ドアの向こうは草原でした。
拙い妄想物語ですがまったり続ける予定ですが、不定期更新です。
「やっと『ジャングルボイラー三巻』があったー」
部活が終わって着替えると18時をまわっていたので急ぎ学校から出て、帰り道で近所の書店にて目当ての漫画を買おうとしていたのだが、生憎売り切れだった。
読みたい時はどうしようもなく読みたいもので
隣町まで足を伸ばして大型ショッピングモールにある書店に買いに来て、ついでに駄菓子屋で本を読みながらつまめるお菓子を幾つかと、モールに隣接しているスーパーで母に頼まれた食料品と日用品を何点か買ってから買い物かごからリュックに詰め換えてからモールの南出口を出ようと、自動ドアを抜け一歩足を踏み出した瞬間、まばゆい光に包まれて何故か草原の真っ只中に立っていた。
「あれ?」
背後を振り向くとショッピングモールの出入り口が見えたので一歩戻る。
また出口から一歩踏み出して草原である事を確認してから再度ショッピングモールに戻り、他の人が出る様子を見るも、誰もが皆いつもの駅までの道を歩く様子がショッピングモールの中からは見える。
何故か自分だけが駅に向かえない、であるなら遠回りになるであろうとも別の出口からでるのはどうだろうか?
そんな疑問を解消すべく他の出口3箇所の北口、西口、東口の出入りを試してみた。
結果として遠回りであろうとショッピングモール三箇所いずれからも日常の街へと出れた。出れたのだが南口を使えば3分で駅に着くものを他からではかなり歩く羽目になるのである。
こちらのショッピングモールは北ゾーンと南ゾーンに別れており三階建の北と南で店舗500店近くある巨大施設である。やむなく駅までの道のりが遠くなってしまったので軽くジョギングしながら駅まで向かい、電車に乗って隣町まで戻り、駅を挟んで学校とは反対にある家に帰ったのだ。
(夜ご飯の時間前には着きたかったのに、予定より遅くなってしまった。)
頼まれた豚ひき肉500gと玉ねぎに歯磨き粉を母に渡してからシャワーを浴び、夜食を済ませ、自分の部屋に戻ってリュックから買った本とお菓子を取り出そうと手を伸ばすも何故か手が底に届かない。
「あれ?漫画は?お菓子は?」
すると目の前に透明なボードが現れ▼を押すとさらに詳しい内容が見れた。
『アイテムリュック▼』リスト一覧表
⁑漫画一冊▼
⁑お菓子5種類▼
⁑教科書▼
⁑ノート(ルーズリーフ)▼
⁑筆箱(眼鏡入り)▼
⁑ ⁑お弁当箱(空)▼
⁑水筒(中身MP回復在中)▼
アイテムリュックの横の▼を押すと【初めて異次元を通過した事により現在は4畳程度の部屋のアイテムボックスに変わった。リュックの入り口は一部が入り口に入るか触れれば中に収納が可能。また重さは感じないくらい軽くなる。生物は入れられないが、植物は入る。時間停止機能付与。本人の魔力レベルにより内容量が成長する付与がついている。】と説明がついていた。
「ふあっ!?アイテムボックス!?」
漫画は確かに『ジャングルボイラー三巻』なのだが
中身を開くと
「魔ガイドブック」と変貌していた。
どうやら魔法回路を開き、魔法の種類の説明から、はては薬草などの作り方などの錬金術師内容が含まれるガイドブックとなっているらしく、手に触れた瞬間に内容が頭にインプットされ、ジャングルボイラー3巻としても、しっかり読めるようになっていた。
またお菓子5種類はラムネ菓子、チョコ、わたあめ、ふ菓子、おせんべいを買ったはずが、
1粒1HPupのラムネ50粒入りが5個
俊足レベル1upチョコが10個のチョコ3個
1袋でMP10upわたあめ5袋
賢さ1up麩菓子10個入り2袋
力1upお煎餅が20枚入り3袋と変わっていた。
教科書は3冊入っていたが国語は火魔法、化学が水魔法、家庭科は生活魔法の本になっていた。もちろん教科書内容はそのまま、手にした途端に魔法の使用方法が頭に入り込んできた。
ノートはルーズリーフを1冊使用していたが、未使用部分にいちごの落書きを書いた途端にいちごが現れたのだ、どうやら記載した絵がそのまま現実に現れるようになってしまったらしい。(気をつけて描かねばならない。)
筆箱に入ったカラーペンは握ると髪色が変わり、消しゴムは握ると髪色を元に戻してくれた。シャープペンは録音機能付きライト付きに変わっていたし、筆箱の中に勉強の際にかけるメガネをめんどくさがりメガネケースから出してそのまま仕舞い込んでいたが、それが鑑定メガネとなってしまったらしく、MPを使用しながらなんでも鑑定できるようになった。筆箱自体は、なぜか変わらずそのまま中身が変化されてしまった。
お弁当箱(空)は無限収納可能な合成の箱に変わってしまったらしい。錬金術にはありがたい品だが、新しいお弁当箱を買わないと‥‥‥。
水筒の中身はMP回復薬在中になっており、500ml入る水筒は中に入れたお茶や水がMP回復薬に変わる水筒となってしまい、これまた新しい水筒が必要となってしまったよう。
不思議な草原といい、なんかおかしな空間だったし、物があれこれ変わってしまうなんて、明日はお弁当と水筒を多めに中身を詰めて、このリュックに入れて草原の周りも調べてみよう。
ちなみに母に渡した豚ひき肉と玉ねぎを使ったハンバーグを食べた後は微妙に力が溢れた気がしたし、歯磨き粉を使うと歯が白く艶めいてた。買い直すかとも考えたが、ありっちゃありか?と買い替えは断念し素知らぬふりを決めこむのだ。
(でも今日は疲れたぁ‥‥‥ふぁあ眠っ)
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