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軍事愛好家《ミリタリーオタク》とロリ女神

「……と言うわけであなたは死んで死後の世界にやってきたのです☆」


妙にハイテンションなロリっ子娘は語尾に星マークを付けてそう言った。


「いやまあ自分で死んだのはわかってるよ。で?俺に何の用?そもそも君は誰だ?」


「それはね~何とビックリ神様!すごいでしょ!ほらあがめてもいいのよ☆」


「ふーん。そうかー」


「うわ!信じてないわね!自分が死んだことは信じてるのに目の前に神様がいることは信じないのかしら!?」


「いや信じてないというわけではないんだがな……」


そう別に目の前にいるロリが神様だと信じないわけではない。それがただどうでもいいというだけの話だ


「もう! そっけないんだから☆せっかく君にいい話を持ってきたのにぃ~☆」


無駄に高いテンションが無性にうざったらしく感じるが、そんなことが気にならないぐらいに愛くるしい。


確かに神様と思えるか……いやこれは天使のほうが似合っているのではないだろうか、見た目的に


「あー! なんか今変なこと考えたな~?」


「で話とはなんでしょう?tヴァルハラにでも連れていってくれるんですか?」


冗談も交えながら露骨に話を逸らされた自称神様は不満気に頬を膨らしていたが話を戻してくれた。


「それはね~、あなたに転生をする権利をあげようって話なのです☆」


「お断りします」


もったいぶった間を開けて告げられた権利を俺はバッサリと断った


「え!?なんで!?」


「なんでと言われてもな……単純に俺はさっさと死にたいからとしか」


「あーそう言えばそうだったわね……はー、もう少し新しい命を受けれると喜べばいいのに……」


「……全て知っているような口ぶりをするな」


まるで俺の事を全て分かったかのような発言に少し苛立つ


「知ってるわよ、なんせ神様なんだからね。動けたのに動かなかった、龍之介君?

なんだったらあの瞬間に戻してあげようかしら?」


その言葉に俺は否が応にも目の前にいるロリが神様だということを思い知らされた

そしてあの瞬間に戻ったところで俺がやる愚行は全く変わらない、腹立たしいほどに確信が持ててしまう


「……降参だ、確かに君は神様なんだな」


ため息をつきながら俺は両手を上げる


「わかってくれたならいいのよじゃあ転生さ……」


「お断りさせてもらう」


自然な流れで転生させようとするロリな神様の言葉を遮り間髪入れずに拒否する


「何で!?」


「何でもなにも俺は君を神様だとは認めはしたが転生するとは一言も言ってないぞ。第一な」


内心であきれながら俺は言い断固として拒否する姿勢を見せようとした


「……それで償えてる、いや償えると思っているのかしら。死ねば償った事になるのかしら。それは独りよがりな妄想じゃないのかしらね」


半眼になったロリな神様は本当に小さく呟いただけなのだが俺の耳には普通にしゃべっているかのような音量で己が身に突き刺さった


「……俺に何をさせたいんだ、目的がなくてこんな救いようがない人間を転生させるのか?」


大した反論も話題をそらせるほどの感情もわかず俺はただ純粋にそう問う


もちろん一般的な考え方ならもう一度生きれる転生はとても魅力的な提案だ。

喉から手が出るほど欲しいはず。だがそんな条件をたとえ転生してもすぐに死のうとするだろう俺に与えようとするのか、まるで理解ができない。


「目的?あなたを選んだ理由? 特にないよ~?あえて言うなら~ん~、面白そうだから?」


可愛らしく首をかしげながら爆弾発言をしたロリ神様に怪しい視線を送ると「いやいや」と手を振った。


「えっとね~本当はね?あなたを今から連れて行こうとしてた世界はね。ものすっごいつまらないの。皆つまらなさそうなの。だからね。死にたがりなあなたがその世界的に落ちれば何かしら影響が出てその世界が面白くなると思うのよ!だからお願い!転生してくれるかしら!」


悪びれもせずに平然とそうのたまったロリ神はパンっと手を合わせた。


「そうか……神様は色んなことを考えているんだな。俺は水面に投げる石……ってところか。分かった。俺をそのつまらない異世界に転生させてくれ」


俺の承諾に神様はロリっ子の特権である世界一の笑顔を見せて頷いた。


「わあ!あ……」


「ただし条件がある」


礼を述べようとしたロリ神を遮る


「な、なにかしら?」


「正直俺は今も心根では転生したいとは思っていない。誰一人として助けることも助けようとすることも出来なかった俺は今すぐにでもありとあらゆる痛みを伴う罰を受けるべきだ、そう思っている。だが自殺はしない、それは俺が背負わなければいけない罪をドブにねじ込み逃げる行いだ。だから俺はその異世界では守ると決めた他人を全力を尽くして助ける。何があろうとも、だ。だからその果てに死んだのであれば君は俺を転生させた張本人として俺を然るべき場所へ叩き落してくれ。それを約束してくれないのであれば、悪いが他のもっと生に貪欲な奴に頼んでくれ」


「分かったわ、私から見てあなたが十分すぎるほどに大切な人を守りきって私もあなたがもういなくても良いと思えた暁にはあなたを地獄へと落とすわ」


真剣な表情で答えたロリ神を見て俺は少し表情を和らげる


「ああ、頼む。なら特に俺から何か言うこともないどんな条件下で異世界に落とされても文句は言わない」


「了解!問答無用で落としちゃうわ!だけど私は神様であって悪魔ではないわ。あっちで困らないように読み書きができるようにしとくね☆あと今回だけ特別! 私から一個だけスキルをプレゼントしてあげる、今度は守りたい人を守れるように頑張ってね☆」


