表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【20章】目指すは始まりの異界!探検隊ルイーザと不思議な物語  作者: 旅立 マス
8章 勇気の向こう側に
108/203

8-13

「簡単な話よ。ジュンが貫通技で傷をつける。そこにルイーザが水属性の攻撃を加え、私の雷魔法でとどめを刺す。これで、あなたの体には確実にダメージが入るのよ。説明しなくても分かるでしょう?」


ジュンがつけた傷を水で濡らし、雷を流すことで電気が直接ダメージを与える。このシンプルな連携が、ローデンの頑強な防御を貫く鍵だった。


ローデンの体が怒りで震え始める。


「ま、まさかここまでコケにされるとはな・・・。いいだろう。もう一度、さっきの一撃を味わわせてやる!」


その言葉と同時に、ローデンが火の玉を連続で吐き出してくる。ジュンはバリアを展開するが、次々に襲いかかる火の玉をすべて防ぎきることはできなかった。


「うわっ!」


「ジュン!」


辛うじて致命傷は避けたものの、ジュンの体には相当のダメージが蓄積していた。


「なんて奴だ。攻撃が無茶苦茶すぎる・・・」


火の玉の出現タイミングも予測できず、規則性もない。そのため、どのように対処すればいいのか全く分からなかった。それ以上に気になるのはローデンの様子だ。


「あいつ、自我を失ってないか?」


薬の影響だろうか。冷静さを失い、言葉遣いも荒くなっている。戦術を考える余地もなく、3人は次々に襲いかかる攻撃を受け続けるしかなかった。


「許さん、決してお前達を許さんぞ!」


ローデンの怒号が響く中、再び火の玉がジュンを狙って迫ってくる。


「くっ・・・」


逃げるには時間が足りず、周囲の瓦礫が邪魔をして避けることもできない。追い詰められたジュンは大型剣を引き抜いた。


その瞬間、ルイーザがひらめいたように水の魔法をジュンに向けて放つ。


「ジュン!剣に水の力を込めて!」


ルイーザの水魔法はジュンの剣に吸い込まれるように宿り、剣に濃厚な水属性のエネルギーを付与した。


「いっけー!」


ジュンは水の力を纏った剣を勢いよく振り抜き、ローデンの火の玉を斬り裂いた。


「やったー!」


「ナイス、ルイーザ!流石ね」


火の玉を防ぎきったジュンは、ルイーザとウェンディのもとに戻ることができた。全員の顔に安堵の色が浮かぶ。


「生意気な・・・!」


ローデンは苛立ちを隠せず、荒々しく翼を広げる。その姿はまるで、力任せに全てを押し潰そうとする獣そのものだ。


「ちっ、もう一度、全員をまとめて片付ける必要があるみたいだな」


ローデンが再び上空へと飛び立つ。それは、反撃のチャンスの合図だった。


ルイーザは冷静に口笛を吹き、ワッフルを呼び出す準備を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