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第57話

――――日本国側・霧出口付近

国防海軍が攻撃を受ける少し前・・・

「各国空軍、ホワイトエリア抜けたぞ!坂井!」

最初に言葉を発したのは岩本中尉だった。帝国航空隊の笹井中尉、岩本中尉、坂井中尉は史実ではお互いを知ることはほとんどなかったが、この世界では親友と呼べるほど仲が良く撃墜数を競い合う良きライバルでもある。

「了解!しかし、やっぱり噴式ジェットよりプロペラのほうが操縦しやすいなぁ」

「そうだな、やっぱりこの紫電は使いやすい。旧式の零戦の20mmは初速が遅く、ションベン弾だったからなぁ」

この世界の紫電は大幅に航続距離を伸ばしてあるので零戦より飛ぶ。

「坂井、岩本。おしゃべりはそれくらいにしておいてそろそろ透明になったほうがいいんじゃないのか?」

「おお、そうだったな。じゃぁ坂井、消えるか!」

「ああ。透明機能オン!!」

これで敵のレーダーには一切映らなくなり、国防海軍が突然攻撃を受けた理由である。


――――日本国・竹島沖(上空)

「見えた見えた。笹井!岩本!敵の艦隊だ。用心して高度上げて正解だったな。敵さんまだ気づいてないみたいだ。」

「そのようだな。よし、岩本!特別機を誘導して攻撃開始だ!」

「了解!」

そして、岩本中尉の誘導により1機の特攻機が国防海軍のしらねに体当たりした。

「よっしゃぁ!!当たったぜぇ!!」

「お見事だ!岩本!!」

坂井中尉が岩本中尉を褒めた。

「よし!全機、岩本に負けるな!攻撃開始!!!!」

坂井中尉の合図で爆弾や魚雷を抱えた機体、特別攻撃機は敵艦に向かって攻撃を開始した。残る戦闘機隊はいずもやかがの甲板に駐機している敵機に機銃掃射していたが、敵艦隊後方より敵空軍の増援が飛んできた。

「坂本中尉!敵機接近!敵の増援です!」

「来やがったか・・・おそらく敵は噴式でこちらより速いだろうな。よし、ソ連とドイツに向かわせろ!あいつらは噴式で速いし、最新鋭機だ。」

「了解しました」

1人の航空兵がドイツ軍機とソ連軍機に打電した。すると彼らは敵増援機に向かって飛んで行った。

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