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絶望の淵で生を叫ぶ  作者: ふく
小学校時代
18/18

小学校卒業、中学校入学

キッショ、こっちみんなよ!




触んな!きもちわりぃ




話しかけてくんな!







お前なんか、死んじまえ。







うわあああああ!




またか。


また、あの頃の夢を見た。


とても、冗談で言ってるとは思えない。


友人と言い合う程度なら、顔が笑っているだろう。


しかし、彼らは違った。


笑顔なんて、微塵もない。


むしろ。


ゴミを見るかのような目にさえ見えた。




小学校を無事卒業した私は、恐怖に苛まされていた。


中学に入ったら、私はどうなるんだろう。


K君も同じ中学に入るのだろうか。


もう会いたくない。


もし違ったとしても、また、




また、同じ目にあうのは散々だ。


どうすればいいんだ。




私にとっての一番の不安が、


勉強についていけるかよりも、


馴染めるかよりも、




友人ができるか、だった。


なんでそんなことを不安に思うか。


それは、トラウマのせいだった。


クラスのほとんどが敵に見える毎日だった。


仲の良い人なんて、指で数えるくらいしかいない。


でも、そんな数少ない仲の良い人とも、話す気にはなれなかった。


なぜなら、巻き込んでしまうから。


私と絡んだ人はもれなく、例の集団からの嫌がらせがついてくる。


私と話しているだけで、あるいは私の近くにいるだけで、


気持ち悪いだの、喋るなだの。


もちろん、一番言われるのは私なのだが、


まわりの人まで巻き込むのは違う。


悪いのは私だけなんだから、


犠牲になるのは私だけでいいんだ。




ある日のこと。


以前作ったゲームアンドアニメ係で、プログラミングを使ってアニメを作った。


発表の日が来て、パソコンからテレビに繋げ、映し出す。


私はどんな反応があるかワクワクが止まらなかった。


しかし、現実は厳しい。


誰一人として笑わなかった。


はぁ、


やっぱりそうなるよね。


私が事前に見たときは、面白いなと思った。


ウケること間違いなしって。


作品自体が幼稚だった可能性もあるけど、


やっぱり、自分が悪いという可能性も捨てきれなかった。


それくらい、私は心が追い込まれていた。


最後、「面白いと思った人、手を挙げてー?」というシーンがあったが、


やはり誰も手を挙げない。


唯一手を挙げてくれた先生さえ、なんだか申し訳なく思えてくる。


これがお笑い係だったら、違うんだろうなぁ。


一シーンごとにみんなが笑い、手をたたき、称える。


「面白かった人ー?」なんて聞かれたら、全員が手を挙げる。


頑張って作ったのは同じだ。


不公平、なのか?


自分たちが面白くないだけ、なのか?




なにも、わからなかった。

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