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【20章】目指すは始まりの異界!探検隊ルイーザと不思議な物語  作者: 旅立 マス
9章 クリスタルの洞窟
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9-1

「クリスタルの洞窟?」

ジュンは半信半疑でルイーザに聞いた。


「ほら、タブレットの依頼ページに『クリスタルでできた洞窟の調査を求む』って書いてあるでしょ」

ルイーザが画面を指差す。どうやら、この近くの村から出されたクエストのようだ。


「でも、そんな洞窟、本当にあるのか?」

「さあね。でも、面白そうな依頼じゃない?」


イーストキャッスル平原を西へ進む旅の2日目。広大で見晴らしのいい平原を進む中、ジュンたちはタブレットを使って周辺の情報を集めていた。そして偶然見つけたのがこの依頼だった。


「本物かどうかは別として、もし本当にクリスタルの洞窟があるなら、ちょっと夢が広がるわね」

ウェンディも興味津々だ。

「クリスタルの花っていう植物があるんだけど、それが見つかったら特効薬の材料になるのよ。医者としては調べてみたいわ」


「よし、せっかくだし、この依頼を出している村に向かってみようか」

3人の意見は一致し、タブレットの地図を頼りに進む。1時間ほど進むと、人が住んでいそうな集落が見えてきた。


「あそこだな。あの村がクエストを出してる場所だろう」


村は小さな川沿いに広がり、静かでのどかな雰囲気だ。生活用水と思われる川が流れ、いかにも素朴な暮らしぶりが感じられる。入り口付近で農具を持った女性がこちらをじっと見ていた。村の外から来た人間が珍しいのか、こちらに歩み寄ってくる。


「まあ、珍しいねえ。村の外からお客さんだなんて」

彼女は穏やかそうに笑った。


「こんにちは。私たち、クリスタルの洞窟の調査に来たんです」

ルイーザが挨拶する。


「クリスタルの洞窟? ああ、村の近くに突然現れた例の洞窟ね。村の者みんなびっくりしてるよ。光り輝く不気味な洞窟なんて、誰も近づけないものだからねえ」


「突然現れたんですか?」

ジュンが問い返す。


「そうよ、突然さ。眩しい光が村の近くに現れて、その光が収まったら洞窟が出てきたの。誰もそんなもの見たことがないから、怖がって近寄れないのよ」


話を聞いて、ジュンたちはピンときた。この村や洞窟も、きっと世界改変の際に現れたのだろう。それにしても、この村はのどかすぎて、どうやら戦える人はほとんどいないらしい。だからこそ、ギルドを通して外部に調査依頼を出したのだろう。


「それで、洞窟の調査を頼まれたんだね? なら、おばばのところに行くといいよ」

女性は指を指して道を教えてくれる。

「川沿いの道をまっすぐ進めば、おばばの家があるわ」


「ありがとう、助かります」

ジュンたちは礼を言い、案内された方向へと歩き出した。

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