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チート魔女の僕は世界を改変しました  作者: 五月メイ
第二の学園生活!と思っていたのですが…編
13/16

第拾弐話 精霊賢王

今回も読んでくださりありがとうございます。

二月になりました。今月も頑張りましょう!


呪文の詠唱とか初めて見たかもしれん。というのも、魔法の詠唱は種族にかかわらず本気の時に出す必殺技みたいなものなので見ることはほぼない。

つまり、ンダボレアは本気またはそれ以上で殺しに掛かっているということだ。ンダボレアがそこまで本気なる理由は分からないが手伝ってくれているだけ良いことにしよう。

しかし、本気の猛攻も奴らの前では徒労と化した。

なんと、奴らはンダボレアが放った魔法をモロにくらっているにも関わらず数名が戦闘不能になる程度の損害ですんでいる。要するに今までの敵の質が違う、もはや英雄級に匹敵している。僕は、いや、この場に居たこちらサイドの者は悟った奴らに勝つのはほぼ不可能だ、と。

「魔王ンダボレア、貴様の本気はこの程度か?」聖典の最前列に立っている男が一言、言う。

「ミコト、我に何かあったら頼む」

「何言ってんの?」

「我が死んだらこの国は任せる」

「まず、死なないようにすることが先でしょうが」僕は呆れ顔で言う。

「我の友は案外優しいようだな」ンダボレアも笑いながら言う。

「案外は余計だ。まあ、今からは慈悲をかける気はないけど」

「そうだな、では本気で行こうか」

[ミコトさん、私たちも尽力いたします。少し身体をお借りしますよ]

「分かりました、エアリエルさん頼みます。聖霊三王の方々も」

[お任せを]その瞬間、僕の意識は無くなり代わりにエアリエルさんが身体の操作権を取得した。僕は、見ているだけ。

「ミコト?」

「今は、エアリエルとお呼びください」

「なるほど、奥の手だな」

「ええ、では惜しみ無く行きましょう。[私はエアリエル。聖霊を纏めし者、私の願いを聞き私の敵を討ち滅ぼしたまえ、デイスプリトーラム]!」

いきなり本気でかかりすぎじゃ……、まっ、なにもしないよりいっか。

「流石、聖霊女王。負けてられないな。[我、神に祈らん。全ての者を滅ぼす力を我に与えたまえ、グレヴァリストアリトーメントリングス]」

ンダボレア、ついに化け物と化したか。今はそっちのが良いけど。

「[我、聖霊の長。万物を切り裂く力を我に与えたまえ、エアリエルカッター]」

やばい、この戦場、修羅場何てもんじゃない。地獄だ。

「[我、聖霊女王に懇願す。彼の者を討ち滅ぼす力を与えたまえ。承認したまえ我が名はフォレスター]」

あいつ、目の前にいる奴に懇願しやがった。絶対、拒否されるだろ。

「[フォレスターの懇願を拒否する!]」

あーあ、予想通り。

「クソッ、聖霊も奴らの味方か」

[ミコトさん、そろそろ]