そうロり神がいうと俺の足を起点として半径1m程の床が光りだす

よく見れば少しずつ光が強くなっている


俺はただそれを眺めながらただ待った


「ねえ、龍之介君?」


ふとロリ神から声がかかった


「何だ?まだ何かあるのか?」


怪訝に思いながらも俺は応える


「1つ聞いていなかったわ。あなたは地獄とかそういうのは信じているわね。でね、これはあくまで仮定でしかないのだけれど。もしあなたが亡くした大切な人達が、正確には魂が貴方を恨んでいなくて罪なんてない、償ってほしくないて思っていたらあなたはどうする?」


「は?なにw……」


「いいえなんでもないわ。じゃあいってらっしゃい!二度目の生き返り、新たな世界で頑張ってね!それと今度会う時からはお互い仲良くしましょう。素晴らしいぐらい可愛い神様からはこれをお願いするわ!」


俺が問い返す前にロリ神はそう言ったそしてその瞬間に足元に穴ができた。叫ぶこともできずになすすべもなく俺は落ちていった。


かくして俺の自由気ままな誰かを守りそして死ぬ異世界生活?は始まったのだ……



「……うわああ!痛っ!あのロリ神もう少しマシな方法で送ってくれよな……今度からは仲よくか、考えておこう」


俺は地面に頭から落ちる形で、無事に異世界にたどり着いたらしい。


立ち上がって回りを見回す。


「森の中だな。とりあえずロリ神様からもらえたスキルがあるはずだから……どうやって確認すんだろ……」


両手を上げたり「ステータス!」とか叫んでみたり色々試していると、「開けゴマ!」と叫んだ瞬間、目の前にスキル一覧が現れた。


……

スキル名

 ???

効果

 スキルとして考えた能力を一つだけ取得できる(変更不可)

……


どうやら好きな能力を自分で選んでくれということらしい。


「これってもしかしなくてもとんでもないスキルじゃねえのか?もし俺が、戦車とか軍艦とか銃とか軍用機に搭載されているものも含めていくらでも召喚できる~なんてスキルにしたら、この世界征服できるよ?……って何この音?」


リズミカルなファンファーレと共に目の前にスキル決定の一文が現れた。


「え? なんで決まった?俺まだスキル考えて……いたよ,いたよ完全に! 戦車がなんちゃらって考えてちゃってたよ!」


ああなんて無慈悲なんだ!いやそう考えたの俺だけども!っと、半分諦めながらスキル一覧を見る。


……

スキル

 軍事愛好家(ミリタリーオタク)

効果

 戦車などの軍事系のものを召喚できる(転生前の世界に存在したものに限る)。ただしその部品を考え設計すればオリジナルを作ることもできる

……


案の定、なんか適当に考えていたものが選ばれていた。っていうか、スキル名ミリタリーオタクって安直すぎないか?


「とりあえず皆大好きコルガバちゃんでも出してみますか」


手を前に出して念じてみるすると生前、毎日腐るほど見てきたあのフォルムが手元に現れた。


手に取るとエアガンにはない、本物の重さが伝わってきた。


「よし! ちゃんと出て来た。しかもエアガンじゃなくて本物!ロリ神様、ありがとう!」


その場に跪くと俺は天に向かって土下座をする。


「さて、それじゃあ試射してみるか」


スライドを引き意気揚々と近くの木に狙いを付ける。


「……発射されない。セーフティも外してるのに」


引き金を引いたにもかかわらず、コルガバはハンマーが落ちただけでなにも起きなかった。


他にも何かあると思い、スキル一覧を見る。


「えーと……スライドを引くときに適切な弾薬を思い浮かべながら引くとマガジン一個分の弾薬が装填されます……良かった。そんぐらいですんで」


改めてスライドに手をかける。


45ACP……スライドを引く手を離すと、微かな音とともに薬室内に1発装填される感覚がした。


スライドが元に戻ると木に狙いを付け、そして引き金を引く。


今度はしっかり発射されたが、反動で弾丸は明後日の方角へとんで行った。


「……これは練習が必要だな」


思い浮かべ、ホルスターを作ると、ガバメントを入れ腰に吊るす。


「なにはともあれ。スキルの確認はしたし次は近くに村がないか探してみるか」


30分くらいをかけて近くの丘の頂上に着いた。


「歩いて3時間くらいかな? 村っぽいのが一つある、そこに行こう」


そう考え丘を下ろうとしたとき、腹が大きな音を立てた。


「そうだった。こっちに来てから何も食べてないな……とりあえず食えそうなものを探そう」


そして食べ物を探すこと1時間。やっと食えそうなものに出会うことができた


体長30センチ、毛が緑色で保護色になっているウサギを見つけた。まとまって5匹かたまっている。


今後のことを考えると5匹全部捕まえたいところだがガバメントじゃ良くて1匹だな…一度に大量の弾が出るもの……ショットガンぐらいしかないか。手榴弾なんか使ったら木っ端微塵だし……

そして召喚したのはウィンチェスターⅯ1897……ポンプアクション式のショットガンだ。


使用弾薬12ゲージ。


銃身下部にある弾倉から一発薬室内に送り込まれる。


距離は8メートルほど。ショットガンの射程距離内だ。


緑うさぎの群れに銃口を向け、引き金を引く。


ガバメントを撃ったときよりも強い反動がかえってきたが、今回はなんとか耐える。


「3匹か……まあこんなもんか」

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