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リークと村

「さて要件を……てなんで母ちゃんがいるんだよ!」


 あぐらをかいて座ったリークは開口一番そう言った。


「別に私がいたってかまわないだろ?あ、だけどリークがリュウノスケに告白するってなら私は邪魔かもしれないねぇ。それなら早く言いなさいよ、私はお暇するしかないわね」


「分かった!分かったから!ここにいていいよ!告白なんてしねぇよ!こんな奴に!」


 立ち去ろうとする肝っ玉母ちゃんをリークは慌てて止める。


 リークの俺への好感度低すぎないか?俺なんか悪い事した?あ、誘拐未遂(誤解)があった。それに人族、レティシアたちの対応がフレンドリーすぎて忘れてた。うん、納得。まぁ流石に男には告白されても困るからそこはヨシ!blルートは同人だけでお願いしとこう。


「あら、私は良いと思うんだけどねぇ。そういう関係も良いと思うわよ。何なら私がもらっちゃおうかね」


 ん?えっと……お母さん?それ冗談ですよね?冗談って言ってください。

 ……いや目がガチだ!リーク!頼む!しっかり否定してくれ!あんたの母ちゃん、浮気しようとしているよ!


「なるほど……」


 こら、リーク考え込むな!浮気は大丈夫なのか!


「ノーラさん、からかうのはそのへんに、顔がどんどん青くなっている。リークも考え込むフリはするな」


 俺がどう対応してこの危機を脱出すればいいのかと困惑している時

 振り返ると無駄にキリッとしたレティシアがいた。


 俺にとっては間違いなく救世主で感動すべきなのだが惜しい、お弁当が大いにそれを打ち消してしまている。


 ん?ておい!リークもノーラさんも確信犯だったのか!特にリーク!さきまでからかわれる側だったのに切り替え早いな!


「ハハハ!すまなかったねぇ、リュウノスケ。うちのリークったらあまりそういう色恋に弱くてねぇ……すぐに顔を真っ赤にしてしまうのさ」


 やれやれと首を振りながらノーラは言ったが当のリークはというと

「な!?俺だって好きな人ぐらいいるし!レティシアのことが大好きだ!」

 気が動転しまくったのだろう。顔を真っ赤にしながら突然の告白を敢行したのだった。


 おぉ……やっとまともな組み合わせが出てきた。良いぞ、もっとやれ!ただその前に要件を伝えてくれないかな?気まずくて死にそう……


「ああ、分かってるぞ。私もリークが大好きだ。もちろんリュウノスケもな。さてリーク。お前はリュウノスケに話す事があるのではなかったか?」


 リークの告白をサラリと流したレティシアは話しを本来の流れへ持っていく。


 ……リーク、お前は勇敢な男だ。だがレティシアは修学旅行のノリでは射止れられないようだぞ。しかもあの発言、完全に友達以上恋愛対象未満な人への返しかただ。生徒と先生の恋愛ぐらい発生確率が低いやつだ。うん……リーク……頑張ってくれ……

 ておい!こっち見んな!俺は恋敵じゃない!レティシアの中で、同列=恋敵はあんまりだぞ!

 あ、何かニヤッとした。……っ!あいつさては『も』って部分で自分が有利って事にしたな!ほら!ニヤニヤする暇あったら要件伝えろ!そんな所で優位を感じてたら幼負けのフラグがどっかで立つぞ!


「そうだった。母ちゃんが話しを折るから忘れかけた」


 ようやく我に返ったリークは今までの笑えるぐらいの赤面をパッと消す。


「悪かったねぇ。話しを折って」

「で要件だが……リュウノスケ、お前一体どこでで何をやっいた?」


 ノーラの軽口を無視してリークは言う。


「何をしてた?そりゃ村を守っていたけど?」


「はぐらかすな。俺は全ての場所を回って被害を確認していたが1箇所だけおかしな場所があった」


「おかしな場所とは?」


「お前が向かっていたと聞いた東側だ。そこだけゴブリンの死体が大量にあった。しかもお前以外は南にいたと聞いている」


 あ、はい。ありましたね……まさしく屍の山が……いや俺が爆破したから丘かな?


