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16-4

ジュンとルイーザはワッフルに乗り、牢屋を脱出した。

状況は緊迫している。こちらの作戦が完全に筒抜けで、敵の迎撃態勢は万全だ。


この事態を打開する方法は二つしかない。

一つは脱出して味方に情報を伝えること。

もう一つは、ここで敵の指揮系統を断つことだ。


「隠れて脱出なんて無理だね。だったら、ここを落とす!」

ジュンとルイーザは迷いなく後者を選んだ。


ネットワークから得た地図によれば、砦の指揮官がいるであろう場所が分かる。

そこを目指して進む中、リフィリア軍の妨害が次々と立ちはだかる。


「ワッフル、頼むよ!」

「ジュン、しっかりね!」


ワッフルの突撃と、ジュンの拳銃による正確な射撃で敵を圧倒しながら進む二人。ほぼ無敵状態のように見えた。


「ルイーザ、あそこが目的地だ!」

「分かったわ!ワッフル、突撃よ!」


二人が辿り着いたのは大広間。

その中央には、一人の男が堂々と立っていた。


「やはり来たか」

「アンタがここのボスか?」

「そうだ。俺の名はクランプ。リフィリア王国開拓隊の隊長だ」


クランプの落ち着いた態度に、ジュンは一瞬違和感を覚える。


「僕らがここに来るのを予測していたみたいだな」

「その通りだ。お前たちも地図を見たのだろう。この部屋を制圧しなければ砦は落とせないと分かって来たのだろう?」


「ジュン、本当にそうなの?」

「ああ。ここには砦のシステムを管理するサーバーがある。あれを壊せば、この砦の機能は完全に停止するんだ」


クランプの背後にある扉。その向こうにサーバーがあるのだろう。


「だが、その前に俺を倒す必要がある」

「たった一人で僕らに挑む気か?」


クランプは静かに槍を構えた。


「俺は武人だ。お前たちに正々堂々挑む。それだけだ」


堂々とした姿勢に、ジュンは一瞬ためらいを覚える。


「どうして、アンタみたいな人がこんなことを?」

「俺はリフィリア王国に仕える者。命令する上司を選ぶことはできない。それが武人の宿命だ」


「話し合いで解決する方法はないのか?」

「無理だ。止めたければ俺を倒せ。それが唯一の道だ」


「そうか。仕方ないね」

ジュンは拳銃を構え、ルイーザも魔法の準備を整える。


「リフィリア王国、開拓隊隊長クランプ。いざ、参る!」


クランプの槍が放つ鋭い突きは、二人に一瞬の隙も与えない。

接近戦を挑むも、槍の回転がすべての攻撃を跳ね返してくる。


「くそ、近づけない!」

「魔法も通じないなんて…どうするのよ!」


ジュンは冷静に状況を見極める。


「ルイーザ、隙さえ作れば何とかなるんだな?」

「ええ、一瞬でいい。できるの?」

「分からないけど、やってみる!」


ジュンは覚悟を決めた。彼の目に、一筋の希望が光る。

この勝負、まだ終わっていない――!

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