第伍話 決戦
今回も読んでくださりありがとうございます。
僕は、魔王ンダボレア=マジク=エレキデスと友達になった後即座にヴィルヴァントリさんの家に帰宅し戦の準備をした。
「御主人様、何かありましたか?」
「魔法師教会と魔王軍の戦い。というか、元凶は僕らだけど」
「なるほど、ではお供いたします」
「願ってもない」
「私も連れていってくださいます?」
「ブレミクセさん!よろしいのですか?」
「勿論、友人が困っていたら助けるのが普通ですから」
「ありがとうございます」
何かと恵まれた仲間だ。マリ以外は。
今のところマリが起きる様子もない。
もう、あいつのことは忘れよう。
とはいえ、魔法師教会連中がどのくらいの実力があるのかが分からないぶん準備は周到に行うべきだな。
「御主人様、私達は先行して偵察を」
「二人で大丈夫?」
「はい、ドラゴンと半霊半人ですよ」
「まあ、よっぽどのことがないと二人が負けることもないか」
「ええ」
「じゃあ、任せる。ブレミクセさんもお気を付けて」
「お嬢様、私は如何しましょう?」
「この家を護衛しておいて」
「はっ、了解しました」
「では」
「お気を付けて」
そういい、僕らは別れた。
その数分後、魔王軍が到着したため僕は魔王とともに魔法師教会討伐をしに行った。
そこで見たのは衝撃の光景だった。
偵察に行った二人が捕まっていたのだ。
「ふっ、ドラゴンといえどスパイダーヘルズにはかなわんようだな」
「そこの人、お前の負けだ」
「貴様がイグナスとやらか」
「ああ、そうだ。お前らが魔法師教会で良いんだな」
「ふっ、その通り神より賜りしこの力見せつけてやろう。【プラチナムアロー】」
おっ、プラチナムアローか中々面白い魔法だ。確か能力は金属で出来た矢を広範囲にばらまく魔法だが、僕には通用しない。【ヘルフレアベアレア】
「なに!我らの最上位クラスの魔法を掻き消しただと!」
「残念ながら神より賜りし力とやらは通用しなかったみたいだな」
「ぐぬぬ、仕方無い。召喚魔法発動ファランクスよ、信心なき輩に鉄槌を!」
[ミコトさん、お任せを]「エアリエルさん、よろしくおねがいします」
[はい。神の遣いたる聖霊の力みせて差し上げましょう。【ファイウィンドブレード】!]
「ファランクス、あんなもの消せ!」
「さてと、私も手伝うのだ」
「魔王ンダボレア=マジク=エレキデス!何故、そんなものを手伝うのだ?」
「そんなこと。貴様は分からんのか。やれやれ、友人の危機に助けに行くのは友人の特権なんだよ!」
偉そうに言ったがまあ、普通と言えば普通なことだ。
「お戯れを」
「事実なのだ。我、魔王ンダボレア=マジク=エレキデス、このミコト=イグナスと友人の契約を結んだのだ」
「仕方あるまい、最高司祭様から頂いたデスウォームを発動してやろう」
「おっと、そうはさせないのだ、【グラエリバルス・ヘルアギト】」
なにそれ!
「ガハッ、くそ、なんだその魔法は!?」
「この魔法は、物凄い力を目標にかけつつ上からヘルフレアを装備させたアギトを落とす技なのだ。即興で作ったから威力が微妙なのだ」
それ、即興で作ったのかよ!
