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とあるデータベースの話をしよう。

 とあるデータベースの話をしよう。


 いわゆるスキーマレスであり、保存できるデータ種別はテキストに限られるが、言語を横断した意味検索をサポートしている。


 ただ恐ろしいことに、一回限りのトランザクションを実行した後は、追加も削除も更新もできない。さらには検索性能も亀のようで、そう聞くと悪意しか感じられないゴミだが、専用ハードを開発したルナティックコンティニュー社による保証期間は、宇宙の寿命あるかぎりとなっている。なぜ、そのような詐欺紛いの契約が国際的に罷りとおってしまったかというと、データの全容量はおおよそ経年に反比例して縮退する、という破滅的な一文が紛れこんでいるからであり、すなわち縮退に伴ってデータを圧縮していくアルゴリズムの存在が前提となっている。


 では具体的に、その何だったかね、データベースの名称は? はっ、半永久縮退データベースであります! ううむ、この期に及んで新語を作ることもあるまい、アカシックレコードでいいだろう。その方が大衆受けは良いでしょうな、大統領。では、アカシックレコードの縮退ペースはどの程度なのか、つまり我が国の偉大な歴史はいったいどのくらい保つというのかね。はい、試算させたところ半永久……アカシックレコードが我が国の偉大な歴史を刻みこんだ公文書の総量まで縮退する年月は、我が国の平均的な人民が思い浮かべられる最も大きな数よりも大きいとのことですから、明日の演説では言及しないことが賢明な判断かと存じます。なるほど、なるほど、しかしアカシックレコードに登録するための鍵とやらは、ほぼ全ての主権国家のものが受理されることになるだろう、まったく忌々しい彼の国などは歴史から存在を抹消したかったが、敗北主義者どもに歪められた戦争記録に赤を入れる余裕もないときた。そうですな。しかし、彼の国より先にアカシックレコードから押しのけられるような失態だけは避けねばならんまいよ。はっ、抜かりはありません、ちょうど先ほどシミュレーションが終わりまして、誇り高きアルゴリズムは歴史的に価値のない国の歴史から圧縮していく、との結果が得られました。ほほう、ならば最終的には、我が国がこの星の歴史を寡占するということだな。……ええ、その通りでございます、さすが我が国で最も偉大な大統領は理解が早いですな、わははははは。ふん、今更おだてても、この座は譲らんぞ、ふははははははは。


 めでたしめでたし.

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