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モノクロのアオハル  作者: 雨宮 桜桃
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第二章 過去の話(1)

前にも軽く触れたが、うちの中学は俺の通っていた小学校の生徒が大半で、私立中学に行った30人ほどを埋めるような形で近くの小規模の小学校と合わせて中学校の在籍人数を調整していた。

中学高に入学してすぐにクラスの合併した小規模の小学校の奴らとも仲良くなり俺は男子6人で出来たちょっとやんちゃなやつが多いグループに入っていた。

グループのメンバーは小学校の時から仲が良かった、ツーブロックにしすぎて横の髪がない縦島。

雰囲気はイケメンだがよく見るとそうでもない大谷。

空手の道場が同じで仲の良かったマスコットキャラクターのように小さい新田。

中学になり、新しく仲良くなった顔は可愛いが体はムキムキの山田。

顔面が沼から出てきた妖怪みたいな松田。

プラス俺というメンバーだった。

みんなで夜ご飯を食べに行ったり、近くの大型ショッピングセンターのゲームセンターで遊んだり、偶に学校で鬼ごっこやイタズラをしたりして怒られたり、中学生になってからは日々楽しく過ごしていた。

俺はその中でも空手の道場が一緒だった新田と新しく仲良くなった山田とは帰り道も同じ方向なこともあって特に仲良くしていた。

夏休み直前、そんな2人に彼女ができた。

もうすぐ夏休みだというこの時期に最初の事件が起こった。

俺たちのグループが窓際で話をしていると学校の前に子供を自転車の後ろに乗せた母親がスマホを操作しながら自転車を運転をしていた。

もうすぐ夏休みということで浮かれていたのか縦島と大谷がその母親に向かって

「ながら運転はダメですよー」

と窓の外に叫んだ。

2人は特に何も起こらずその母親が通り過ぎて行くと思っていたのだが、その母親はその叫び声に反応し自転車を止めた。

予想外のことのその2人は母親から隠れるように窓の下にしゃがみこんだ。

そしてその行動を不審に思った母親は学校のインターホンを鳴らし校内に入ってきた。

その母親は校長や担任の先生が対応し帰っていったがもちろん今回の件について説明するようにと俺たちのグループ6人は校長室に呼び出された。

俺たちが席に着くと担任の先生と校長が

なぜいきなり外に向かって叫んだのか、なんと叫んだのかについて説明を求めてきた。

母親はスマホでマップを調べながら自転車を運転していたところ、いきなり学校から叫び声がしてその声の方向を見ると、生徒が笑いながら隠れたことから自分に対して悪口を言ってきたのではないがということで学校に乗り込んできたらしい。

大谷と縦島は叫んだ内容となぜ隠れたのかについて説明した。

校長と先生はそんなことをする必要はなかった。叫ぶこと自体がまずおかしいし、隠れるのもおかしい。と2人にしっかりと注意をし我々はそろそろ開放される雰囲気へとなっていた。

しかし、話題は思わぬ方向から飛んできた。

2人への注意が終わると担任の先生からあともう一つ気になることがあるんだが、と次の話を提示された。

「これまでも近隣の方から学校から叫び声がしてうるさい、というクレームがあってだな。それもお前たちが叫んでいた、というのをクラスの何人かから聞いているんだがそれもお前らか」

これまでも今回のようなクレームはあったらしく、

近いうち一度話を聞こうと思っていたらしい。

俺たちは身に覚えがあり、黙っていると先生がため息をついて話始めた。

「松田、お前がよく窓の外に向かって叫んでいるというのはクラスの子から聞いている。なんで叫んだんだ。」

そう聞かれても松田は何も答えなかった。

やがて下校時間となり松田以外の俺たちはとりあえず今日のところは帰ることになった。

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