「はいよ」

「ミコト、あれを!」

「はーいはい、スキル発動《位相空間》強制召喚[暗澹聖典]」

というか、大分今さらだけど計四回連続で魔法の詠唱見てるじゃん。レアだなー。

「ミコト、気張っていこう」

「はいよ、スキル内発動【エクスプローラ】」

「私も、【時間停止】【ナイフザダンス】【停止解除】」

「片付いた…のか?」

「あれだけ、攻撃を当てたのだ」

「あら、油断は禁物って知らなかったかしら?」

「このタイミング、貴様やはりあちらの手の者になったか」

「ええ、魔法師教会。あそこは良いわ~。ご飯にも困らないもの」魑魅はそう言いながら舌舐めずりをする。その時、背筋が凍りそうになったのは僕だけではない。

「ミコト、私ではどうしようもなさそうなのだ」

「素直に助けってって言えば?」

「そうだな、ミコト助けてくれ」

「はいよ、【妖術発動 死への恐怖(フィーロアデス)】」

「くっ、なにこの妖術は。身体が溶ける」

「魑魅、貴様は間違いを犯した」

「なによ?」

「簡単だ、怯えを見せた」

「どういうことよ?」

「言われて分からんのか?まあ良い、貴様はンダボレアが僕に助けを求めたとき逃げようとした。それだけだ」

「怯えなんかだしてないわ」

「この妖術は怯えているものにしか効果がないんでよ」

「なっ、この私が怯えるはずなんか。ウッ、この程度で、死なない、わ…」そのまま魑魅は落ちていった。

「さて、あいつらのが問題だな、この数分で体制を立て直しやがった」

「とんでもない回復力だな」

「ああ、これはやばそうだな。援軍を待つ余裕もなさそうだし」

「仕方ない、あれを使おう」

「ンダボレア、あれって?」

「見とけ。【神器 幸弓 ブランチ・ハピネス】」ンダボレアがそう言うと光の弓がンダボレアの手に出てきた。

「ンダボレア、神器って」

「その解説は後回しだ。【神よ、我に彼の者を倒す力を。ベアレントショット】」まあお察しの通り、威力は頭三つくらいずば抜けている。

「僕も負けてらんないし。やりますか。【海の妖精よ、山の龍よ、空の支配者よ。我に力を貸したまえ。パレスト・ヌチラレー】」

「貴様らの攻撃なんぞスレイベガの加護を受けた我には通じんわ」またまた、一番前の男が言う。

「スレイベガ!?」スレイベガ、魔法師や魔女が使う妖精や精霊の隠語だ。精霊といっても聖霊とは違う。精霊は聖霊と違い契約も加護の誓いも行わない種族として知られている。そして、隠語を使う理由は彼らが精霊などの名前で呼ばれるのを好まないためである。ちなみに隠語は複数あり『隣人』や『スレイベガ』『小人さん』などが一般的な隠語だ。

「ミコト、一時撤退だ」

「どうして?」

「奴はスレイベガの加護と言っている。事実かどうかが分からん以上これ以上攻撃をして魔力を無駄遣いするのは良くない」

「確かに、でも奴は?」

「それが問題だ。ここまで入ってきたところを見ると国境警備隊を突破したのだろう。国境警備にはエリートを振り分けていた」

「なるほど、それはやばそうだ。ちょっち待って」僕は、エゴノミクストの部屋に入るための魔方陣を予め書いた紙を取り出し。【賢者のとものためこの門を開けたまえ】と一言。これで、勝ったも同然。エゴノミクストの部屋に転移する。

「ミコト、どうかしたかの?」相変わらずの人形のような顔で聞く。

「いや~ちょっとイザコザがね~」

「ああ、魔法師教会と言う奴らか」

「当たり、というかンダボレアさ~ん」

「なんだここは?」

「ああ、ここは賢者エゴノミクストの書庫。奴らは入れない」

「なら良いのだが。賢者エゴノミクスト、少し本を読ませてくれ」

「ああ、良いぞ。本が取れなかったらそこにいる小悪魔を使え」

「恩に着る」そう言って、目をキラキラ輝かせながら本を片っ端から読んでいる。

「で、ホントに何が?」

僕は、今までの経緯を包み隠さず一から十まで解説した。

そして、ンダボレアがこちらに戻りお茶を飲もうとしていたときのこと。

壁からバキッと鳴ってはいけない音が鳴ったのが聞こえた。

最悪の事態、暗澹聖典の乱入だ。

「なんだ貴様ら?」

「賢者エゴノミクストか、率直言う。その者を引き渡せ」

「そんなことを許容するとでも?」

「エゴノミクスト、知り合い?」

「いや、私の、ではない」

「?」僕の頭の上に浮かんだはてなマーク、それはすぐ消えることとなる。

「ふー、下界はさむいね」

「久しいな」

「で、なんで君がここまで来ているんだい?」

「さあ、吾輩にも預かり知らんわ。修正能力を持った人など聞いたこともない」

その間、僕は目を疑った。何故なら、空間の支配者が目の前でエゴノミクストと会話している、その光景に。

「で、貴様の目的はこの小僧か?」

「ああ、それさえ渡してくれれば」僕は、その言葉を言い切るより前に吐き捨てた。「人間風情が」と。もちろん意図して言ったわけでもない。どちらかと言うとエアリエルさんに支配権を貸したときのような感覚。

