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第80話

――――聯合艦隊大和 作戦室

敵に航空戦力と思われる戦力が確認された今、大和艦橋では作戦の見直しが行われていた。

「敵に空母が確認された以上、航空機か誘導弾による先制攻撃が得策ではないのか!?」

「いや、あれは空母ではなくただの輸送艦っていうこともあり得るぞ!?」

「ではどうするんだ!?」

作戦室では士官や下士官が怒鳴り散らしながら物議かもしだしていた。


「失礼します!!」

入口から通信兵が入ってきた。

「何事だ!」

「草鹿長官に電文です!」

「来たか、こちらにもらおう」

通信兵は草鹿に通信電文の紙を渡し、早々に部屋から退出した。

他の士官たちは草鹿の方をジッと見つめた。


「長官、電文にはなんと?」

「ん?ああ、敵に不明戦力があると本土に連絡したんだが作戦内容が送られてきたんだ」

「航空攻撃による先制攻撃ですか?」

「いや、このまま進む」

作戦内容に一同は固まった。


「艦砲射撃か?」

誰よりも早く口を開いたのは日本艦隊参謀長、宇垣纒うがきまとめ海軍少将だった。

「そうだ、参謀長。だがな艦砲射撃を行うのはこの大和のみだ」

「どういうことですか?」

今度は黒島大佐が口を開いた。

「これより作戦を伝える。大和以外の艦は複縦陣でこのまま進む、大和は複縦陣の丁度真ん中を少し前に出て航行する。尚、複縦陣の先頭は米戦艦アイオワと独戦艦ビスマルクを付けろ。その後ろに他の駆逐艦等を続かせる。」

「変わった陣容ですな。つまり正面から見ると三国の戦艦が向かってくると思えばいいのですか?」

「そういうことだ参謀長、そしてアイオワとビスマルクは一発も砲弾を撃たなくてもいいそうだ。だが最終判断はこちらに任せると言ってきた。」

「それはどういうことですか?長官」

「大佐、敵の先頭艦は三笠みたいな戦艦だというじゃないか?その戦艦2隻を大和の主砲で沈めて、沈めた後の帆船などはアイオワ及びビスマルクで踏みつぶせってことだと」

「また大胆な作戦を突き付けてきましたな、本土は」

「まぁこの作戦により弾薬はだいぶ節約されるから良いが、この作戦を立案したのが陛下なんだがらすごいことで、ということで他の艦隊にも伝達しておいてくれ参謀長・・・」


宇垣参謀長は腕を組み、目を閉じていた。

「参謀長?」「おーい参謀長?」

草鹿も黒島も呼んだ、

「長官、参謀長寝てます」

「まだ会敵まで時間はある、このまま寝かしておこう。みんなも休めるときに休んでおくように、では解散!!」

と、草鹿は言い作戦室からぞろぞろと出て行った。宇垣参謀長を残して・・・

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