手袋を買いました
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僕は冷え性で、冬は手が凍りつくように冷たくなる。だから、手袋は必需品だ。今使っている手袋はもう10年も前に買ったもので、色も形も変わってしまっている。そろそろ新しいのにしようと思って、ネットで探してみた。
僕は車を持っていないし、公共交通機関もあまり使わない。自転車が足だ。だから、冬は手袋がないと死んでしまうかもしれない。
ネットで見ていると、タッチパネル対応の手袋があることに気づいた。これは便利だと思った。今の時代、手袋を脱がなくてもスマホやタブレットを操作できるようになっているんだなと感心した。
スマホ対応だけじゃなくて、ATMや自動販売機など、タッチパネルで操作する機会は多い。デザインもシンプルで好みだったので、早速注文した。
数日後、手袋が届いた。早速開けてみると、何かおかしい。指が一本多い。1、2、3、4、5、6? 6本指用の手袋だ。多指症用の特注品が送られてきたのか?
街中では見かけないけど、小児科医に聞くと多指症の人は意外と多いらしい。歴史上の人物でも六本指だったという話がある。豊臣秀吉などだ。
注文メールを確認したら6本指用という記載はなかった。送り主のミスだろうと思って、交換を申し込んだ。
通販サイトをもう一度見直すと、オーダーメイドで指の本数を選べるという項目があった。片手1本から10本まで自由にカスタマイズできるらしい。小指や親指を失った人用のものや、両手で指の本数が違う人用のものも作れると書いてあった。
それぞれに事情があるんだろうなと思った。システムの不具合か人為的なミスかはわからないけど、僕には関係ない話だ。
そこまでは、面白くもなんともない話。でも、その後が驚きだった。右手に6本目の指が生えてきたんだ。この歳になってから。信じられなくて整形外科に駆け込んだら医者も呆れた顔をした。あり得ない話だと言われた。
骨まで生えてきているんだ。レントゲンを撮ってみると確かに指の芽が見えた。遺伝的にそういう素質があったんだろうけど、なぜ今になって発現したのか理由がわからない。
僕は仕方なく、右手だけ6本指の手袋を再注文した。