「ありがと、ンダボレア」
「当然なのだ、友達だからな!」
「それはそうと、宴は後回しだな」
「そうだな、まずはこのウザったい奴らを倒してからだな」
【ヘルフレアアロー】
「いきなりやり過ぎだって」
「こんぐらいどうってことないだろ」
「見ろ、ほとんどいなくなってるけど?」
「それは、人間が弱いだけなのだ」
「まあ、僕もそん位やるきだったからいいけど」
【焔之舞】
【風雲児】
「おいおい、そう言ってたミコトだってやってるじゃないか」
「ごめん、思わず」
「それより、捕まった馬鹿の救出は?」
「ここ任せても大丈夫?」
「ああ、我は魔王だぞ」
「じゃあ、頼む」
「頼まれたのだ」
そう言い僕はブレミクセさん及びバレリントスの救出に向かった。
「バレ~、ブレミクセさん~、大丈夫?」
「御主人様!」「ミコトさん!」
「無事そうだね。良かった。敵の処理に手間取ったから遅くなった」
「いえ、そこはまあ、どうでもいいんですけど。何故ここに来れたんですか?」
「というと?」
「だって、ほかの敵がいるのに…もしかして魔王様ですか?」
「当ったり~!」
「なるほど、で、私達も加勢、というかこの方たちを撥ね退けないと先にはいけそうにないですね」
「精々、あの世で懺悔なさい。【風神之怒】」
「ブレミクセさん、いきなりやりすぎでは?」
「そういうミコトさんとて焔之舞と風雲児を使っていましたよね?」
「ぐぬぬ、そう言われると反論出来ない」
「御主人様、敵の増援です」
「ならば、バレ、出番だよ」
「よろしいのですか?」
「まあ、僕が絶対倒したい相手はもとより存在してないし」
「では、容赦なく。貴様ら、聞いたな。誇りある我に殺される事に感謝するがよい。【ドラゴンエヴォス】!」
「流石、ドラゴンだわ」
「いえ、御主人様ほどでは」
「そうですよ、貴方の魔力量は桁が普通より一桁多いんですよ」
「まあ、そうですけどブレミクセさんもおんなじくらいあるんですから」
「そういうのが駄目なんですよ」
「そうなんですか、って。あいつら普通今殺ろうとするか?」
「まあ、一応戦場ですし」
「ミコト~、大丈夫?」
「おう、無事だ~」
「誰ですか……って魔王ンダボレア=エレキデス!?」
「えっ、まじですか?」「いくらなんでもそれは……」
二人とも茫然自失になっている。
「ミコト、その二人担いでフライ使える?」
「まあ、行けるけど…何する気?」
「軽く五千アル×五千アルを焼くだけだから」
「軽くじゃないよね!?」
「いや、こいつらを一掃しないことには宴会の席がもうけられないではないか」
「そう言う問題じゃないけど」
「良いのだ、良いのだ。私が良いって言ってるから良いのだ」
「分かった、この二人担いで上がるから十秒待って」
「早くな」
「分かってるから急かすなって」
何かと二人を担ぐの大変だな。何せ、ドラゴンは重い。ブレミクセさんはめっちゃ軽い。
「よし、ではいくのだ。【超電磁散砲】」
「ちょっと、やりすぎじゃない?」
「だーかーら、私が良いって言ってるから良いのだ!」
「というか、この二人降ろして大丈夫?」
「その二人が大火傷してもいいなら」
「遠慮します!」
ンダボレアが言い切る前に言った。
「んあ、御主人様?」
「あっ、やっと起きた」
「何かあったんですか?」
「何かあったというか、何かやったの方が合ってる気がする」
「といいますと?」
「その前に今翼だけ生やせる?」
「はい。出来ますが?」
「じゃあ、とりあえず僕の肩の骨を折る前に降りて」
バレリントスは僕の肩の方を見て「すいません」といって降りた。
というか、ドラゴンって人の姿で翼生やせるんだ。結構初耳。
「どうかしました?」
「いや別に」
「じゃあ、魔王城で宴会だ~!」
両手を上げながらンダボレアが言った。
「ん、ミコトさん?」
「そうですよ」
「私は、えーと、魔王ンダボレアを見て。そうだ、魔王ンダボレア様を見て驚いて気絶したんだ!」
「あっ、すいません、重かったですよね」
ブレミクセさんが言ったが僕からすれば重いのはバレリントスでありブレミクセさんはめっちゃ軽い方に分類できる。何なら、荷物のが重かった。
「降りた方がいいですか?」
「フライを発動して空中浮遊してください」
「分かりました」
まあ、その後僕らは魔王城に行った。
「皆さん飲み物を用意してくださ~い、では、ミコトと私の勝利を祝してかんぱ~い」
「かんぱ~い」
「ミコト、少し話があるから後で私の部屋に来るのだ」
「分かったけどどうかした?」
「とりあえず、宴会が終わってからなのだ~」
というか、ンダボレア完全に酔ってんな。
ちなみに僕はギリギリ未成年なのでレモンスカッシュだ。
他は、大体レモン酒だ。ブレミクセさんに関しては半霊半人なので関係無しだ。
何故レモンばかりなのかというと魔族の土地の特産品がレモンとハーブだから安く買えるから大体の料理にレモンかハーブが乗っている。
「御主人様、私が此処に居ても良いのでしょうか?」
「良いんじゃない」
「ですが、私は御主人様の足を引っ張ってばかりで」
あー、ヤバいバレが悲観し始めた。バレって、地味にマイナス思考が強いんだよな。
「バレリントス、私が保証しよう。お前は強いのだ」
ンダボレアが勝手にバレのことフォローしてるけど論点が違う。
「強くても御主人様のお役に立てなければ意味がないんですよ」
「バレ、取りあえず外の庭園に歩きに行こ」
「はい、御主人様」
「ンダボレア、と言うことで私達は外出し~ます」
「分かったのだ、三十分後に私の部屋だぞ」
「分かった」
僕らはそう言って一旦別れた。
次回も、是非読んでください。
よろしくおねがいします。