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教えてもらった「おばば」の家を目指し、川沿いの道を進むジュンたち。静かな村かと思いきや、川沿いの道には地元の人たちが市場を開いており、そこは活気に満ちていた。
「よう、今朝釣ったばかりの魚だ!」
「焼きたてのパンはいかが?」
「お客さん、掘り出し物があるよ!」
次々と声をかけられ、思わず足を止めてしまう3人。市場の賑わいに驚いた。
「久しぶりに外の人が来たって聞いたから、もっと静かな村だと思ってたけど、意外と賑やかだな」
「ねえ、これ買っていい?」
ルイーザが手に取ったのは、美しいリボンだった。
「これは……『魔除けのリボン』?珍しいわね」
ウェンディが説明する。「魔除けのリボン」は、装備した持ち主を一度だけ致命的なダメージから守ってくれる貴重なアイテムだという。それだけでなく、女性には人気のファッションアイテムでもあるらしい。
「すごいアイテムなら買っておこうか。ルイーザとウェンディの分で2つね」
一方、ジュンは店主から「命中のモノクル」というアイテムを勧められる。それは飛び道具の命中率を大幅に向上させる装備だという。実際に使ってみると、狙いを定める感覚がはっきりと上がり、その効果が実感できた。
「まさかこんな村で便利なアイテムを買えるなんて思わなかったな」
必要な買い物を終えた3人は、さらに川沿いを進んだ。やがて、道の先に宿屋らしき建物が見えてくる。中にはおばあさんが1人、受付に座っていた。
「すいませーん!」
ジュンが声をかけると、おばあさんが顔を上げる。
「おやおや、見慣れない顔だねえ。ここは宿屋じゃよ」
「僕たち、クリスタルの洞窟の調査の依頼を見てここに来たんです」
「まあ、それはそれは。ようこそ、ここは『グリーンヒル村』じゃ。ワシの名はサルサ。この村の者はみんなワシを『おばば』と呼ぶんじゃよ。そして、この宿屋がギルドのクエストを受け付けておる場所じゃ」
3人は自己紹介を終えると、サルサから話を聞いた。
「洞窟が突然現れたもんで、村中の者が驚いとるよ。誰も近づかんが、噂では不思議な力を秘めた場所だとか」
「突然現れた?どういうことですか?」
「そうじゃ。眩しい光が村を包んだかと思うと、その光が消えた後に洞窟があったんじゃよ。不気味じゃが、美しいクリスタルが輝いておって、名前は自然とそうなったわけよ」
「実際に見てみないことにはな」
サルサが家の裏を指差す。「裏の道を進んでみなさい。5分も歩けば見えるはずじゃ」
言われた通り裏道を進むと、ほどなくしてそれは見えた。洞窟の入り口とその周囲には、まるで地面から生えたようなクリスタルが輝いている。
「……確かに、『クリスタルの洞窟』って感じだな」
ジュンたちは息を飲み、その美しい輝きに目を奪われた。旅の次なる冒険の舞台は、この不思議な洞窟だ。




