16-3
ジュンとルイーザは、タルテン鉱山の砦地下にある牢屋に閉じ込められていた。
「敵のアジトに乗り込むと捕まるのが恒例になってきたな…」
ジュンが自嘲気味に呟く。
「本当にね。次はもっと慎重に計画を立てないと…」
ルイーザもため息をつきながら反省するが、今はこの状況を打破することが最優先だ。
牢屋の外では、リフィリア兵たちが嘲笑交じりに話していた。
「お前たちの陽動作戦とやら、逆に利用させてもらうぞ。」
「…くそっ!」
「無駄な足掻きだ。アスター軍の侵攻はここで終わりだ。」
そう言い放ち、兵士たちは足音を響かせながら去っていった。
「さて、どうする?」
ルイーザが冷静に状況を分析しようとするが、牢屋の鍵は見たこともない技術で施錠されている。
意外な突破口
ジュンはふと思いつき、自分の装備を確認した。
「そうだ、あれが使えるかもしれない。」
彼はレベルバッチの収納機能からノートパソコンを取り出した。
「えっ、そんなもの持ってきてたの?」
ルイーザが驚くと、ジュンは少し照れくさそうに言った。
「ほら、旅立つ前に何か役立つかもしれないと思ってさ。まさか牢屋の鍵を開けるのに使うことになるとは思わなかったけど。」
ジュンはノートパソコンを起動し、牢屋の技術をじっくり観察する。
「これ…僕が住んでた異界の技術に似てる。もしかしたら…」
ジュンはダメ元で、周囲に流れているネットワークに接続を試みた。
「まさか、こんなところでネットワークが繋がるとは…」
ジュンの手は次第にスムーズに動き始め、ついに牢屋の鍵を管理するシステムを見つけ出す。
「よし、これを操作すれば…解除できた!」
「えっ、本当に!?」
ルイーザが目を丸くする。
ジュンは肩をすくめながら言った。
「なんか拍子抜けするくらい簡単だったな。セキュリティがほとんどない。」
「この異界にはセキュリティの概念が薄いのかもしれないわね。」
ルイーザも驚きながらも納得した様子だった。
牢屋を脱出した二人は、次の行動を話し合う。
「脱出はできたけど、このまま逃げるだけじゃ意味がない。」
ジュンは先ほどパソコンで調べた情報をルイーザに見せる。
「見て、この砦の見取り図だ。」
「これがあれば、敵の動きや重要拠点がわかるわね!」
ルイーザは目を輝かせた。
「この先に、ボスの居場所らしき部屋がある。ここを叩けば、敵の指揮系統を混乱させられる。」
「それなら決まりね。ボスを倒して、この砦を制圧するわよ。」
二人は見取り図を頼りに砦の奥へと進む。




