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なんですか?ここ

遊園地なんていつ以来だ?


「大阪やぁーーっ!!」


 俺達は日比谷さんに誘われて大阪、USOにやって来た。

 USOとはまぁ、説明不要だとは思うが…ユニバーサススタジオオオサカのことである。

 つまり、チ○ージマン研!の世界を満喫できるということである。


「大阪やぁぁーーっ!!」


 ただ、言い出しっぺの日比谷真紀奈は不在。なんか同行してたお姉さんが昏倒したので途中下車。


「おおさかやぁぁぁっ!!!!」


 今日の素敵なメンバーを紹介するぜ。


 まず俺、小比類巻睦月。乾燥コッペパン『睦月のパン屋』代表取締役社長(予定)。


「おーーーーさかやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!!!!!!」


 脱糞女こと楠畑香菜。


「うふっ♡ブルーマスク被っちゃおうかしらぁ♡」


 魔王、剛田剛。カレシができたらしい。


「はぁぁ……ここには…………負の感情が無い……みんなが笑顔だぁぁ……」


 震える事が基礎代謝、古城幸恵。


「ア゛ーーーーっ!!」


 体育祭の小次郎君。


「…………日比谷さん。私は一体どうしたら……」


 そして阿部凪。


 以上の面子でお送りするぜ!

 ちなみにチ○ージマン研!とはまぁ、説明の必要はない大ヒットアニメだから説明はしないが…知らないという人は自分で調べてくれ。

 それでは行ってみよう。



「阿部、さっき運ばれたミブチってあんたの友達なんやないの?ええの?着いてかんで……」

「いや……多分大丈夫だよ。ありがとう脱糞さん」

「なんやそれ薄情や--今なんて?」


 日比谷さんから財布とカードをお借りしたので今日は遊び放題らしい。入場ゲートには平日だというのに長蛇の列だ。流石大阪随一のお楽しみスポットである。

 ……ん?俺ら3年生は授業がないが現2年生の小次郎はなぜ平日にこんな所に……?


 まぁ細かいことは気にしない。


「ようこそ!USOへ!入場料大人38000円、お子様は20000円です!!」


 入るだけで約4万……とてもでは無いが自腹では来れない。戦慄しながら人数分の入場料を(子供料金で)支払う俺の横で「あれ?なんで関西弁ちゃうん?」と脱糞女。



 --さぁ金を払って入場した俺らを待ち構えていたのは夢の国だ。

 入場ゲートを潜った俺らの正面に巨大な泉研が立っている。奥のジェットコースターではスカイロッド型コースターが爆走していた。そしてパーク内には殺人レコードがエンドレスで流れている。


 どうだ?立ってるだけで踊り出しそうだろ?


「うふふっ♡みんなぁ♡」

「黙れオカマ」

「ひぇっ……小比類巻君なぜ怒ってるんですかぁ……ガタガタガタガタ…」

「まずは形からこの夢の世界に入って行かないとねぇ♡」


 鋼鉄のケツを振り回し剛田がルンルンで向かうのは身につけグッズとか売ってる店。あと巨漢の筋肉ゴリラがケツを振りながら歩く後ろ姿には恐怖しか感じない。


「おいお前達、あんまり無駄使いしないからな?」

「いやそれ日比谷さんのお金でしょ?」

「それは日比谷さんのお金だから湯水のように使っていいってことかな?アントニオ君」

「阿部です。いや、あんまりにも堂々と自分のお金の様に言い放つから勘違いしちゃった……」

「なぁ睦月……ここ大阪よな?」

「そうだ。パークにも『オオサカ』って入ってんだろ?」


 バチィィンッ!!


「なんで殴るの!?」

「なんでみんな関西弁喋らへんねんっ!!」


 ……は?なにキレてんの?


