表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【20章】目指すは始まりの異界!探検隊ルイーザと不思議な物語  作者: 旅立 マス
19章 海賊船マクロセプター
201/203

19−4

「ここで蹴りをつけようじゃねえか!」


「さっきは油断したけど、今度は本気だよ!」


ジュンは大型剣を構え、フォークスに猛然と突っ込む。


「ほぉ……遠距離攻撃しかできねぇ坊やかと思いきや、接近戦もやるじゃねえか!」


フォークスはその剣を真正面から受け止める。金属がぶつかる激しい火花が飛ぶ。


「よし……今だっ!」


剣を握るジュンのもう片方の手に、拳銃が――!


「この距離なら……外すわけがないっ!」


ジュンの引き金が引かれる。銃弾が一直線に、フォークスの足へ――!


「ちっ……!」


フォークスの膝が崩れる。銃弾は見事に命中した。


「これで機動力は奪った!」


「調子に乗るなァッ!!」


フォークスはなおも猛攻を仕掛ける。足に傷を負ってもなお、その剣は重く速い。


「うおおおっ……!なんてパワーだ……!」


ジュンは必死に剣で受け止める。腕に衝撃が響く。下手をすれば一撃で吹き飛ばされる。


「さて……もう手は尽きたか?」


「ジュン!準備できたわよっ!」


その声が、ルイーザから響く。――合図だ。


「ナイス、ルイーザ!」


ジュンは一気に後退。フォークスが目を向けると、そこに立つのは――弓を構えたルイーザ!


「甘かったな……!」


弓が放たれる。鋭く飛ぶ矢――


「くだらん……そんな攻撃、効くかッ!」


フォークスは身構えるが、矢が直撃してもダメージは無い……代わりに、フォークスの体の上に何かが降り注ぐ。


「こ、これは……粉……?」


空中に舞う白い粉。ルイーザとジュンは同時にシールドを展開。


「こいつは……まさか――!?」


「察しが早くて助かるよ。じゃあ――いくよっ!」


ジュンが拳銃を空中に撃つ。

――次の瞬間、船内が光に包まれた。


ドオオォォンッ!!!


爆発――!


「ぐ、ぐわああああっ!!」


食料庫にあった大量の小麦粉。それが空気中に舞い、それに引火した――大爆発。


二人は事前に張った魔法のシールドに守られ、ほとんど無傷。だがフォークスはまともに食らった。


瓦礫の中、ボロボロの状態で横たわる海賊。


「ま、まさか……小麦粉で……あんな爆発を……」


目を見開いたまま、フォークスは震えていた。


「やった……!」


「思い切りが必要だったけど、うまくいって良かったわね」


「……ああ。ほんと、よくやったよルイーザ」


「わーお……それでもまだ生きてるんだ……」


ルイーザが目を丸くする。フォークスは片膝をつきながらも、まだ息がある。だが――剣を構える力は、もう残っていなかった。


「これ以上は……無理だ。オレの負けだよ。お前らの勝ちだ……認めるぜ……!」


その言葉に、ジュンとルイーザは顔を見合わせ――


ハイタッチ。


勝利の余韻が、船の甲板に響いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