9/14
子連れカラス
山に雪が降っています。
子ガラスは寒さをこらえ、ずっと母の帰りを待っていました。
二つめの夜が来ても、三つめの朝が来ても母は帰ってきません。
ついに……。
子ガラスは母を探しに森を出ました。
四つめの朝。
村でコケコッコのおばさんと出あいました。
子ガラスはたずねました。
「おらのおっかあを知らねえか?」
「コッコォー」
おばさんが羽を広げて見せます。
すると羽の中、そこにはぬくぬくとした母がいたのでした。
子ガラスは母にかけ寄りました。
「カアー」