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プロローグ

僕は、ミコト=イグナス十四歳だ。

僕らの住む共和国にはある一つの儀式に近しいものがある。

それが、『魔力測定』この測定は十四歳の時に測定し測定をしてある一定の魔力を出せば《共和国立魔法師高校》へと進学することができる。しかしながら、魔力を持っていること自体が稀有な例なので魔法師など見ることの方が少ないとされている。

もちろん、魔法師高校もタダで入れるわけもなく筆記試験・魔法適正検査・実技試験を乗り越えた者が入学を許可される。

よって、魔法師自体が少なくなるのだ。また、魔女になるというケースも珍しく魔女になるには魔女に認められ魔記を渡されれば魔女になることを許される。しかし、魔法師高校を主席で卒業しなければ魔女になることを許されはしない。

よって、『魔女』というのは魔法を使うものの頂点なのだ。

そして僕は今日、魔力測定に挑む。

「ミコト~起きてる~?」

「…ん、起きてるよ~、ふぁ~」

僕は、大きなあくびをかきながら部屋から出てダイニングへと行く。

「今日はギルドにいって魔力測定よ、気張って行きなさい。」

母さんはゆったりとした口調で言葉を進める。

「分かってる、歯磨いてくる」

「はーい、あとご飯はパン焼いといたからね~」

「分かったよ、母さん」

僕は、歯を磨き、パンを咥えて「行ってきまーす」と言い二階にある玄関から出ていく。

ギルドは大きな建物で流石に王宮程ではないけど王宮の次くらいに大きな建物だ。

ギルドに着くと僕はいつも思う。

いつ見ても立派な建物だ。

「この先が魔力測定の会場で~す。測定を受ける方はこのまま突き当たりまでどうぞ~」

僕は、案内されるがままに会場へと行った。

「はーい、次の方えー、五十八番の方いませんか~?」

僕は六十番なので後二番で順番だ。

「五十八番の方は、いらっしゃらないようなので次、五十九番の方~」

魔力測定はすごく簡単で指先を少し切って神苑の鏡に垂らすと数字が出てくる。で、それをギルドの人が記録用紙に書き写して、水晶盤に再度書き写すだけだ。

「六十番の方~、どうぞ~」

呼ばれたので僕は歩いて垂れ幕の中に入る。

「ミコト=イグナスさんですね?」

「はい」

「では、指先をこのナイフで少し切って下さい。」

「はい」

ブシュ!

「キャ!」

指示していた女性の甲高い悲鳴が聞こえた。

「あの、どうかしまし…た…か?」

僕は、自分の指先を見て絶叫した。

いや、正確には大量の血を見て声にならない悲鳴をあげた。

「直ぐに医療師を!」

「はい!」

「医療師到着です!」

「手を見せてください。あー、取りあえず治癒魔法を軽く掛けますのであまり激しく指を振らないで下さい。傷が開きますので」

「はあ、御迷惑お掛けしました。医療師さん」

「いえいえ」

そういうと医療師は去っていった。

「あっそうだ。結果は?」

「えーと、一十百千万、十万百万千万、一億…」

「三億五千四百五十三!」

「……は?」

「えーと、ですから貴方の魔力は三億五千四百五十三です。」

「で、これから僕はどうすれば?」

「一応、魔法師高校に入れますが如何します?」

「取りあえず試験は受けましょうかね」

「では、水晶盤に写しておきますね」

そう言うと指示していた女性は一つの透明の板を机の引き出しからとりだし何かを唱え僕に渡した。

「はい、これが貴方の水晶盤になります。この水晶盤は成長と共に数値も更新されますので時々確認してみてください」

「分かりました、では、失礼します。」

僕はそう言い帰路へと着いた。

しかし、人生はそう甘くはないもので途中でドラゴンが街中に入ってきた。

まあ、僕も魔法は一つだけ使える。

だが、そんな何も学んでいないただひとりの少年にできるはずもないと諦め逃げようとしたそのときだった。その、真っ赤に染まるドラゴンは僕に向かい火を噴いた。

きっと、僕の危機感によるもの何だろうが僕はドラゴンに向かい風の最上位魔法【エクストリームストーム】を発現した。

誰もが息を飲んだ。

そう、たった一人の少年から兵をも軽々とあしらう巨体をも飲み込む嵐が発生した光景に。

ちなみに僕が使える魔法は神体化のみこんなちゃっちい魔法ではドラゴンを殺すことなど出来はしない。

「そこの少年!何をしている!」

「僕はただ身を守ろうとしただけで」

咄嗟に答えた。

[こんにちは、ミコト=イグナス、私は風の聖霊の女王エアリアルです。失礼ながら、私の力をあなた様に付与させて頂きました。]

決して幻聴などではないしっかりと耳の横で囁く声がある。

「すみませんが、力を付与、というと?」

[あなた様の能力であれば適応可能でしたので私があなた様に宿り実行いたしました。また、あなた様はどうやら私の声が聞こえる聖霊術師の様ですね。]

「僕が?」

[はい、聖霊術師は一億人に一人居るか居ないか程度の存在です。なおかつ、私達の力をもろ発揮できる方なぞ私は一人しか知りません。]

「その一人と言うのは?」

[それは貴方と契約を結んでからのお話しといたしましょう。では、また、契約を結びたければ此処より三千先にある聖霊皇山へ御越しください。お待ちしております。]

「えっ、ちょ!エアリアルさん!」

「おい、お前誰と会話している!」

「すみません」

「お前、魔法師高校生か?」

「いえ、私はまだ魔法師高校生ではありません」

「まだ、ということは魔力測定後の十四歳か」

「はい」

「まあ、ドラゴンを殺したから今回はお咎め無しだが気を付けたまえ」

「失礼しました」

「ではさらばだ」

そう言い僕はまた帰路へと着いた。もちろん、今回は何事もなかった。

「ただいま~」僕は一言そう言い家にあがる。

しかし、家はいつになく静かだ。

「おーい、母さん~ミネラ~何処だー?」

ビチャ

何かが足の裏に着く。

何かの液体のようだ。生温い。

そして、家の奥から流れてくる匂いは腐敗臭に似た何かだ。

恐る恐る僕は足下を見る。

赤い。鉄臭い。

これは……血。

新連載始めました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 新着投稿から検索しました。 とても、読み易いですね。 参考になります。 私は、読む方も書く方もやってます。 よろしくお願いします。
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