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12-4

クロックを先頭に、ジュンたちの採掘場攻略が始まった。

牢屋に連れてこられた際に見た限り、この採掘場は予想以上に広い。

薄暗く、複雑に入り組んだ通路は簡単に迷路のように思わせる。加えて、外には無数のモンスターが巡回している。


「ここ、やたら広くない?しかも、モンスターの数が多すぎだよ!」

クロックが小声でぼやく。


「確かにな。これ、ほとんど軍隊規模じゃないか?」

ジュンもため息混じりに答えた。


なるべく慎重に進むつもりの一行だが、それでもモンスターに見つかる場面が増えてきた。

そのたびに戦闘となり、なんとか周囲に気づかれないうちに速攻で片をつける。


やっと隠れ場所を見つけたジュンたちだが、このままでは体力が持たない。

闇雲に進むのは危険だと全員が感じていた。


「ねえ、クロック。この採掘場で、一番人が集まりそうな場所ってどこ?」

ウェンディが問いかける。


「えっと……。」


「おい、ウェンディ。」ジュンが眉をひそめて聞く。「人が集まる場所って、どういうことだ?」


「うん、これだけモンスターが多いんだから、ボスが指揮を取っているはずでしょ?その指示を伝えるには広い場所が必要になると思うの。」


「なるほど、確かに。」ジュンが納得するようにうなずく。


クロックは少し考え込みながら答えた。

「うーん、たぶんだけど……あそこかも。運動したり、休憩したりするスペースがあるよ。」


「そこって、ここから近いの?」ウェンディが尋ねる。


「近くはないけど、このまま奥へ進めば辿り着けると思う。」


「よし、なら決まりだ。少し休んでから、そこを目指そう。」

ジュンの声に、全員が頷いた。


休憩を終えて再び出発したジュンたちだが、進むたびにモンスターの数は増えていく。

巡回も厳重になっており、戦闘の頻度も増えていた。


「これは……参ったな。きりがないぞ。」ジュンが苦い顔をする。


「ねえ、ワッフル呼んじゃおうか?」ルイーザが提案した。


「呼ぶのはいいけど、そもそもどこにいるかわかるの?」ウェンディが不安そうに聞く。


「大丈夫よ。」ルイーザは自信満々だ。「口笛でピーッと吹けば……。」


彼女が口笛を吹くと、しばらくして地面が揺れるような重い足音が聞こえてきた。

それはどんどん近づいてきて、ついにはジュンたちの目の前にワッフルが現れた。


「ホントに来た……。」ジュンが目を丸くする。「こいつ、すげーな。っていうか、他のモンスターたち、気づかなかったのか?」


「見た目がモンスターっぽいから、あまり気にされてないのかもね。」ウェンディが苦笑する。


「とにかく、これで移動手段は確保できたわ。さあ、みんな乗って!」

ルイーザの掛け声で、全員がワッフルに飛び乗る。


「それじゃ、一気に目的地まで行くわよ!」

ルイーザがワッフルに合図を送ると、猛スピードで走り出した。

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