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第77話

――――この世界にも電話は存在する。いや、存在し始めていたと言ったほうが良いだろう。日本等は最初から電話を使っているがこの世界では電話はまだ開発されて間もない物、それまでは魔法で通信が行われていた。魔法による通信なので術師の体力も消費するからってことであまりいいとは思える通信方法ではない。日常生活ではたいして負担にならないのだが戦場で攻撃する術師と通信魔法を使う術師は大体一緒なため戦場では大きな負担がおこる、よって開発されたのが固定式電話と移動しながらも使える移動式電話である。移動式電話は簡単に言えば携帯電話と一緒みたいなものだが背中に背負って持ち運ぶタイプでサイズは二次大戦などで通信兵が背負っていた無線機よりさらに大きいサイズである。


――――シリアナ外務局

朝日基地侵攻で日本が使った兵器について外務局員はネオバス共和国に問い合わせていた。


『二ホン?あなたたちは何をおっしゃっているのかわかりませんよ?』

「あなたの国、ネオバスで作られていてこの前視察で見せてもらった飛行機械を二ホンが使っていたんですよ?」

『それはおかしいですね?飛行機械はまだ試作段階で実戦配備どころか他国に譲渡なんて出来るような状態ではありませんよ?ましてや二ホンなんて国、今初めて聞いた国家です』

「そんなぁ、じゃぁあの国が持ってる兵器はなんだっていうんです?」

『自分らで作ったんじゃないんですか?あなたたちの話を聞いたところその二ホンは海の向こうにあるそうじゃないですか?我々にとって海の向こうは未知の世界、我が国みたいに高度文明国家があってもおかしくはないですよ?』

「は、はい・・・」

『では、我々も暇ではないので失礼します』


電話は切れた。ネオバス共和国が二ホンという国を知らないことそして兵器は恐らく日本独自の技術であることを外務局は皇帝陛下に伝えたがその問いに皇帝は「そんなことはありえん!」と断固として押し通した。


――――朝日基地

杖を突いた状態ではあるが歩けるまで回復したアルフレッドは基地内を散歩していた。

「広いなここは」

そうつぶやきつつ歩いていた、すると目の前に自分を襲撃してきた物が見えてきた。一式戦である。あの攻撃のあと格納庫にはしまわず格納庫の前に駐機されていた。アルフレッドはそれに近付き一式戦に触れた。

「これが俺たちを襲ったこいつらの兵器・・・硬いな、鉄でできているのか?」

「それはアルミで出来ているんだよ」

声のする方向を向いたら1人の男が立っていた。

「あなたは?」

「俺か?俺はこれを操っていた長瀬ってもんだ」

「あなたが!?」

「すまなかったな、お前の部下を何人も殺してしまって。だがなこれは戦争なんだよ、戦争で人が死ぬのを許せないとか言われても無理なこと、お前も国のために動いてるならわかるよな?」

アルフレッドは言葉が出なかった。彼は国から蛮族の盗伐と言われて戦いに来た、しかし敵である日本はこれはシリアナ帝国と日本との戦争であると言ってきた。これは盗伐という名の戦争であったことに・・・

ふと我に戻ったアルフレッドは聞き直した。

「これは鉄ではなくアルミと言いましたが、アルミとは何ですか?」

「アルミを知らないのか、アルミって言うのはな金属の1つだ。お前らが鎧で着ているのは鉄だろ?」

「ああ・・・」

「アルミは鉄と同じ金属ではあるが軽くて加工しやすい金属なんだ」

「なるほど・・・」


長瀬とアルフレッドの会話はこのあと2時間ほど続いた・・・

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