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絶望の淵で生を叫ぶ  作者: ふく
小学校時代
12/18

小学校時代 その11

その頃からだっただろうか。


自分とは何なのか、考えるようになったのは。


勉強ずば抜けて出来る訳じゃない。


運動もだめ。


取り柄と言えばパソコンだけ。


でもその唯一の取り柄さえ、認められなかった。


周りは認めてくれなかった。


人と関わらず、休み時間はずっと自分の席で本を読んでる。




あぁ、悪かったよ。




こんな泣き虫で




弱くて




大した取り柄もない




出来損ないの人間(ゴミみたいなやつ)で。




なにもできない人間(いなくてもいいやつ)で。







生きてる価値もない(死んだほうがマシな)人間(やつ)で。






でも、そんな自分でも、


今まで認められなかった取り柄を、


自分の取り柄を、


認めてくれた。


そんな人がいた。




F君である。


そんなF君との出会いは、




最高学年




6年生の始業式だった。




最高学年。


今年度で小学校も卒業です。


長いような短いような時間でした。


そんな最後を共に過ごす仲間たちは...




あぁ




最後なのに、




最後だったのに。




こうなるのか。




嬉しくない再会




K君と同じクラスだった。






なんで?


またかよ〇ソがぁ...


最後くらい楽しく過ごさせてくれよぉ。


当時の自分はそう考えていた。




そして、その考え通りに。


なってほしくなかった、


自分の小学校時代最後の学年が始まる。




新しい学年。


見覚えのある、懐かしい新校舎。


あのボロい校舎とはおさらばである。


そして、進級から何日かたって。


係決めをする時間がきた。


どうやら、自分たちでメンバーを集め、


自分たちで活動内容を考えるようだ。


私は困惑した。




誰がこんな()を誘うんだろう、と。




人間関係なんてなかった。


友達はいたが、休み時間はほとんど遊ばなかったから、


ある程度話すくらいの関係しかなかった。


唯一の救いは幼稚園からの幼なじみだった。


でも、みんな違うクラスになってしまった。


どうしろっていうんだ。


誰が話しかけるか。


誰が興味持つかよ。


自分の中では理解したくないことを、理解し始めていた。




あぁ、私、興味を持たれてないんだ。




私、嫌われてるんだ。




その事実を裏付けるかのように、


私に声を掛ける者は1人もいなかった。




そう思っていた。




「おまえ、パソコン好きなの?」




そのひとことがなかったら、私は救われていなかった。

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