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鳴声(なつ)
ミーン、ミーン
木を見上げる
どこにいるんだ
汗が頬を伝う
あぁ、暑い
ミーン、ミーン
声が増えてく
うるさくて
かなわない
木の下へ
日陰はすこしマシだ
ジー、ジー
新しい声がする
隣の草から
一歩踏み出した
ジー、ジー
声は止まない
もう一歩
・・・・・・声が止まった
もう一歩、近づく
ガサッ
近くにあった石
迷いもせず投げた
反応はない
ミーン、ミーン
耳に音が帰る
興味をなくした
また、木の下へ
上を見上げる
しつこいくらいの
緑の色
――――この葉は
この葉は、いつまでもつかな
あぁ、暑い
本当に、暑い
あ、あの二人、やっと来た。