!!!朝からあんたらうるさいって!!!」
美桜を引きはがし、落ち着かせるために私はトイレへ逃げ込んだ。
(もう…あんなに言われたらわかんないじゃない…今日は特段にからかってきたなあいつらめ…)
楪リンの高校二年生。変わらないスタートだ。
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これからリンたちの日常や恋愛などかわいく書けたらなと思います!




