第参話 身分の違い
今回も読んでくださりありがとうございます!
僕は、寮まで帰るとブレミクセさんの部屋まで行った。
「朝早くにすいません」
僕は、ノックをして短く言った。
「ふぁーい、だれですか~?」
「ミコトです」
「どうぞ~」
僕は、ドアを開けて部屋に入った。
「ブレミクセさん、使い魔……は……」
「うわっ、何でミコトさんが居るんですか!」
入るとそこには下着姿のブレミクセさんが立っていた。
「いや、貴女が良いですよーって言ったから入ったんですよ」
「ん~、寝ぼけてましたね」
「とりあえず、服着てください。話はそれからです」
「あっうん」
二人とも赤面して言った。
「お嬢様、入りますよ~」
「あっ、おはようございます。リバエルさん」
「おはようございますにゃ、ミコトさん」
「あら、おはようリバエル」
「おはようございますにゃ、お嬢様」
「というか、にゃんでミコトが居るにゃ?」
「そうそう、色々あったせいで忘れてた。ブレミクセさん使い魔は?」
「リバエルです」
「もしかして、猫になれるとか?」
「ご名答にゃ」
「そうです、リバエルは猫変化出来ますので使い魔として活躍して貰います。」
「まあ、ならよかったです」
「そう言えば、ミコトさんの使い魔は?」
「あっ、そういえばそうにゃ」
「バレ、来て良いよ」
「分かりました、御主人様」
「このかたが?」
「ええ、バレ自己紹介して」
「はい、バレリントス・ベリクーリ種族はドラゴンです。」
「ど、ドラゴンですか」
ブレミクセさんは少し驚いたように、リバエルさんに関しては「これは、夢にゃー」とか言っている。
「まあ、良いんじゃないですか。多分」
「そうにゃ、ミコトにゃら大丈夫にゃ。多分」
「何故、口々に多分を付ける」
「それは…」
「不安だから?」
「不安って」
「御主人様、口を挟んで宜しいでしょうかか?」
「なに?」
「えーと、私は基本的に服従しますよ。角を触られましたし。」
「角触ったんですか!」
「ええ、そうだけど」
「やっぱり貴方は賢いのやら馬鹿なのやら」
「えーと、僕何かしました?」
「お嬢様、そろそろ」リバエルは短くそう言うと猫に変わりブレミクセさんの後ろに座った。
「そうね、初日から遅れてはいけないもの」
「そういや、そんな時間か」
【テレポート】
「此処は?」
「教室ですよ」
「というか、おんなじクラスだったんだ」
「ええ、まあ」
「席は自由みたいだね」
「みたいですね」
僕は、最寄りでドアよりの席に座り軽く教科書のようなものをパラパラめくってみて。
簡単すぎないかな?と考えるほどレベルが低い。
内容はこんな感じだった。
《魔法は魔力を使い発現するもので魔力を使うには身体の奥底にある魔基により造り出される。魔法を行使できるものは魔族・聖霊・ドラゴン・人間(一部のみ)とされている。
また、人間の魔力量は平均して七百程度されている。》
僕は、思わず溜め息を吐いた。
僕は、念のために魔法のための本を買っておいたのだがそちらの方が高度なことを書いている。
そんなことを考えていると赤髪の女性が入ってきてこう述べた。
「皆さん、おはようございます。今日から一年A組の担任になりましたヴァンベル=スタルと申します。宜しく」
「では、授業を始めたいと思います。教科書二ページを開いてください。」
僕は、二ページを開けた。
簡単とかそんなレベルじゃない。常識だ。
「このページは非常に重要です。よく覚えておくよう」
「では、四ページにある魔法障壁の練習をしたいと思います。皆さん出きると思いますが」
魔法障壁なんて、弱すぎる。使うならガードオブエレメントを勧めるんだが。
「では、開始してください」
【魔法障壁】【エンチャント】【多重障壁】
僕は、魔法障壁を展開した後にエンチャントで多重障壁を展開した。
「イグナス君でしたか?意地張らなくて良いんですよ?」
「先生、一つ言わせて貰います。他の生徒の魔法障壁を見てください。ファイヤアローを当てられるだけで崩れますよ」
「では、やってみなさい。」
先生はそう言うと一人の生徒を選抜して僕の前に出した。
「エレガン君魔法障壁を舐め腐っているイグナス君に見せてあげなさい。」
「はい、分かりました」
「エレガンだったか?行くぞ」
「ふん、幾らでも射ってこい」
「では、【ファイヤアロー】」
激しい轟音と共にエレガンは壁に叩きつけられていた。
「イグナス君、誰も此処までやれとは言ってませんよ。治療費は貴方もちですよ」
「その必要はありません。【エレクトロ・フィール】」
「これでちゃらです。」
先生は悔しそうに「貴方の実力は認めます。ですが、思い上がらないことです」と言って教壇に戻った。
その後、つまらない授業だな~と思いながら全ての授業を受けて寮まで帰った。
「御主人様、あの教師どうお思いになりますか?」
「さあ?」
「私には、どうにも怪しく見えるのですが」
その時だった。ノックがなり、女性の声が聞こえた。
どうも、ブレミクセさんではなさそうだ。
「はい、どちら様でしょうか?」
「あ、あの、私同じ組のニコン=デヴァンと言います。少しお話があるですがよろしいでしょうか?」
僕は、怪しみながらも取りあえず、ドアを開けた。
