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【20章】目指すは始まりの異界!探検隊ルイーザと不思議な物語  作者: 旅立 マス
19章 海賊船マクロセプター
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19-2

「ねえ、ジュン、見て!」


ルイーザが嬉しそうに駆け寄ってきた。彼女の腕の中には、ずっしりとした箱が抱えられている。


「お宝じゃないかな、これ?」


「その箱、どこから持ってきたの?」


ジュンが驚いて尋ねると、ルイーザはすぐ隣の部屋を指さした。


「扉の向こうに置いてあったの。開けてみようよ!」


「あ、おい! 罠だったらどうするんだよ?」


ジュンが止める間もなく、ルイーザは意気揚々と箱の蓋を開ける。すると——


「……え?」


中に入っていたのは、たった一枚のコインだった。


「なんだ……ルイーザ、大きな箱だからもっとすごいものが入ってるのかと思ったけど、コイン一枚か……」


ルイーザは明らかにがっかりした様子で、それでも一応コインを懐にしまった。


「この船には、この島を脱出する手がかりはなさそうかな?」


ジュンがそう言うと、ルイーザはニヤリと笑う。


「それが、宝箱だけじゃないのよ」


そう言うと、彼女は手に持っていた紙を広げた。


「……これは?」


「島の地図よ!」


目の前に広げられた地図には、島の詳細な地形が記されていた。それも、かなり精密に——。


「これはすごい……僕らがいるのは、多分この船のマークがある場所だな。やっぱり、この船はこの島に停泊する予定だったんだ」


「先に進む道も載ってるわね。洞窟クロムドーム、迷いの森ファラスタ、そして——山頂の城、マクロキャッスル」


ルイーザが指をさした場所には、堂々と「マクロキャッスル」と記されていた。


「このマクロキャッスルってのが怪しいな。『城』ってくらいだ、人が住んでる可能性が高い。つまり、マクロスの本拠地かもしれない」


「なら、私たちの目指すべき場所はそこね! やったじゃない、目的地がはっきりしたわ!」


ルイーザが興奮気味に地図を眺める。その時——


「……そこまでだ」


背後から低い声が響いた。


「!?」


ジュンとルイーザが慌てて振り向くと、海賊帽をかぶったキツネ顔の男が立っていた。


「ちょっ……いつの間に!? それに、ここに隠れてたことがバレてたなんて……!」


「バカが。侵入者がいると聞いて、隠れられそうな場所を絞れば、ここが候補に上がるのは当然だ」


男は鋭い目で二人を睨みつける。


「誰もいないと思って、勝手に探りを入れてたようだが……残念だったな。俺たちの縄張りで好き勝手やらせるわけにはいかねえ」


「……あなた、誰?」


ルイーザが問いかけると、男はふっと口角を上げた。


「名乗ってやるよ。俺は キャプテン・フォークス……この船、海賊船マクロセプターの船長だ」


フォークスはゆっくりと剣を抜く。


「この先へ進みたければ、俺を倒していけ——!」


ジュンとルイーザは、思わず息をのんだ。

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