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品がない
三カ月ほど前。
私は山のふもとにある一軒家に引っ越してきた。
アメリカで長いこと働いてきたので、余生は静かな場所でのんびり物書きなどをしながら暮らそうと考えたのだ。
実をいうと……。
本編シリーズ、近くの森にすむフクロウから聞いた話である。
一つ聞いては、それを書き、できのほどをフクロウに話して聞かせた。
そのつど。
「ホウ、ホウ」
フクロウはいたく感心してくれた。
だけど作品に何かがたりない。
――なんだろう?
そんなことを考えていると……。
「ヒンヒン」
馬が鼻を鳴らして背後を通り過ぎていった。
最後までお付き合いくださりありがとうございます。