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【20章】目指すは始まりの異界!探検隊ルイーザと不思議な物語  作者: 旅立 マス
8章 勇気の向こう側に
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8-3

3人は扉を慎重に開けた。幸い罠は見当たらない。罠がないことを確認して、3人は中に入った。


部屋は何もないがらんどう。しかし、部屋の中央にただ一つ、結界に守られた物があった。それは、複雑な模様が刻まれたタグだった。


「これって……何だろう?」ジュンが疑問の声を上げる。


「何か分からないけど、お宝の匂いはするわね」とルイーザが目を輝かせる。


「このタグが?」ジュンは半信半疑だ。


「まあ、こんな所に保管されてるんだもの。きっと重要なアイテムに違いないわよ」とルイーザは確信を持った様子だ。


「取り出せるかな?」ルイーザが手を伸ばしかける。しかし、ウェンディが慌ててそれを止めた。


「ちょっと待った! ルイーザ、いかにも怪しげな結界に守られてる物に無防備に触ろうとするなんて何考えてるのよ!」


「ごめん、ごめん」とルイーザは苦笑する。


「でも、この結界をどうにかしないと、何も取れないんじゃない?」とジュンが指摘する。


「そうね……直接触るのは危険だから、この結界を解く方法を考えないと」とウェンディが考え込む。


「この結界をかけた本人――つまりローデンを倒せば解除されるんじゃないかな?」とジュンが提案した。


「たしかに、ここを支配しているボスを倒すのが一番手っ取り早い方法ね」とルイーザも同意する。


結界を解除する手がかりはローデンを倒すこと――そう結論付けた矢先、予期せぬ出来事が起こった。


「ねえ、ジュン。その笛、光ってない?」とルイーザが声を上げる。


「ルイーザのコンパスも光ってるわ」とウェンディも気づいた。


ジュンが持つ「異界の笛」と、ルイーザの「リズの導きのコンパス」が同時に輝き出していた。それはまるで、タグに反応しているかのようだった。


「まさか……」ジュンはおそるおそるタグに手を伸ばす。すると、驚くべきことにタグを簡単に取り出すことができた。


「やっぱり……」ジュンは手に取ったタグを見つめる。「これ、もしかして始まりの異界に関係するアイテムなんじゃないか?」


「あなた達の旅の目的である始まりの異界のことね。だけど、何でこんな場所にあるのかしら……」とウェンディが首をかしげる。


「その答えはローデンに直接聞けば分かるんじゃない?」ルイーザが軽く笑う。


「そうだな。とりあえず、このタグは重要そうだから持って行こう」とジュンが言ったあと、ふと思いついて提案した。「でも、ただ『タグ』だと味気ないな……名前を付けようか。」


「ねえ、ジュン。【始まりのタグ】ってどう?」とルイーザが提案する。


「いいね。始まりの異界に導いてくれそうな名前だ」とジュンは賛成する。


こうしてタグは【始まりのタグ】と名付けられた。だが、このタグが何を意味するのか、今はまだ分からない。


3人は部屋を改めて見回した。だが、始まりのタグ以外に特に目立ったものはなかった。


「ここは安全そうね。それにモンスターも寄り付かないみたいだし」とウェンディが安心した声を漏らす。


「少し休憩しようか。体力を回復させておいた方がいい」とジュンが提案した。


3人はこの静かな部屋で体を休めることにした。始まりのタグを手に入れたことで、物語は新たな局面へと進もうとしている。

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