まず言っておく。俺はロリコンでサチリアジスで面倒くさがりで責任感皆無なのに口とプライドと態度だけは一人前な人間のクズ(以下略
とある辺境の小さな農村。
村は多種多様な無数の魔物に囲まれ、村人達は窮地に陥っていた。
「さぁ、大人しく巫女とやらを差し出すのだ!」
村の中心で魔物達の筆頭として話をしているのは、魔界四天王の一人・ユニドラ。
サキュバスの戦士とでも言うべきか。額には鋭い一本角が生え、背中には竜の翼を折り畳み、臀部からは長い尻尾も生えている。
露出が激しいハイレグアーマーと、人間と比較しても確実に美女だと断言できる整った顔立ちが特徴だ。
その前に立ちはだかって最後の抵抗を続けているのは、既に頭が禿げ散らかりつつあるこの村の長・村長。禿げ以外に特に特徴は無い。
「み、巫女様は誰にも渡さぬ!」
「ほう、言ったな? 言うことを聞かない奴はこうだぞ!?」
―ビシィッ! ユニドラは鱗の生えた尻尾を鞭代わりに振るい、拘束している村人の一人を痛めつける。
「ギャァァアーッ!!」
「あ、ああ!」
「そ、村長、わ、わたしのことなどはいいのです…! ど、どうか、巫女様だけは…っ!」
「ええい、黙れ!」
「ギャッ!!」
―バチィンッ! 苛立ちをあらわに、ユニドラはより強く村人を痛めつける。再び尻尾で叩かれた村人の服は裂け、その隙間から見える肌には、痛々しいミミズ腫れが浮かんでいた。
―バチィンッ!―ビシィッ! ユニドラの見せしめは続く。
「ギャ、ギャァアアアーーーーーッ!!! グワァァアアアアーーーーッ!!!」
その光景を目ていることしかできない村長。彼は言葉を失い、ショックのあまりかわなわなと身体を震わせながら、その場にへたりこむ。
「そ、村長、ど、どうか、どうか巫女様だけはッ! 村長ォーーーッ!!!」
「そ、それ、巫女様差し出したら代わってもらえますか…?」
「村長ォーーーッ!!!」
巫女様とやらに色々な危機が迫りつつある今、村人の何人かは瞳に希望の色を抱き続けていた。
彼らは魔物達の目を盗み、こそこそと内緒話をしている。
「大丈夫、時間さえ稼げばなんとかなる!」
「ああ、勇者様が隣の村を出たのは四日前だ。遅くてもあと半日前後でこの村を訪れる筈さ。」
「そしたらこんな奴ら…、――あ!」
村の入り口を見ていた村人が、つい感嘆の声を漏らす。
その声に気づいたユニドラは、怪訝な顔でその村人のほうを見た。
「誰だ、急に無駄な大声を出した馬鹿者は…? 急だったからビックリしたではないか…。」
「そうだぞ貴様ら、ユニドラ様はビビりなのだ! またチビったりしたらどうする!?」
―ボンッ! そう告げた屈強なリザードマンの戦士が、たちまちのうちに木っ端微塵にされてしまう。
ユニドラは掌から出る煙をフッと一息で吹き散らし、冷たく見下すような瞳で村人達を見つめた。しかしハイレグパンツには確かに染みができている。
「さて、次は誰がこうなりたい…?」
迫力満点の冷たい目。しかしハイレグパンツには(以下略
「ゆ、勇者様だ! 勇者様が来てくれたぞ!」
「なんだと!?」
―プシッ! ちょっと噴き出す尿。ユニドラは慌てて振り返る。
「ま、まさか本当に、貴様が…!?」
「勇者様!」「勇者様だ!」「あれが勇者様か!」
その場に居る誰もが村の入り口を見ている。
人々の、ひいては魔物達の視線をかっさらうのは、誰が見ても勇者としか言い様が無い一人の男。王家の紋章が刻まれた金色の西洋甲冑を身に纏い、腰には勇者にしか扱えないと言われている純白の宝剣を差している。
傾いた太陽がさながら後光のごとく彼を照らし、村人達の瞳も希望の光で爛々と輝いていた。…しかし。
「あ、まさか今取り込み中?」
「え? …あ、ああ。私達は魔王軍の者だ。この村の巫女を魔界に連れ去るべくここに居る。」
「あれ、あなたなんか下半身ビショビショですけど…大丈夫ですか?」
「こ、これは汗だ。気にするな。」
「いやションベンだろ。」
「!」
