第73話
今回はアルフレッドの視点で書います。
短いです。
――――朝シリ街道
「う・・・ん・・・」
俺は頭に痛みを少し感じながら目を覚ました。起き上がろうとしたら太ももから下が馬の下敷きになっていた。そして何とか引っ張り出した。少し痛みはあるが折れてはいない。歩ける。俺は立ち上がって周りを見た。ヒドイ惨状だ。両手両足が吹き飛んだにも関わらず生きている者、手足と首が無くなり胴体だけ残っていてもはや誰かも分からない者、下半身が無くなり内臓剥き出しで這いつくばっている者までいた。大丈夫か?と声掛けしようと思ったが先に胃の中の物を吐き出してしまった。それぐらいひどかった。俺はまだいいほうだ。ほとんど無傷で生きているのだから。だが連れてきた兵士達はそうもいかない、即死した奴らは幸運だったのかもしれない。だが息のある奴は不幸だ。うめき声が耳をふさいでも聞こえてくる。
俺はあることを思い出した。また、あの鉄の鳥が来るのではないかと・・・、来たら今度こそ死ぬ。そう思った俺は重たい武器や防具を外して帝都に向かって走っていた。周りからは待ってくれ、連れてってくれと声が聞こえたがすべて無視した。息が切れるまで振り向かずに走るつもりだったが無理に終わった。
また、あいつがきたから、そしてそれに俺は阻まれた。
次回は元の視点に戻ります。