そこには、銀髪の少し背の低めの女性と金髪の背の高い女性が立っていた。
「ニコン、こいつが?」
「お姉ちゃん、失礼だよ本人の目の前で。すいません、こんな姉で」
ニコンは、申し訳なさそうにこちらに言った。
「で、立ち話もなんですし中、入ります?」
「まあ、そうするわ」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「どうぞ」
僕は、そう言って二人を中にいれて紅茶を注ぎ二人に出した。
「何にも入ってないでしょうね」
「入ってませんよ」
「まあ良いわ、それで私の支配下に入らない?」
「はっ?」
「ミコトさんすいません、えーと、お姉ちゃんは二年生なんですけどそこで部活をしてましてそこに入らないかってことです」
「もし、入らないと答えたら?」
「無理やり入れる」
「じゃあ、闘技場まで行きましょうか」
「そうね、此処で魔法を使うわけにも行かないし」
僕らは闘技場まで行き、「用意は?」と聞きニコンのお姉さんと言う人物は「ええ、大丈夫よ」と言ったので僕は、早速【エクストリーム・ガード】を発動した。
戦闘を始める前に防御系魔法を発動をするのは戦闘のシナリオだ。
「さてと、おとなしく支配下に入るのも選択だと思うけれど?」
「お断りします、僕も考えがあるので」
「あら、そう?意外と頭の方は弱いのね。フフッ」
「貴女の方こそ魔法の腕は僕の方が上かもですよ?」
「たかだか、十四歳に負ける私ではないわ」
だんだん、口論になってきた。
「では、実力で測りましょうか」
「まあ、私が負けるわけ無いけど」
【エクスチェジ・エレストロフ】
【フライ】【エクスプロージョン】
終わった。呆気なく勝ってしまった。
「御主人様~、ブレミクセ様がお越しなっておりますが~?」
そんなことを考えているとバレリントスが飛んできた。やっぱ、ドラゴンはデカイ。
「直ぐ行くって伝えといて~」
「はい、分かりました~」
「あの~、お姉ちゃんが失礼しました!」
ニコンはペコペコと頭を下げて、彼女の姉をつれて寮へと帰って行った。
さてと、僕も帰らないとな
帰ったら新しく買った本読も。その前にブレミクセさんの接待か。
「遅くなりました~」
「こんばんは、ミコトさん」
「こんばんは、それで用件は?」
「実は、今魔法師教会がこちらに押し掛けていまして」
「何故?」
「原因は…貴方です」
「僕が、ですか?」
「はい、貴方が教室で吹っ飛ばした彼のご両親が魔法師教会の幹部だったようで」
「また、面倒な者をやってしまったみたいですね、御主人様」
「なるほど、で僕にどうしろと?」
「魔法師教会から逃げてください」
「確かに魔法師協会を敵に回すのも厄介そうですけれども、知り合いの知り合いに魔族の方がいるときいていますので少しそちらを当たってみます」
「それと、私もミコトさんと一緒に行きたいのですが」
「ですが……」
「駄目……ですか?」
「ま、ブレミクセさんに危害が及ぶ可能性を考えると連れていかざるを得ませんが」
「ありがとうございます」
[聴こえていますか?]
「エアリエルさん!」
[貴方も悪運が強い方ですね]
「母様!」
[ブレミクセ、ミコトさんに協力して差し上げて]
「母様、どう言うことでしょう?」
[その辺りはミコトさんにお聞き]
「はあ、流石ですね。エアリエルさん、全部分かってたんですか」
[ウフフ、まあこれでも、聖霊の女王ですから]
「まあ、説明はしますけれども。」
「それで、ミコトさん。どういうことですか?」
「取りあえず、僕は例の知り合いの家に行って魔族の位置を把握します。その後、ブレミクセさんを連れフライの魔法でここを離脱、そのままあーと、ブレミクセさん魔族の土地までの行き方知ってますか?」
「一応、少し遠回りですが」
「では、続きを。そのまま、貴女の案内で魔族の土地へ。こんな感じですがどうでしょう?」
「知り合いの家にミコトさんが行ってる間は?」
「その間に出発の用意を」
「分かりました、ではまた後で」
そういい、ブレミクセさんは窓からフライで外に出て自室へと戻った。
僕は、知り合いの家までテレポートで行った。
「夜遅くにすみません。ギルファルドさん」
「なに言ってんだよミコト、昔からのよしみだ。何でも聞いてやる」
「ギルファルド、確か魔族に知り合いいるって言ってたよね?」
「ああ、ヴィルヴァントリ=ギッマソスだ、それがどうかしたか?」
「その魔族の人の家教えてくれない?」
「まあ、ミコトいいがよ。どうしたんだ?」
「色々あって魔法師教会に追われてる。」
「つまりは逃亡先ってことか?」
「その通りだ」
「全く世話のかかる奴だな」
そう言うと紙に羽ペンでなにかを書き始めた。
「ほらよ、これが例の魔族の住所だ」
「わざわざ羊皮紙なんか、いえ、ありがとうございます。この恩は忘れません。そちらに何かあれば手伝いますので」
「おう、頼むぜ。あと、魔族の奴には伝えといてやる」
「重ね重ねありがとうございます」
僕は、そう言ってまたテレポートで寮まで帰り荷物を持ったときの出来事だった。
次回からは魔族の土地編です。
今後も読んでくださればありがたいです!