「なっ、精霊!」

「ええ、私どもからすればこの子以外はどちらでも良いのよ」

「エゴノミクスト、我は帰らせて貰おう」

「あらあら、事の元凶を逃がすとでも?」

「それもそうか」

「さて、エゴノミクスト及び暗澹聖典の皆様お久しぶり。現精霊賢王ラバリンヌグリトースエジィ=ヴォレスト=ネマヌフォーリッジ。参上つかまつったわ」その『精霊賢王』は僕の身体を使い喋り続ける。到底、僕が拒否できる類いのものではない。と言うよりも、拒否すれば自分が死ぬ。そのレベルの強さだ。

「賢者エゴノミクスト=アヴォアレリスト、御身の前に」エゴノミクストが丁寧に精霊賢王に礼をする。その後、膝まずく。

「四大支配者空間担当支配者、アヴォアレリスト=フォンデ=グレンフォール、御身の前に」

「現魔王、ンダボレア=マジク=エレキデス。御身の前に」

「暗澹聖典、聖典長、ヌエーリング=ヴェロリスク。御身の前に」

ものすごい光景に僕は、ポカンとしていた。そう、僕がポカンとした光景それはこの場にいる全ての生物は全員僕(精霊賢王)に膝まずき頭を垂れていた。

「よろしい、それで何故Dは君達を?暗澹聖典の聖典長」

「私は何も――」先ほどまでとは違い緊張なのかは分からないが声を出すのが精一杯と言うことが声越しに伝わってくる。確かに、今までの敵のオーラ何かより倍濃く、レベルも違う。つまりは、この目の前で膝まずいている彼らは全員この精霊賢王よりも弱いと言うことだ。

そして、それは突然のことだった。精霊賢王がこちらとコンタクトを取ったのだ。それも、僕の眷属のような口調で。

[ミコト=イグナス様、御壮健そうで何よりでございます。御身の身体を寄り代とさせていただいていますこと誠に感謝しております。窮屈なことは分かっております。しかし、しばし御待ちいただけませんでしょうか?]

「ごめんなさい、僕精霊賢王なる方との面識が……」そえ、僕は記憶に有る限り誰かを配下に加えたりはしていない。バレは別として。ついでに言うと命運の書にもそんな記述は無かった。

[なっ、そんなイグナス様が謝ることなどございません。で、面識がなかったのでしたよね]

「はい」

[では、説明させていただきます。まず、貴方は人間の国で出生されます。次に母親及び妹様を殺されます。この間に私は一度だけイグナス様と会話しました]

ドラゴン騒動の時か?確か、エアリエルさんが助けてくれてその後数分くらいよく分からないところにいたんだったか?うん、何か思い出しちまった。そうだよ、あん時じゃん!

「もしかしてあの夢空間の?」

[覚えてくださっていたとは光栄です。そうです、あの時は私自身に色々事情があったせいであのようなところで会合になりましたが]

確か、会話の内容はざーっくりこんな感じ。


ここは夢空間でーす。貴方は未来の神でーす。以上。


何?短すぎだアンポンタン?知らね~よ。急に神だとかなんだとか言われて分かるかよ!

「ネマヌフォーリッジ様?どうかされましたか?」外からンダボレアの声が聞こえる。

「ああ、すまない少々考え事だ。さて、私はこれまで無干渉を貫いていたつもりなだが、少し、干渉をしていたらしい」

「?」全員の頭の上にはてなが浮かんでいることだろう。

まあ、結論から言うと何がどうなってんのか理解不能。

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