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【20章】目指すは始まりの異界!探検隊ルイーザと不思議な物語  作者: 旅立 マス
9章 クリスタルの洞窟
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9-2

教えてもらった「おばば」の家を目指し、川沿いの道を進むジュンたち。静かな村かと思いきや、川沿いの道には地元の人たちが市場を開いており、そこは活気に満ちていた。


「よう、今朝釣ったばかりの魚だ!」

「焼きたてのパンはいかが?」

「お客さん、掘り出し物があるよ!」


次々と声をかけられ、思わず足を止めてしまう3人。市場の賑わいに驚いた。


「久しぶりに外の人が来たって聞いたから、もっと静かな村だと思ってたけど、意外と賑やかだな」

「ねえ、これ買っていい?」


ルイーザが手に取ったのは、美しいリボンだった。


「これは……『魔除けのリボン』?珍しいわね」


ウェンディが説明する。「魔除けのリボン」は、装備した持ち主を一度だけ致命的なダメージから守ってくれる貴重なアイテムだという。それだけでなく、女性には人気のファッションアイテムでもあるらしい。


「すごいアイテムなら買っておこうか。ルイーザとウェンディの分で2つね」


一方、ジュンは店主から「命中のモノクル」というアイテムを勧められる。それは飛び道具の命中率を大幅に向上させる装備だという。実際に使ってみると、狙いを定める感覚がはっきりと上がり、その効果が実感できた。


「まさかこんな村で便利なアイテムを買えるなんて思わなかったな」


必要な買い物を終えた3人は、さらに川沿いを進んだ。やがて、道の先に宿屋らしき建物が見えてくる。中にはおばあさんが1人、受付に座っていた。


「すいませーん!」

ジュンが声をかけると、おばあさんが顔を上げる。


「おやおや、見慣れない顔だねえ。ここは宿屋じゃよ」

「僕たち、クリスタルの洞窟の調査の依頼を見てここに来たんです」


「まあ、それはそれは。ようこそ、ここは『グリーンヒル村』じゃ。ワシの名はサルサ。この村の者はみんなワシを『おばば』と呼ぶんじゃよ。そして、この宿屋がギルドのクエストを受け付けておる場所じゃ」


3人は自己紹介を終えると、サルサから話を聞いた。


「洞窟が突然現れたもんで、村中の者が驚いとるよ。誰も近づかんが、噂では不思議な力を秘めた場所だとか」

「突然現れた?どういうことですか?」


「そうじゃ。眩しい光が村を包んだかと思うと、その光が消えた後に洞窟があったんじゃよ。不気味じゃが、美しいクリスタルが輝いておって、名前は自然とそうなったわけよ」


「実際に見てみないことにはな」

サルサが家の裏を指差す。「裏の道を進んでみなさい。5分も歩けば見えるはずじゃ」


言われた通り裏道を進むと、ほどなくしてそれは見えた。洞窟の入り口とその周囲には、まるで地面から生えたようなクリスタルが輝いている。


「……確かに、『クリスタルの洞窟』って感じだな」


ジュンたちは息を飲み、その美しい輝きに目を奪われた。旅の次なる冒険の舞台は、この不思議な洞窟だ。

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