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13-8

「お前ら、面白い奴だな。ますます気に入ったぜ。どうだ?オレたちのところに来ないか?」

「いや、それは断るよ。っていうか、ナチュラルに勧誘するな」

「ははは、試しに聞いてみただけだ。だが、また戦おうぜ。次は完膚なきまでに倒す」

「ああ、そのセリフ、そっくりそのまま返すよ」


ジュンとヒューイは力強く握手を交わし、互いの健闘を誓い合った。

「ふん、楽しみにしてるよ。じゃあな」

ヒューイとリコは笑いながら先に出発していく。


2人が去ると、さっきまでの騒がしさが嘘のように辺りは静かになった。

「やれやれ、騒がしい人たちだったわね」

「本当にな。あの手のタイプは、またどこかで会いそうな気がするな」


――この時、ジュンはまだ気づいていなかった。ヒューイたちとの縁が、これからも長く続くことになるなんて。


ともあれ、次の目的地へ向かう準備は整った。

「さて、いろいろあったけど、明日は海を越えてサウスエンドランドに出発だな」


だが、その矢先、新たな人物が現れる。


「君たち、海を渡る手段があるのかい?」


現れたのは見覚えのある顔だった。


「ヒロ!ヒロじゃん。何でここに?」


高校時代の友人・ヒロ。彼はこの世界の改変が起きてから、リフィリア王国に残り兵士として働いている。

さらに、もう1人見知った人物が姿を見せた。


「俺もいるぜ!」

「ケンさん!?まさか、ケンさんまで!」


ケンもまた、リフィリア王国に残り、ギルドに所属している。珍しい組み合わせだが、どうしてここにいるのか?


「実はな、サウスエンドランドって場所にある資源の調査をギルドから頼まれてな。王国兵とギルドの合同チームが組まれたんだ」

「ギルドからは俺たちが、王国兵からは俺と先輩兵士が参加することになってね」

「ところが、西洋町で足止めされてたんだよ。海を渡る手段がないってな。そしたらジュンたちが渡る手段を持ってるって聞いて、声をかけたんだ」


「頼りにされてるみたいだけど……」ジュンは苦笑しながら答える。

「あのイカダ、そんな大人数を想定して作ってないんだよな」


「そうね。せいぜい、あと2人くらいが限界ね」


ルイーザの言葉に、連合チームの他のメンバーが反発する。


「なんだと!?俺たちは国の命で働いてるんだぞ!お前たちのイカダを渡してくれてもいいだろう!」

「うわ、それ、引くわ……。まるで強盗じゃん」

「なんだと!?」


その場の空気がピリッと張り詰めるが、ヒロが手を挙げて仲間を制した。

「無理を言って悪かった。すまない。2人だけで条件を飲むよ」


その一言で、場の空気が少し和らぐ。

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