第81話
すいません。大変遅くなりました。
――――大和・作戦室(1時間後)
作戦会議が終わって1時間が経った頃、宇垣少将は目を覚ました。
「寝てしまったようだ。作戦はどうなったのだ?・・・・・あら?」
目を覚ました宇垣少将以外部屋には誰もいなかった。彼は時計を見た。
「あれから1時間も経っているのか、いかんいかん」
彼は立ち上がり部屋から退室した。
――――大和・艦橋
艦橋の扉が開いて謝りながら宇垣少将が入ってきた。
「申し訳ありません」
「おお、宇垣少将。そろそろ貴官を呼びに行こうと思っていたのだ。ぎりぎりまで寝ててもらっても構わなかったのに」
「いやいや、長官。そういうわけには・・・」
「まぁまぁ、そんなことより、少将が寝ている間に敵艦隊はすでに電探に捉えていてな、あと10分ほどで視認圏内に入る距離まで来ているのだ。」
「なんとそこまでですか?」
「今、我が艦隊はこの大和を先頭に他の艦船は複従陣で航行している。敵の先頭艦は鉄でできた戦艦2隻だからそれをこの大和の主砲で沈めて他の敵艦船は後方の艦隊がそのまま押し沈めるということになっている」
宇垣少将は作戦内容を改めて聞いて、開いた口が塞がらない状態になっていた。
――――10分後
艦隊の視認圏内に敵艦隊を見つけるまでの距離に入ったとき草鹿長官は指示を出した。
「総員戦闘配置、一番主砲は左の戦艦を二番主砲は右の戦艦を追尾せよ。弾種、榴弾装填」
一番及び二番主砲は各個旋回を始めた。榴弾を装填した状態で。
――――シリアナ帝国艦隊
同じころシリアナ側でも三国聯合艦隊を確認していた。しかし旗艦であるウォールストーンの艦橋では艦隊発見より先頭にいる戦艦の話でいっぱいだった。
「敵の艦隊を見つけたはいいがなんという大きさなんだ!!我が艦よりも大きさだ。特にあの主砲はなんなんだ、あんな大きさの主砲初めて見たぞ!!」
誰よりも艦隊司令であるダルラン提督が一番驚いていた。
彼らが驚くのも無理はない。彼らの主砲は約14センチ砲だが大和の主砲は60センチであるから雲泥の差である。
「提督!敵の艦隊ですが後方の艦隊にもですが木造らしき艦船は一隻もおりません!」
横で双眼鏡で観察していたドク艦長が声を上げた。
「提督、どうされますか?」
「艦長、艦隊はこのまま前進を続けろ。敵の旗艦とおぼしき先頭の巨大艦に全艦で主砲を打ち込めば沈めることは出来なくてもダメージは与えられるはずだ。」
「了解しました、提督。全艦、艦隊速度及び艦隊進路このまま」
シリアナ帝国艦隊は地獄に向かって舵を取った。
次話更新に結構てこずっているため、時間かかりますがよろしくお願いします。