「……で。それが人族程度ではやれた事とは思えない……と」


「ああ、そうだ。お前と初めて会ったときに時にどこからか槍を出した。だがその程度で際立った身体能力も見いだせない。なのに何処よりもゴブリン側に被害を与えている」


 うーむ……確かにリーク達獣人から見れば俺はひ弱な人族。戦国無双でもないのに蹴散らしまくれば疑いたくもなるか……


「えっとですね……それには少し秘密がありまして……」


 銃を使ったと言えば簡単ではあるが練習も何もやってない人が使えばむしろ混乱すると考え言葉を濁す。


「こっちは村の命運が懸かってる。すぐに逃げれるお前と違ってな」


 言葉を逃がす俺に対して眉間に深いシワを作りながらリークは冷たく言う。


 怒りは湧いてこなかった。むしろその言葉が胸に深く突き刺さる。守りたい、守りたいと言ったところで結局の所俺と村の人達では村を守ると言う想いの重さが違うのだ。本当に守りたいなら言葉を濁さず今使えそうな事は全て伝えるはずだ。それを俺は躊躇った。恩返しとか言ってたくせにこれだ……つくづく馬鹿だよな……俺は……


「……確かに俺は逃げようと思えば逃げれる。無意識のうちにそう思っていた。だから大した秘密でも無いことをこの時になっても隠した。すまない、俺は確かにお前の嫌う人族と同じようだ。だがそれで分かった……それでも俺はこの村も守りたい。だから逆に問う。リーク、それを聞きにいけと言ったのは長老だよな?」


「ああ、そうだ」


 リークは俺の問いをすぐに肯定した。

 その答えに俺は納得した。


 長老は全て知っていたのだ。思えば当然の事だ。

 俺の事は全てレティシアから聞いている。つまり銃についても知っていた。


 だから俺を遊軍として自由に動かさせた。何処ででもその力を存分に発揮出来る位置に着けるように。

 そこで何故予備兵力として控えていた5人が動いてくれたかの説明もつく。


 ()()()()()()()のだ。龍之介が移動してくれるように頼むと。

 長老は最初から俺が1箇所を1人で守ると踏んでいたのだ。しかも東側を。

 そして俺はその目論見通りに東の守りについた。

 そう考えるといささか少なすぎる南、東の防衛力にも納得がいく。


 そもそもあれは南、東合わせての防衛力ではなく南の防衛戦力だったのだ。


 俺にそれ程の力がなかったらどうしたものなのか……いやそうであっても大丈夫なように東に仕向けたわけか……で蓋を開けてみると……って事でリークにカマかけさせた……末恐ろしい人ですな。


「……現場に何かあったか?」

「いや何も」

「!?」


 珍妙な物と棘付きの紐とかの返答がくると予想していた俺は面食らった


「何もなのか?」

「何もだ」

「……」


 何故だ?あそこにはMG42とstg44、有刺鉄線まである。


 薬莢は見つからないかもしれないが弾薬箱は見つけられるはずだ。なのにそれ全てを見てないと言うのか?


 俺が一定距離を離れたから自然消滅した?またロリ神が消しておいてくれた?


 どれも今は分からない……か。

これは前提から聞いてみた方が良いな。


「長老から銃については何か聞いてるか?」

「ジュウ?なんの事だ?」

「あーいいや。そっちについては後々レティシアからでも聞いてくれ。今役に立てそうなのはもう1つの方、有刺鉄線だからな」


「なんだ、それは?」

「棘付きの鉄線だ。それを使えばゴブリンの前進を少しは妨害できる。ちょうどここには4人いる事だし使い方と配置する場所をを説明するからリークその後には現品を持って急いで長老に許可を取ってほしい。ゴブリンの第2陣が来るんだろ?」


「ああ……明日の昼には……恐らく」


 リークの重々しい返答に俺は軽く冷や汗をかいた。


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