「ひぃぃぃ……お、落ち着いてください脱糞さん……」

「え?古城やっけ?おたくとは初対面よな?初対面にまで脱糞呼ばれるん?ウチ…」

「え…………だって……脱糞さんは脱糞さんだし…………え?え?」

「やめてっ!!その握り拳で何する気!?脱糞さん!!」

「やかましいわハーマイオニー」

「阿部ですっ!!」


 ……騒がしい連中だぜ。


 なんてわちゃわちゃ楽しそうな女子を眺めていたら店から黄色いスーツにヘルメット被った変態が2人出てきた。

 そう、ここはチ○ージマン研!を堪能できるテーマパーク。テーマはチ○ージマン研!

 となると形から入るのなら当然泉研の格好する訳だ。欠かせない。しかし俺は絶対しない。


 なぜかって?


「先輩、なかなかいいな。USOに着た感がグンとましたぞ」

「睦月ちゅわん♡パツパツ過ぎて胸が避けちゃった♡」


 恥ずかしいからだ。


 *******************


「ふふふ……」「いらっしゃい」


 パーク内のレストランはジュラル星人が営業している。このタコ足みたいな手でどうやって調理するのだろうか……

 入場料もそうだが店内のメニューが軒並み高い。これもパイナップルショックの影響か……


「なぁアンタらなんで関西弁喋らんねん。ウチな?福岡から関西弁聞きにここまで来とんのんやけど?」

「我々はジュラル星人だから…」

「わたしはオムライスを貰おう。旗付きな?」

「じゃあ私グラタン」

「あら?うふっ♡あたし、ペ・ペ・ロ・ン・チー・ノ♡」

「あ…私…え?怖…なにこの人達…ニンゲンじゃない…ひぃ……パンケーキ…ください……」

「ニンゲンではありません。ジュラル星人です」

「俺様はカルボナーラだっ!!」

「ウチも。なぁアンタら地元どこ?大阪ちゃうん?」

「ジュラル星です」


 知ってるか?ジュラル星は地球より500年進んだ化学力らしい。きっと飯も凄まじい技術力で提供されるのだろう……



 ……普通だった。


「小次郎一つ物申したいのだが…レストランの店内BGMまでこの殺人レコードなのか?どこ行っても殺人レコードなんだが…」

「ところで殺人レコードってなんですか…?」

「古城さん知らないの?殺人レコードだよ」

「……?あの……説明になってませんよね?どんどんぼりさん…」

「阿部です」


「……脱糞さん覚えてるか?このカルボナーラ……」

「なんも覚えとらんけど?ここでカルボナーラ食うの初めてやんけ」

「1年の歓迎遠足の時…つまり俺らが一緒に食べた最初の飯がカルボナーラだった」

「そんなん覚えとらんわ」

「脱糞さんが俺のカルボナーラに下剤を盛ろうとして--」

「あっ!!おどれあん時はよくもやってくれたやんけっ!!思えばあの時の脱糞がウチがコイツらから「脱糞女」言われるようになったキッカケやんけっ!!」

「……しかしお前はその前から脱糞女だった。お前は初めて出会った時から脱糞女だった……」

「おどれのせいやけどな?頭きた。下剤飲め」

「脱糞さんよ……繰り返す気か?俺達はこうして進歩して新しい関係性を築いたんじゃないか……」

「初心忘れるべからずや。ええやろ?」

「だめ」


「あらやだ♡ここのペペロンチーノものすごく辛いわぁ。小次郎きゅん♡ちょっと食べてみてよ♡」

「なぜ?あなたの食べかけだろう。小次郎は遠慮させていただく」

「いいから♡あーーん♡」

「っ!?な、なんだこのパワーは……っ!?離せっ!!それに食えと言いながらなぜ自分で食べてるんだ貴様っ!!」

「うふふ……♡ん〜〜〜〜♡」

「まさかっ!?やめろ……やめろぉぉぉぉっ!!」


「……ふひひ…アンチョビさん知ってますか?ジュラル星人って雄雌があるそうですよ……へへへ……」

「古城さん、阿部です」

「ジュラル星人は人間に擬態することができるんです……ですが、ジュラル星人は鏡やカメラには映らないんですって……凄いですよねウニさん」

「阿部です」

「あと、目からビームが出るそうです。凄いですよね軍艦巻きさん……うふふ…」

