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誕生日プレゼント
貧乏百姓の家に住んでいる虎五郎。
庄屋の屋敷に住んでいるお花。
二人は恋仲のネズミです。
虎五郎の誕生日が近づきました。
お花がたずねます。
「ねえ虎五郎さん、誕生日プレゼントはなにがほしい?」
「そうだなあ」
「うちにはなんでもあるの。虎五郎さんの好きなものをとってきてあげる」
「いや、そんなものより……」
「なあに? 庄屋さんのところにもないものなの」
「お花ちゃんの……」
「言ってみて。かならずプレゼントするわ」
虎五郎は顔を赤らめ、もじもじと身をよじらせて言いました。
「チュウ―」