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ティラノちゃん
ある恐竜一家。
「ティラノちゃん、夕べ遅く帰ってきたんだって」
「ずいぶん変わってるそうじゃないか」
隣家を見やりながら、父さんと母さんがしゃべっています。
――ティラノちゃん……。
サウルスは思い出していました。
ティラノちゃんとは幼友達、子どものころ二人は兄弟のように育ちました。
そんなティラノちゃんは年をとるにつれグレてゆきました。そして三年前、ついに家を飛び出し、都会の町に行ってしまったのです。
翌朝のこと。
サウルスが垣根ごしに隣の庭をのぞき見ますと、そこにはあのティラノちゃんがおりました。
「あら、サウルス!」
サウルスに気づいて、ティラノちゃんがやってきます。
赤い髪、目のまわりには白いアイシャドウ。
サウルスはおもわず叫んでいました。
「ギャルゥー」