「阿部です」


 *******************


 --昼飯を食ったらなんかパレードしてた。

 でっかいスカイロッド型のパレード車の上から泉研とかバリカンとか泉キャロンとかが手を振ってた。

 そしてそれを子供達が「なんやねんコイツら」って言いながら眺めてた。大人達は狂喜乱舞だ。


「おい睦月!!今あの子供達なんやねん言うたで!!言うたでっ!!」

「そんなことよりどうした小次郎君」

「はぁ…はぁ……なんだか気分が……うぷっ!!」


 先程のレストランでなにやら恐ろしい目に遭っていたが、あまりに恐ろしすぎたので俺は記憶から消しといた。ので、彼がなぜ吐きそうになってるのか分からない。


 ゲロ生産機が危うい状態の中パレードは盛り上がりを見せる。尚、盛り上がってるのは演者のみである。


 泉研を取り囲むジュラル星人。目から殺人光線を放つがそれは尽く躱され、チャージマン研の放つアルファガンの光線がジュラル星人を殲滅していく…


 はっきり言ってとても盛り上がりに欠けるバトルである。


「うふっ♡見て♡楽しいわね小次郎きゅん♡」

「はぁ…やめろ……わたしに近づくな…」


「……なぁ、剛田てカレシ居る言うてへんかったか?」

「なんか野球部の後輩をカレシにして一緒に償っていくって言ってた」

「……なんを?」

「知らん」

「で?なんで眉毛君とべろちゅーしとったん?」

「ケツが軽い男だからだろう」


「--やめろぉぉぉぉぉぉっ!!!!」


「クリスマスシーズンになるとパレードとイルミネーションがとっても凄いらしいですよ、猗窩座さん」

「阿部です」



 --俺は思う。

 なんでこのメンバーで来たんだろって……

 チ○ージマン研!世代ではない俺らはチ○ージマン研!のテーマパークで盛り上がる事ができず、しかも普段絡まないメンバーばかりなのでもはやどうしていいのか分からない…


 チ○ージマン研!は悪くない。

 面子が悪い。


 メンバーはいつの間にか俺と脱糞さん、剛田と小次郎、古城と七つ星さん(みたいな名前だった気がする)に分離してしまった。

 もはやただの脱糞さんとのデートである。


「睦月ウチ分かったで…」

「なにが?」

「なんでこない関西弁率低いかや…USOやから全国から遊びに来とんのや…せやから大阪人が全体的に見たら少ないんや!」

「俺にはなぜ全国からここに人が集まるのかが理解できない」

「ウチ、大阪に来た気分がせぇへんのやが…帰らん?」


 終いには帰らないかと言い出す始末だ。

 あと、古城とベトナムオオムカデさん(みたいな名前だよな?)に至ってはさっき『先帰ります』って連絡来てた。びっくりである。


 どうしたらいいんですか…?


 帰ればいいのか。


「大阪来たんやけ美味いもん食うた方がええと思うんよ、ウチ。関西弁を肴に食いだおれへん?」

「関西弁を肴に食いだおれ…?」


 もはやここに居たくなさそうな脱糞さん。へそを曲げられても困るので俺は脱糞さんと入場ゲートへ向かうことに…


 帰ることを剛田と小次郎に伝えようかと思ったが…


「うえっ!!吐きそうだっ!!もうダメだっ!!」

「あらぁ♡」

『皆様ご覧下さい、ボルガ式解決法でございます』


 思ったけどなんかスカイロッド型ジェットコースターで楽しそうにしてるのが見えたので放っておこう。

 爆発寸前の小次郎がスカイロッドから放り出されていたが…まぁ大丈夫だろう。


 ……そういえば日比谷さんは大丈夫だろうか?


「睦月ー!はよ帰るでー!!たこ焼きやたこ焼き!」


 …何しに来たんだろ。てか、チ○ージマン研!のテーマパークってなんなんだろ…


「睦月はよー!今食○ログで調べとんねん!「関西弁が聞けるたこ焼き屋」て」

「…知ってるか?たこって脳が9つあるんだってよ」

「マジか。無惨様より頭ええやん…」

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