19-1
小台場島に居れば嫌でも目立つ巨大な山。それがマクロマウンテンだ。
この島を脱出する手がかりはマクロマウンテンにあることを知ったジュンとルイーザ。
二人はマクロマウンテンに向かうのだった。
小台場島を脱出する手がかりを求め、ジュンとルイーザはマクロマウンテンへと足を踏み入れた。
しかし、想像以上に巨大な山だった。麓から見上げても、その頂は霧に隠れ、どこまでも高くそびえている。
「ここのどこかに脱出の手がかりがあるらしいけど……」
「まあ、一番手っ取り早いのは、この島を支配しているマクロスって連中から直接聞き出すことよね」
ルイーザは軽く言うが、問題はそのマクロスとどう接触するかだ。
そもそも、彼らが敵なのか味方なのかすら分からない。
「待って、ジュン。あそこに人がいるわ」
ルイーザが指をさした先に、二人の男が立っていた。
物陰に身を潜め、慎重に近づく。
「ふぁ~あ……なあ、こんな場所を見張る意味あるのか? 小台場島の連中がここに来るなんて、聞いたことねぇぞ」
「さあな。けどよ、この島に“漂流してきた奴ら”がいるって噂だぜ?」
──漂流者?
ジュンとルイーザは驚いて目を見合わせた。
「ねえ、ジュン。これって……私たちのことじゃない?」
「だとしたら、もう僕たちの存在は知られてる可能性が……」
パキッ
「誰だ!?」
「やばっ、ごめんジュン、枝を踏んだみたい!」
「こうなったら強行突破だ!」
二人は考える間もなく、見張りの目をかいくぐり、一気に駆け抜けた。
ダッ! ダッ!
必死に走り続ける。すると、目の前に崖が現れ、その先には広大な海が広がっていた。
「……あれは?」
海面には、一隻の巨大な船が浮かんでいた。
それはまるで映画に出てくる海賊船のような異様な外観だった。
「無人の船……なのか?」
静まり返ったその船に、明かりは見えない。人の気配も感じられない。
「とりあえず、あそこに行ってみましょう。身を隠せる場所が必要だわ」
二人は船に向かって慎重に進んでいった。
誰もいないことを確認すると、しばらくの間、そこで息を整えることにした。
「とりあえず、マクロマウンテンには入れたね……」
「でも、強行突破しちゃったせいで、私たち、完全に“侵入者”扱いよね?」
ルイーザが軽く苦笑する。
「まあ、今更か……それにしても、さっきの見張りの人たち、マクロスの一員だったのかな?」
「分からないけど、この山を占拠してる連中なら、可能性は高いわね……」
こうして、二人はマクロマウンテンに足を踏み入れた。




