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【20章】目指すは始まりの異界!探検隊ルイーザと不思議な物語  作者: 旅立 マス
11章~17章 サウスエンドランド編 エビローグ 海の静けさ
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サウスエンドランドのその後は、アスター軍とディンゴ率いるレジスタンスの人たちに任せ、自分たちはアスター軍の船で、西洋町まで送ってもらうことになった。

この町は、ここへ来るときにも立ち寄った場所だ。


「ジュン、朗報よ! 私たちの探検隊のランク、シルバー+ランクに上がったわ!」


探検隊用のタブレットを見ていたルイーザが、弾むような声で報告してくる。

だが、聞き捨てならない単語があった。


「ん? シルバー+? なんか半端な感じがするんだけど……」

「そうね。ゴールドランクに上がるには、シルバー+++ まで昇格しないとダメみたい」


――なんだそれ。


「いや、ゴールドまで遠すぎない!? てっきり、シルバーの次はゴールドだと思ってたのに」

「それだと簡単すぎるじゃない? ほら、ちゃんと段階を踏んで強くならないと」

「うーん……まあ、ブロンズ → シルバー → ゴールド っていう三段階だけじゃ、ちょっと安っぽいか」


確かに、すでにゴールドになってたら「伝説の探検隊!」って感じはしない。

でも、シルバー+++ってなんだよ……。


「それとね、私たちのレベルも上がったの!」

「おおっ! ついにレベル6か! ……って、上がるの早くないか?」


そういえば、クルールはレベル8だった気がするが、そこにもう少しで追いつくのか。


「まあ、これまでの冒険が濃すぎたからね。舟堀の戦い、クリスタル洞窟、サウスエンドランド奪還戦……どれもヤバい戦いだったし」

「確かに……。普通の探検隊がやる仕事じゃないな」


僕たち、本当に探検してるのか? っていう疑問すら湧いてくる。


「レベル7くらいまでは、わりとすぐ上がると思うわよ。そこが、一人前と見習いの境目 だから」

「そっか。レベル7になれば……クラスチェンジ もできるんだよな」


この世界の探検隊は、レベル7になると特定の職業に進むことができる。

それによって能力も変化し、より専門的な戦いができるようになる。


「そうなれば、やっと“見習い”って肩書きが外れるのか……」

「そうね。だから、“見習いヒーロー” って肩書きともお別れよ!」

「……いや、“見習いヒーロー”って、そもそもなんなんだよ……」


まあ、どんなクラスになるかは楽しみだけどな。

これまであっという間だったけど、ルイーザと探検隊を組んでもうすぐ一年か……。

色々あったな、本当に。


「とりあえず、西洋町に戻ったら……次はどこに向かう?」

「うーん……どうしようかねぇ」


僕たちの旅に、最初から明確な目的なんてなかった。

ただ、なんとなく進んで、行く先々でトラブルに巻き込まれて……気づけば戦ってばかりだった。


「“始まり異界” の手がかりも、結局何も見つからなかったしな……」


今のところ得たものは、鶴小島で見つけたタグ だけ。

けど、その正体も分からないままだ。


「このタグ……何なんだろうな」


すると、船の甲板から顔を出していたウェンディが、俺たちを呼んだ。


「おーい、二人とも! そろそろ船が出るってさ」

「あ、もうそんな時間か。……よし、じゃあ行こうか」


――まあ、次の旅のことは、またその時考えればいいか。

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