赤面しながらユニドラは勇者に手をかざす。
―だが既に、そこにその姿は存在しない。
「あんたが村長か?」
「ふぉっ!?」
ユニドラの足元で這いつくばり、晴れの日にできた水溜まりをすすっていた村長。その人間を捨てたおぞましい存在に、いつの間にか隣に居た勇者が問いかけている。
「なに!?」
咄嗟に飛び退き、勇者から距離を取るユニドラ。勇者はその様子を一瞥してから面倒そうに頭をかくと、別の村人に目を向けた。
「なぁ、巫女はどこだ?」
「ゆ、勇者様、わたし達を助けてくださるのですね!」
「ん? いや、俺は合法ロリと名高い巫女様とやらを見に来ただけだが?」
「え?」
村人が固まる。
「え?」
勇者が怪訝な顔をする。
「え?」
ユニドラも固まる。
―――それは、辺境の小さな村に、しばしの静寂が訪れた瞬間。
ただ一人固まっていなかった勇者は辺りを見回し、面倒くさそうにボリボリと頭をかくと、小さな溜め息を溢した。
「はぁ…。 …え、なにこの空気。まさかあんたら、俺に何か期待してた訳?」
「だ、だって勇者様は邪悪な者を打ち滅ぼし、世界を平和にしてくださる御方なのでしょう…?」
「は?」
「だ、だから世界を救ってくださるのでしょう? わ、わたし達も…。」
まさかとは思いつつも、一応。そんなトーンで問いかけてくる村人を、勇者はひどく冷めきった表情で見つめている。
「え………?」
「…まず言っておく。俺はロリコンでサチリアジスで面倒くさがりで責任感皆無なのに口とプライドと態度だけは一人前な人間のクズだ。」
「は、はい?」
「そんな俺が何故か勇者をやらされてるんだ。世界が救われる日が来るなんて思うなこのバカめが。」
「え……………?」
「ちなみにサチリアジスってのはオナニー狂いって意味な。 そこの魔族、お前も今日の俺のオカズなんでよろしく。」
―ビシッ。 勇者は呆気に取られるユニドラを指差すと、不敵な笑みを浮かべた。
「ま、直接ヤりたいってんなら大歓迎だけど?」
「上等だ!」
―ボゥンッ! 勇者は直ちに大爆発に巻き込まれる。無論、爆発を起こしたのはユニドラの魔法である。
「やりましたねユニドラ様! 勇者を討伐したとなれば、三獄帝入り間違いなしですよ!」
「…いや、駄目だ。」
喜びの声を上げるリザードマンの戦士に対し、ユニドラは緊張した面持ちでそう返す。
しばらくして煙が晴れると、そこには黒焦げになった勇者が横たわっていた。
「やるじゃないか…。」「駄目じゃなかった…!」
チビりながら愕然とするユニドラをよそに、魔物達は勝利の喝采を上げ始め、村人達は絶望に青ざめる。
肝心の勇者は震える身体に鞭を打ち、なんとか立ち上がるが、血を吐いてまた倒れた。
「俺瞬間移動一日に一回しか使えないんだ…。もう………、駄目かもしれない………。」
そしてとうとう世界が救われる事はなく、人類は魔物に淘汰されてしまいましたとさ。
めでたくないめでたくない。
まず言っておく。俺はロリコンでサチリアジスで面倒くさがりで責任感皆無なのに口とプライドと態度だけは一人前な人間のクズだ。そんな俺が何故か作者をやらされてるんだ。面白い作品が読める日が来るなんて思うなこのバカめが。
…すみません、嘘です。ここまで読んでくださりありがとうございます。
辛さ8倍のカラムーチョを食べてお腹をくだしながらトイレにこもって書き上げた作品です。ウンコを踏ん張りながら書く作品の集大成です。
なんでこんなの書いたのかは自分でもわかりません。
ロリコンが主人公の話はいずれ書きたいです。ちなみに私はロリもグラマーもなんでもいけます。
ブスもいけます。美人もいけます。キリンさんも好きです。でもゾウさんのほうがもーっと好きです(意味深)
すみません、お腹が第6ラウンドのゴングを鳴らしているのでこれにてドロンします。またウンコしながら書いたウンコみたいなのを上げてしまうかもしれません。
そしたらウンコぶつけながら罵ってください。ウンコまみれになりながら反省します。
やべ出